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〈ラッコ先生が聞く!〉セキララトーーク! vol.2 : コンサルティング会社に勤めるOLさんのお話

 実際に妊活や不妊治療を行なったご夫婦に、インタビューしに行くコーナーです。不妊治療のきっかけや、実際にどんな病院に行ったのか、気になるお金のお話まで…なかなか表には出せないセキララに伺った貴重な体験談をシリーズ化してお届けします!
 *当時のお話なので、現在と病院や制度、値段など異なる場合もありますので、参考としてご覧ください。

 第2回目は…
 ベンチャー企業などを経て、不動産関連コンサル会社に勤めるOLさんのお話です。


高層ビル群の都会…
タクシーに乗ってラッコ先生はとあるビルの前に到着。

ウィーン!

自動ドアをくぐり抜けて、受付に向かった。受付嬢がざわめいている…
先生 「あの、◯△社の永見さんと15時に約束しているラッコです」
受付嬢「(…しゃ、喋ってる♡) あ、かしこまりました。少々お待ちください」
先生 「はい」
受付嬢「お待たせいたしました。こちらのフダを下げていただき、15階にお訪ねください」
先生 「はい」
受付嬢「(キュン♡)」

ラッコ先生はエレベーターで15階へ向かうと、早速永見さんが出迎えてくれた。

 今回、お話を伺うのは池袋にある不動産のコンサルティング会社で働いている永見薫さん。


ーーー事前に聞いていたところだと、若い頃体調崩していたんだって?

 「うん、あれは結婚する前の20代半ばかな〜イベント企画や運営などの仕事がかなりヘビーでストレスを抱えてしまってて…実はその時、不正出血があったの…」

ーーーそれは心配だよね…すぐ病院には行ったの?
 
 「行ったら、どうやら1年近く無排卵月経だったみたいで… 先生に「この状態が続くようだと、子どもを産むのは難しい可能性がある」って言われて。
今の職場だと身体の負担も大きいし、さらに結婚どうしようかなとか、子どもどうしようかなとか、まだ色々決めきれていないままだったのね。」
 

無排卵月経とは…?
月経があっても排卵が伴っていない状態。
月に2回の月経があったり、少量の出血が続いてしまうなどの症状がある。

ーーー独身時代も結婚後も、悩み考えることが山ほどあるよね。

 「そう… 先生から色々言われて、自分の将来の選択肢の可能性を潰してしまうのは嫌だなと改めて振り返って考える機会になったの。」

ーーーそっか、身体の状態を知ることで、自分と向き合ったんだね

 「事実を知ってショックだったけれど、それを早めに知れてよかったなと今となっては思う。転職を考えるきっかけにもなったし。」

ーーー気持ちも整理できてよかったね!ちなみに、その時は何歳だったの?

 「確か26歳だったかな。転職はその後何度かしていて、いい縁がなかなかなくて…30歳の時にアパレル関係の仕事をし始めた時が一番ヤバかった… イジメがあってね…(白目)」

ーーーえ!?イジメ?(つられて白目)

 「事務の女性陣からのイジメがあって…
 あのお局軍団め…!」

ーーーえ?ウツボ軍団!?海のギャングは恐ろしいよね…

 「(あ、ちょっと違うけど、意味は一緒か!)
 うん。人間関係は最悪で、仕事面では楽しかったんだけど…メンタル崩壊してしまって。ちょうどこの頃に結婚したんだけど、家事と仕事の両立も厳しいし、かなりブラックでさらに身体面も不調になり…
 その時、自分のやりたいことを仕事で追求するのはやめようって思ったんだ。」

ーーー相当追い詰められてしまったんだね…

 「うん、だから再び転職して…それで今のコンサル会社の一般職につくことができたの。そこでは規則正しい生活ときちんと休暇をとって、徐々に身体とメンタル面の両方が元のわたしに戻ってきた。」

ーーーいい会社とのご縁があって本当よかった!

 「いや、本当に転職できてよかったよ〜あのままだったら、ヤバかった!
今の職場は居心地よくて、事務職から専門的なことをもっと勉強したい意欲も湧いてきて!」

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ーーーお!いいね〜気持ちも前向きになってきた!

