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1.最初の半年間は、悔しさだった。

初めて波を掴んだ日から
その感覚だけを追い求めて
ひたすら海に通った。

海に入らなかった頃は
まるで気にしていなかったけれど
行くたびに海は全然違う顔をしていた。

あるときは通い慣れたサーファーや
上級者、ローカル(※)だけが入れる台風波、
また別の時には湖のように静まり返る。

※ローカル: その海の近くに生まれ育ったサーファーのこと。

入ってみたら
見た目よりも大きかったり、
全然乗れる波がこなかったり。

サーフィンはとにかく思うように
いかないことが多すぎる。

“海に入ればいつでも癒やされる”
そう思っていたのに
あまりにできなくて
だんだんイライラする。

すると、パドルに力が入ったり
冷静に波を見極められなくなって
余計に乗れない。

ただでさえどの波が正解かわからないのに
ようやく”これだ”と思った波は
よりピークに近い誰かに乗られてしまう。

1年目の夏はそんな感じで
楽しいよりも悔しいが
断然勝っていた気がする。

でも、それだけうまくいかないと
私の負けず嫌い心は焚き付けられた。

次こそは、次こそは、、
そんな思いで毎週海に行っていた。

そして、友の力はやっぱり偉大だった。

一緒に入る友達がいるだけで
うまく乗れなくたって
何回波を取られたって
自然と笑顔が溢れ出た。

そのうちだんだんとサーフィンが
“メンタルスポーツ”と言われる所以を
肌で感じるようになり、

いかに平常心で冷静に波を見極め
リラックスしてテイクオフすることが
大事なのか、気づくころには
半年ほどが過ぎていた。

私の好きな冬の海が、
すぐそこに、近づいていた。

『サーフィン豆知識』ローカル優先

サーフィンの特徴的な文化の一つとして、いい波の時には地元の人を優先することが挙げられる。”日頃から海の近くで暮らし、サーフィンができる環境を守ってくれている彼らをリスペクトしよう” という思いからこの文化は生まれている。

ただし、この”ローカル優先”という暗黙のルールについては、たまにいき過ぎてしまってトラブルの元になることも、あるのが現状。

まずは、人としてリスペクトする気持ちをお互いに持つ。その上で、さらに感謝や尊敬の気持ちからローカルに波を譲り、逆にローカルからもたまに波を譲ってもらえる、という感じだとやっぱり入っていて心地がいいなぁ、と個人的には思う。

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ここまで読んでくださり、
本当にありがとうございました。
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