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FACE展2024

恋人の知り合いが入選したということで招待券をもらい観に行った。新しい才能を発掘することが目的の公募式展覧会。

かわかみ はるか《26番地を曲がる頃》

まず広角なのが良いと思った。ぐわんと視界が歪み、奇妙な感じを演出していると思う。手前の三人が体の向きを変えるほど窓の外に釘付けになっていて、そこには花束を持った人物がいる。人物は黒く塗りつぶされていて、異質。花束からは花弁が落ちていて、かなしさを感じる。交通事故があった場所なのかなと想像した。

巽 明理《CYCLE》

色使いが細かくきれいだった。死骸だけれどきれいで、命とはそういうものなんだと思った。巡り巡っている。

春日佳歩《絡みつき、纏わりつく、》

獣の内蔵物とパスタが絡み合っていて、解体途中にお腹が空いてその手でパスタを貪っているのかなと想像した。食べることと生死。角にパスタが絡まっていたり顔の上に蟻が歩いていたり、細かい描写が良いなと思った。構図も良い。自画像らしい。

寺本明志《Patio-チェスをする人-》

大きくて、迫力があってきれいで、思わず見とれてしまった。お米が散らばっていて掃除道具がある。ルンバ、掃除機、ちりとり。進化の過程?窓の外はジャングルのよう。人物はそれらに構わずひたすらにチェスに集中しているのかなと思う。絨毯の模様なのか光なのか地面なのか判別がつかないけれど、幾何学の何か。作者のメッセージを正しく読み取ることはできなかったけれど、とても惹かれた。

清水英子《静けし》

とてもきれいだと思った。そう、雪ってピンクだったり紫だったりする。私は写真を撮るのでよく光を見る。とてもよく光を捉えているなと思った。絵で光を表現できるのってすごい。木の影や、構図も良いなと思った。

長谷部満莉愛《Swim the Night》

本展示で一番好きな作品。とてもきれいな絵。大きな窓に映る大きな夜景。夜の都会のカフェかなと思う。光の粒がきれい。人物が淡く描かれていることによって夜景が際立ち、まるで水槽の中にいるみたいだと思った。仕事終わりに思い思いの時間を過ごすことを、夜の泳ぎとしているのが素敵だ。

小池 柊《予感》

パール?が立体的で、サンダルに使われていたり服の模様に使われていたり、遊び心があっておしゃれだと思う。これからみんなで夜の街に繰り出すのか、それにしては幼い顔立ちで、違和感を覚える。そもそも全員友達なのか?左から二番目の少女はこちらを向いていて、右端の少女は口元に笑みを浮かべながら歩き出している。中央の二人組は片方がもう片方の靴のリボンを結んであげようとしていて、でも自分の靴紐も持ったままで、何をしようとしているのか分からない。何の「予感」なのか想像させられる。右端の子のリボンが本物のリボンのような質感で、とても良かった。全体の色味も良い。

金井花織《白昼夢》

白昼夢=真昼に夢を見ているような、非現実的な空想。メタバース空間のような絵だと思った。かなり現代的だ。黄色が緑にぶつかって壊れている?仮想空間やSNSそのものが白昼夢のようだと言っているのかなと思った。

フィンセント・ファン・ゴッホ《ひまわり》

おまけ。収蔵作品コーナーもあり、初めてゴッホのひまわりを観ることができた。良かった。

久しぶりにアートに触れ、有意義な時間を過ごすことができた。絵のことは全然分からないけれど、全員「レベルが高い」ということは感覚で分かった。思うのが、「タイトルって大事だな」ということ。絵の世界においては特に。有名な人の有名な絵を観るのも楽しいけれど、こういう新進気鋭の人たちのいろいろな絵を観るのもまた楽しい。観覧者投票もしてきた。新たな才能が世に出ることのほんの些細な手助けになればいいなと思う。

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