疲れた男が
とぼとぼと

街のはずれを歩いていた

愛に満ち溢れた男

彼は一人の女性に恋をして

ひたすら愛を捧げた

だけど
彼女は一度も受け取らなかった

彼の中の愛は枯れ果てて
彼の心は傷つき
空っぽになった

街のはずれ
一人の疲れた女性が歩いていた

彼女は
愛に飢えていた
愛を与えられずに育った
愛を知らない彼女は
愛を知りたかった

街のはずれ
道と道が交差した
小さな交差点

疲れた二人は
出会った

二人は
何かを感じて
近づいて

どちらともなく
手を繋いだ

暖かい人の温もりに
二人に笑顔が戻った

別々の道を歩いてきた二人が
一緒に歩き出した

お互いの「愛」を確かめるように

二人の出会いは偶然か
必然だったのか

それは
誰にもわからない

ただ
二人はお互いに
なくてはならない存在

そう気づいただけ

二人の行く道は
二人で築けばいいだけのこと