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ユーフォルビア・キパリッシアスの引っ越し計画*春の黄色秋の赤

一石二鳥のいいことを思いついてしまった。

次のお休みが待ち遠しくてたまらない。

ただし雨の日以外のお天気で。

悩みというのはいつもあるのだけど、
いや、もちろん私の花畑のことですが。

実際はセロリと万願寺とうがらしとバジルと、
観賞用のみにしてるチャイブたくさんと、玉ねぎ60本も植えてるので、
心の中では「ポタジェガーデン」とつぶやいている。

だけども自給自足するほどの野菜もハーブもないし、
今のところ、仏様にお供えする切り花栽培が一番の目的なので、
「うちの花畑」に呼び名が落ち着いた。

回りが空き地だらけなので、雑草の種も飛んでくる。

隣の工場跡地はコンクリートのデコボコが残ったままだ。

問題は、花畑との境のところのむき出しの土のところ。

他人様の土地なのだが悩んでいた。

勝手に草取りも石拾いもしているし、花だって植えてみた。

しかし埒があかないし、そうそう他人様の土地にあれこれ、
手も掛けられないし、お金も掛けられない。

だけれども持ち主は持ち主だというだけで、遠くにいるし、
こちらが手を付けたからと言って、嫌な顔をされる方ではないので、
雑草防止に何かいい案はないかと考えていた。

今のところ一部は、袋を敷いて、その上に、
瓦礫拾いで集めた赤や黒の屋根瓦や、そのカケラを雑草防止に広げている。

この屋根瓦のカケラはいずれもう少し砕いて、小径に撒くつもり。

隣との境で、幅が狭くなっているところには、
増えやすいチョコレート色の葉のアジュガを植えこんで、
徐々にではあるが、雑草を駆逐している。

だけどそれ以外の場所は草刈り機で刈り取るくらいの、結構広い幅だ。

単純に花を植えても、綺麗を保って、雑草を防止するまでは無理な相談だ。

簡単なのは紫陽花の挿し木だが、枯れた紫陽花を剪定するには、
それだけで一日が終わりそうなほど植えなければいけない。

そのまま年を越しても大丈夫だけれど、
枯れたままの姿をみるのは、私の方が忍びない。

とりあえず雪柳の挿し木をしているし、
ピンクのサザンクロスが良く増えるので、
交互に植えようかなどと考えていた。

低木ならば、いざという時は、
すぐに切ってリセットできそうだし、
まあまあの案かなと思っていた。

その下に、がっしりと根を張るヒデンスやルドベキアを、
少しずつ少しずつ植えていけばいいではないかという計画。

しかし、私は気づいてしまった。

昨年、一年間放って置いた花畑で我が物顔で仲間を増やしたやつを。

その名はユーフォルビア属のキパリッシアス。

好きな花ではないけれど、とりあえずの慰み者の位置で、
花畑の仲間に入れた。

彼女の、鋼のハートでタフであることにおいて、右に出るものなし。

「あんたは好き勝手し放題に伸びるよね」

「こっちに来ないで欲しいんだけど」

どんな悪態をついても動じない。

私に好かれていないことを分かってるはずなのに、
どこ吹く風で、その勢いをまして、仲間を作り続けている。

私は抜く、抜く、じゃまなところは惜しげもなく抜いて、捨てる。

私の中ではスギナよりも厄介で、力負けしそうなにらみ合いの日々。

( こいつがいるじゃないか! )

しかも春にはこんもりと明るい黄色の花が咲く。

それに秋には赤く色づいて回りを染める。

さらに丈夫でやせた土地でも構わない。

なぜ今までこの存在に気が付かなかったのか。

ここにも「人は見たいものしか見ないように出来ている」という法則。

私との闘争から逃れたこの一年で、この春ようやくと言えばいいのか、
嫌になるほどあちこちで花を咲かせているからです。


今年の秋は隣との境は、赤いキパリッシアスで覆ってみせようではないか。

早くたくさん引っこ抜いて、たくさん引っ越しさせたい。

よし、決めた。

もう迷いはない。

あなたたちだけで、思いっきり場所を占領して咲いて欲しい。

心ゆくまで存分に。


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