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大切な気持ちこそ手紙に込めて伝えたい

最近、メルカリで小説を購入したときに起こった出来事です。

私は日頃、本に関する情報収集はInstagramでいろいろな方々の投稿を見させてもらっているのですが、気になった本や読んでみたい本があったら、メルカリで検索して買うようにしています。

本屋で本を買うこともあるけれど、あらかじめ買う本が決まっているというより、ふらっと本屋に立ち寄ってたまたま出会った本に縁を感じ、つい連れて帰ってしまう、という買い物の仕方が多いです。

連れて帰るというと、まるでペットみたいですね。笑

メルカリは新品同様にきれいな状態のものを出品している方はたくさんいるし、安いし、充分満足。
新品ばかり買っているとお財布が貧しくなってしまいますから、ちょっとした節約でもあります。笑

それに、注文したら当日か翌日には発送してくれるスピーディーな方ばかりで、大変助かっています^^

昔、楽天ポイントがたくさん付くからという理由で、楽天ブックスで中古を購入したことがありました。
メルカリと同じ感覚で、「中古だけどきっときれいなものが届くんだろうな」
そう思い込んで。

そうしたら、かなり状態がひどく紙の色までしてしまっているものが届いたんです😨

それ以来、ネットで買うときは中古ならメルカリの方がいいという考えになりました。


さて、前置きが長くなりましたが本題のお話をしたいと思いますm(__)m

先日メルカリで文庫本を購入し、出品者様からすぐに「発送しました」と連絡がありました。
発送元の都道府県から、翌日~翌々日には届くものだろうと、ワクワクしながら待ちます。

しかし、3日経ってもポストには何もなく。5日経っても届かない。
最初は「きっと台風の影響で配達に遅れが出ているのかも」と思うようにしていましたが、

遠方からの発送じゃないし、さすがにそれはないだろうと、念のため出品者様に届いていない旨を連絡してみました。

荷物の問合せ番号を教えてもらい、ネットで調べてみると、あろうことか「配達完了」という結果が出てきました。

ポストに入っていないのに「配達完了」

こんなことがあっていいはずありません。私はマンションに住んでいるので、もしかしたら配達員さんが間違えて別の部屋のポストに投函したかもしれない。

そう思い、最寄りの配達店へ連絡をし捜索してもらうことにしましたが、数日間経っても「荷物行方不明」という結果しか返ってきませんでした。

とても残念でしたが、これ以上は探しようもなく、メルカリの取引は「配達業者による荷物紛失」という扱いで出品者様と取引キャンセルを双方合意の上、終了しました。

出品者様はメッセージのやり取りにとても丁寧に対応してくれたので、私はとても残念でなりませんでした。

せっかく出品して売れ、手元から大切な商品(文庫本)を手放したのに、それが行方不明になって取引キャンセルになってしまえば、売上になりませんから。

それから2週間ほどしたある日、不思議なことが起こったんです。

私は仕事を終えて帰宅し、ポストを覗くと、なんと行方不明で紛失したはずの文庫本がポストの中でちょこんと座っているではありませんか。

出品者様とは、既に取引キャンセルでやりとりが終了してしまったので、本当に、何で今更?っていうのが第一印象だったのですが、それでも無事に届いてよかったと思いましたし、嬉しかったです。

さらに、嬉しいことはここで終わりません。

封を開けてみると、その中身は購入した文庫本だけでなく、「まだまだ暑い日が続きますのでご自愛ください」という素敵なメモ紙に手書きメッセージと、不織布マスクが一枚。

メルカリという顔も名前も分からない相手に対して、丁寧かつプラスアルファの素敵なお心遣い。
とても素晴らしいと思いましたし、感動しました。

だからこそ、取引キャンセルで終わってしまったことがとても悔やまれました。取引キャンセルになってしまうと、メッセージのやり取りを復活させることができませんから。

行方不明になっていた文庫本が無事に届いたこと、メッセージとマスクのお心遣いがとても嬉しかったことを、私もお伝えしたかったのですが、メルカリ上でもうお話をすることはできません。

「私も、出品者様がしてくれたお心遣いにお返しがしたい」
そうと考え、手紙を書いて送ることにしました。

文庫本が届いた時の封筒に書かれていた出品者様の住所とお名前を確認し、ちょっとかわいいレターセットを購入して。

最後に手紙を書いたのはいつだったでしょうか。思い出せないくらい過去のことです。
子どものころは、サンタクロースに手紙を書いたり、毎年年賀状を手書きでメッセージを書いたり、ちょっとだけ文通が流行ったりもしましたが。

インターネットが便利になった今では、世界中誰とでも手軽に、素早く、伝えたいことを伝えることができます。
一人に対しても、大衆に向けてもすぐに伝えたいメッセージを届けることができますね。

それ自体は悪いことではないし、世の中をどんどん便利に生きやすくしてくれていると思います。

でも、久しぶりに手紙を手書きしてみて思ったんです。
手軽に送信できるメールやLINE、SNSといったデジタルでは、相手を思い浮かべることに限界があるな、と。

絵文字や顔文字を使ったり、敬語や丁寧な文章でいろいろな表現方法を使ったとしても、そこに現れる文字はパソコンやスマホの「フォント」でしかない。

大衆に向けて発信するSNSでは、表向きは”視聴者のためを考えた内容”と、相手のことを考えているようではあるけれど、一人一人の視聴者個人を考えるのは不可能です。心持ちとしてはそうかもしれないけれど。

手書きの手紙はその点で、送り手の好みや性格をちょっと想像できる要素が多くあるように思います。

手紙デザインが、花柄や華やかなものなら「かわいらしいものが好きな女性なのかな」と思ったり、動物系のものなら「犬が好きな人のかな」「猫派なのかな」。

他にも、文字の大きさや線の太細、改行の仕方、余白の取り方等から、相手がどんな人物なのか想像してみることはできると思います。

だから、私がたった一人のメルカリの出品者様に向けて手紙を書こうと思った時、
「出品者様の丁寧な心遣いに、こちらも丁寧にお返ししたい」
「感動の気持ちと感謝をつたえたい」
その想いを、手紙という商品にこめて届けたいと思いました。

レターセットを選ぶ時から、「どんなものが喜んでもらえるかな」と、お店に多数ある商品の中から悩みに悩んで一つを選んで購入し、手紙の字は想いをこめて丁寧に、どう伝えようか、頭の中で慎重に考えながら手紙を書く。
最後、封をとじる時は糊だけでなく、ちょっとかわいいシールも貼る。

他人からすると「そんなこと」と思われるような細かいことかもしれないけれど、手紙という商品に、私なりのおもてなしを精一杯込めました。

隙間なく、気持ちが届きますようにと願いを込めて。

ただ、1回メルカリで取引をしただけの相手。直接会ったこともない。赤の他人に手紙を書こうと、思いを込めてこだわったのは人生で初めてかもしれません。

LINEやSNSで簡単に情報やメッセージを送ることが当たり前になっている時代に、あえて手紙を書くことで実感した「人との繋がり」「縁」

大切にしたい人や、大切にしたい気持ち・想いであればあるほど、スマホではなく自らの手が作り出す文字に込めて届ける。

世の中がどんどんデジタル社会になっていったとしても、変わらない思いは大切にしていきたいと思いました。


-ayahana-

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