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映画鑑賞記録 No.7「街の上で」

日本/2019年

どちらかというと下北沢みたいなところにいる人間が嫌いだし、古着の良さはわからない。こういう所謂サブカルな集団はなんだか痛くて、ダサくて、嫌いだ。

でも開始20分、あーこの主人公が好きだと思った。なぜだろう。

いつも周りの人に振り回されていて辿々しくてぎこちないのに、意外と飄々としているからなのか。どんな時も、まぁいっか、という声が聞こえてきそうな人だ。

彼女に突然浮気を告白された挙句、別れたいの一辺倒で別れ、フラッと寄ったライブでは美女を発見、見惚れた途端に曲を真剣に聴き始める。喫煙所で偶然その美女と会話できたのに、次の一手が出ないまま。タバコに火をつけられないでいる自分のことなんて、気にもしないで美女は去る。あー惜しい。もう少し早く会話に持っていけていれば。

おまけに警察官から路上喫煙を注意され、どうでもいい身の上話を聞かされた挙句、複雑ですねと返事をすれば馬鹿呼ばわり。変わった警察官だ。

でもまぁ、いっか。こんなもんか。

いつも人と噛み合わず、そんな彼の様子にわかるわかると共感する。私もいつもその気持ち。なんて返したらいいのか、どう反応したらいいのかわからない。わからないから、ぎこちなくなる。変わっているのは私のほう?

でもそんな辿々しい彼の、タバコを持つ指が細くて、長くて好きだ。

どんなことに対しても、フワフワと辿々しく交わして難を乗り切る、そんな彼に忘れられないと言われてみたい。
帰宅するや否や倒れるように横になった一人の部屋で、名前を呼ばれるような女性になりたいものだ。

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