"知らない"という事が引き出す豊かな世界
私はダンスに詳しい。
しかもオタク的な詳しさなので、良さや好み、さらに言えばカルチャーや起源と言った事まで突き詰めるし、場合によっては好みではなくても詳しい。
その知識や着眼点を生かして、最近noteに大好きなBTSのダンスについての掘り下げた記事を出している。
それがかなり楽しい。
最近こそ、自分のオタク的な知識が違う事へのオタク的な知識と結びついてそれを考え、綴る事への楽しさ
そして、それをシェアする事への楽しさを知ることができたから、結果として楽しいのだけど
実は、大好きなアイドル達のダンス動画を目にするのは楽しくて面白い事ばかりではなかった。
ちょっと見ただけで、個々のスキル的な部分や背景のカルチャー、その振付師に依頼した意味までを想像して、頭に様々な考え方を巡らせてしまうということは客観的に見た時の"楽しさ"とは少し外れてしまうのだ
それは、感覚的でかつ直感的に分かってしまうからこそのことだ
あれだけ、楽しそうに掘り下げた記事を出しているのに何言ってんだと思われてしまうかもしれないけど、感覚的にわかってしまう事と、『へーそうなんだ』と思う事は大きく違う。
私が初めてダンスに出会った時の純粋で無垢な、あのワクワク感は
多分もう二度と感じる事ができない尊いものだということを知ったのは、ダンスに出会ってから何年も経った時の事だった。
そして、私はその事に気付いた時
1つ小さな決断をした。
大好きな音楽については、専門的な知識を持つことは避けよう。と
例えば、音楽の専門知識を持っていたら
『この音の後にこの音が来るのは気持ちが悪い』
的な事を思ってしまう時があるだろう
実際、音大卒で元ピアニストの1番近くにいる人間がよくそう言っている
私には、全くわからない。それはもうわからない。むしろ耳に残って好きだと思うことの方が多い。
あと、その人がよく言っているのは
K-POPは同じ曲の中に少なくとも3曲ぐらい組み込まれている様な曲ばかりでムズムズする。と言っていた。
なんだそりゃ。どういうことかわからなくて私がムズムズするわい。
と思った。
だけど、さすが専門知識がある人の意見
どうやら、それは的を得た意見の様で先日Netflixで『世界の今をダイジェスト』という番組の"K-POP"回を視聴した時に
"K-POPの鍵となる戦略【ジャンルの融合】"
というワードが出てきた。
少女時代の「I Got a Boy」はジャンルの融合が9回以上起こるとか
私が何百回とビデオを視聴したBTSの「Mic Drop」も例に上がっていて
私には衝撃的だった。
(ちなみにこの番組はかなり面白かったのでオススメ。BTSの事も出てた。)
なにが衝撃的だったかというと、それを見て専門家は挑戦的で人によっては気持ち悪いとすら思う事が衝撃的だった。
それを知れたことはとても良かった。
漠然と好きだった音楽への専門的な話は、さらに興味をそそるスパイスになるからだ。
しかし、自分が過去にした小さな決意はそれをきっかけに揺るぎない大きなものに変わった。
私は、音楽を聞いて1秒たりとも気持ち悪いという感情を持ちたくないし
考えながら音楽を聴きたくない。
専門的な知識を持った人の意見を聞いて『へ〜そうなんだ』と思うくらいがちょうどいい。
音楽はいつも身近にいる友達の様な存在だからこそ、自然に側にいてもらえる様に深くを知らない様にしよう。
感覚的に違和感を覚えてしまったら、それは違う考え方の道へと繋がってしまい、自分の中にある大切な感覚が良くも悪くも変わってしまう。と
改めて、そう思った。
今の時代、ITの発達により
知ろうと思えばある程度は簡単に知る事ができる。
興味があれば、いくらでも知識を身に着ける術はあって、努力次第では仕事として関われるチャンスが現れるだろう。
それはそれで、豊かで面白いと思う。
でも、音楽や絵やダンスの様な表現の世界にそもそも"答え"なんてない
だからこそ、専門知識を持っていない多くの人々に親しまれる素敵な文化なのだ
"なんかこれ好きだな〜"
"なんか良いんだよな〜"
という漠然とした感情はとても豊かで純粋無垢な広い世界だと、私は思う。
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