 「でもね、旦那がこのタイミングで「子ども欲しい」って言ってて…わたし思わず「もう少し待って」って言っちゃったのね。いい会社に入れたし、もう少し経験積んでから産休に入る流れにしたいって思って…自信もつけたかったの。転職したてで産休入っても、すぐ復帰できないと思って。」

ーーーこの時旦那さんはおいくつなの?

 「わたしの2つ上で、当時35歳かな?仕事はSEで、出向先の会社さんへ移動して働いていて、さらに毎日激務続きで。寝不足でさらにストレスもあって、アトピーも悪化したりとか、結構大変な時期だったんだよね。」

ーーーSEA(SE/シー)…大海原の中で、旦那さん頑張ってたんだね。

「(あ、ちょっと違うけど、ま、いっか!)
 うん。転職して、1年過ぎてからは自然にタイミング合わせていたんだけど、なかなか妊娠できなくて…旦那さんも自分の身体の心配もあったし、もう1度病院で調べてもらおうと思って行ったのね。」

ーーーちなみにどこの病院へ行ったの?

「不妊専門クリニックでウィメンズ・クリニック大泉学園

ーーーどういう基準で病院を探したのかな?

 「ひとまず検査をしようと思ったから、やっぱり通いやすい近所で探したの。1回目は旦那さんと一緒に行って検査して、わたしは身体が健康だとわかって。でも、彼の精子検査の結果がよくなかったの…」

ーーー検査するにあたって、旦那さんはどうだったかな?

 「やっぱり、すごく嫌がってた…だから検査しなければいけないのに、2回目がなかなかできなくて先送りされてしまって…結局、半年も時間が空いてしまったの。だから、そのまま自然妊娠できないかなってトライしていたんだけど…」

ーーーそっか、旦那さんも葛藤が色々あっただろうね…

 「それで半年後、病院で「1年経ってできないのと、年齢的にも厳しくなってきたから、改めて真剣に考えて」って言われて、旦那もやっと覚悟が決まって。2回目の検査をすることにしたの」

ーーー結果はどうだったのかな?

 「結果はよくなくてね…なので、改めて覚悟を決めて人工授精にチャレンジすることになったの。トータルで3回したんだけど、確か2016年12月にトライして1回目は運動率が悪くてダメだった。2回目は翌年2017年1月にしたんだけど、そもそも人工授精できなくて…精子の検査結果が悪くてできなかったのね。そして、2月の3回目も同じ結果でできなくて…ちなみに、記憶ではお値段は1回あたり2〜3万円だったかな。あと、1周期あたりの検査代はまた別途かかってたかな〜」

ーーーそれは精神的にも本当に辛かったよね…その後どういう治療に進んだの?

「これ以上、人工受精は難しいかなと思ってて、先生からもステップアップを勧められたので、体外受精についての説明会に参加することになって、そこからとんとん拍子でそのまま3月に体外受精の準備を始めて、4月に移植を行って無事に妊娠できたの…!

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ーーーわ〜!1回目のトライで無事に妊娠できて本当によかったね…!

「うん、本当によかった…!この時結局、顕微受精でモデレート法っていう手法で行って、低刺激で身体の負担が少ないみたいで、薬と注射を併用するやり方だった。後からいろいろ調べてて、これから先どれくらい体外受精に挑戦するかわからないし、闇雲に身体の負担をかけるやり方よりも負担少ないやり方をしていきたいと思っていたから、先生からこの手法を提案してもらえてありがたかったよ〜」

ーーー顕微授精はちなみにおいくらだった?

確か50万円くらいしたと思う。貯金本当に大事って思ったよ…現金ないと治療難しいし。それにいつまで続けるのかとかもいろいろ考えていたので、人工授精しながら、同時並行で体外受精や転院先とかの情報収集もしていて。」

ーーー今後を見越して転院も考えていたんだね。

「そう。もし今回の体外受精がダメだったら、さらに細かい手法を選べるっていう千駄ヶ谷にあるはらメディカルクリニックっていうところがいいかなと思っていたんだけど。でもここが人気過ぎて予約が取れなくて。初診まで半年待ちとかかかるみたいで…説明会に行けば、初診の優先枠が取れると聞いて準備はしておいたよ。」

ーーー自分が望む治療ができるクリニックの情報収集と先を見越した準備、大事だね!
 あ、そういえば、治療中は会社にどう話していたのかな?

