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手のひらサイズの世界

手のひらサイズの
黒い四角形の箱
世界と蜘蛛の巣でつながっている
そこには英知が詰まっているはずなのに
僕はたくさんのゴミにしか出会わない
毎日上から下へと流れていく
情報のうずを眺めていると
朝と夜の境界が分からなくなる
僕はのっぺらぼう
久しぶりにかつて友人だった男に会った
彼は僕の顔をみて
人ではないモノをみたような
顔をする
僕は笑ったつもりなのに
間違っていると言われると
なおさらムキになってしまう
いいさ
画面の向こうには
君より賢い人であふれている
近頃、「正義」は多義的なようで
みんなが暴力を振るうことを正当化している
彼は「ジャスティス」はそんな意味じゃないという
だけど結局は、数が大事なんでしょう
じゃないとどうやって決着をつけるのさ
でも もうどうだっていいことさ
だって 現代的な君は
どうぜ
こんな僕も受け入れざるを得ないんでしょう
世界が手のひらのなかで回っている
経験と感覚を忘れてさすらおう
訳も分からずに 
あいだにあるものも考えず
言葉という言葉をわたっていく
僕たちが作るのは分断の夜
君と僕は同じ地上にいながら
別の世界に属する
君の手のひらと
僕の手のひらの上で
どこまでも平行線をたどりながら
君と僕はワルツを踊り続ける
こんな滑稽なさまに
君は泣き叫び
僕は高笑いする

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