人工授精にトライしていた時は、会社には言ってないの。うちの会社、有給が取りやすくて、事前申請とかせずにカレンダー上に休みって書いておけばOKだったので…思えば、ちょっと自由な会社だったかもね〜」

ーーーそうなんだね!言わないまま治療を進められたのかな?

「いや、2回目の人工授精をトライした2月に会社には話したよ。男性の上司で、年齢も近かったから真面目に親身にお話を聞いてくれて。私、仕事を続けたいし、やめたくないから、治療と両立するにはどうしたらいいかって相談をしたの

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ーーーどんな反応が返ってきたのかな?

会社としても仕事を続けて欲しいって言われて、両立できるように考えてくれたの。有給で対応できなくなった場合なども相談して、直属の上司から部長へ、そして人事部へ個別のこととして話を通してくれて。直接人事部に話しをしにいったら難しかったみたいなので、上司から順番に話を伝えていってくれたのがよかったみたい!あと、こうした相談するには今まで上司との信頼関係を構築してきたから話すことができたんだと思ってて、それが難しい環境だったらどうコミュニケーションしたらいいかって悩んでたと思う」

ーーーチームや上司とのコミュニケーションを普段からきちんとしてこれたのがよかったんだね。あ、その後、人事部は何か言ってきたのかな?

「ルールとして特別休暇が会社には存在しないから、有給がなくなったら、欠勤で対応して欲しいって言われて。注射しに行く時などは早退、遅刻扱いで、採卵や移植などの1日休む時は有給を使うようにして、と残りの有給分をなるべく残せるように時間の使い方も考えてくれて。あと外出の仕事も多かったから、直行直帰にしてクリニックに行く時間を作るとか、うまく調整させてもらえたのがよかったな。」

ーーー注射の回数考えると、早退遅刻など多くなってしまった時はあるのかな?

「ううん、結局1回で大丈夫だった。だけど、排卵直前は毎日行くことになったんだけどね。卵の育ち具合によって、会社への相談も変わっていたと思うよ。」

ーーーなるほど!本当に理解ある会社でよかったね。
全体を通して、大変だと思ったことは何だった?

スケジュール調整とか、クリニックの待ち時間の長さかな〜1時間から3時間とか当たり前だったしね。あとは、先生の相性も気になったかも。通っていたクリニックは、先生が固定ではなかったからそれぞれ相性もあったし」

ーーー嫌なこととかもあったのかな?

「これは治療している全ての女性に共通することかもだけど…やっぱり周囲の友人知人が出産ラッシュに入った時期とかは精神的にキツかった…みんなスムーズにいっていいなぁ〜とかね。1つだけ後悔したのは、あともう1年治療が早くできたら、自然妊娠できていたかな…とか考えてしまったことがある」

ーーーこればっかりは頭でわかっていても、心が追いつかなくて難しいよね…
 今日はたくさん本音を話してくれてどうもありがとう!!

ラッコ先生はタグを返却しに1階に戻ると、受付嬢から熱い抱擁を最後にもらい、都内から電車を乗り継いで、無事に海に戻って帰った。


永見薫さん、この度は貴重なお話、どうもありがとうございました!


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✔︎永見さんのnoteのご紹介


✔︎ 永見さんおすすめ書籍のご紹介

不妊治療を考えたら読む本〜「科学でわかる妊娠への近道」
 著:浅田義正、河合蘭 

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不妊治療ステップアップベストガイド
 著:ニンプス編集部 ナース専科編集部 

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男性不妊症
 
著:石川智基

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私、子ども欲しいかもしれない。 
 妊娠・出産・育児の"どうしよう"をとことん考えてみました

 
著:犬山紙子

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