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[読書記録]僕が旅に出る理由

いま、「僕が旅に出る理由」を読んでいる。
オンラインの古本屋で買ったものが、広島に行っている間に家に届いていたらしい。
これは、従姉妹が「捨てたくなかった」「大好きな本」と言っていたものだ。その従姉妹はなかなかぶっ飛んでいるのだが、いろいろあって今はハワイの大学にいる。彼女を空港へ見送りに行った時に、この本の存在を教えてもらった。
漠然とした焦りと、旅に出たい衝動と、羨ましさと、旅の高揚感。いろいろな感想が溢れてきて手に負えないので、読みながら途中途中で感想を打っている。

表紙。

ひとつめの章。イスラエルへ行ったバックパッカーの話。「周囲にすごいと言われたかった」から旅に出た彼は、目の当たりにした貧困を、どこか他人事のように感じていた。イスラエルで感じた強烈な違和感で、その「冷めた」自分は叩き壊されたという。傍観者では居たくない。という締めくくりに、心底羨ましいと思った。
変わる前の彼は、どこか冷たくて、インドで物乞いを目にしても特に衝撃を受けられなかった私そのままだと思った。
「問題意識は持とうとして持てるものではない。」
そんなふうに思っていた彼は、旅で変われた。私も、傍観者で居たくないと、私が世界を変えてやると、心から言えるようになりたい!!

それぞれの旅のエピソード。動機も行先もそれぞれだったが、とにかく皆が何かの変化、気づきを得ていた。

内戦の起こるフィリピンに平和を学びに行った大学生。「自殺者の多い日本のようにはなりたくはない」と言われ、「戦争をなくす」といういままで追いかけてきた目標を疑うようになる。本当に豊かなのはどっちだろう?

平和って何?働くって何? 支援って何?正しいって何?自分って何者?日本人って、幸せ?

私にとってこれらの問いも、旅に出た彼らの経験も、「知っているだけで感じていない」ものだ。
自分の無知とか、世界の広さとか、当たり前のありがたさとか。知っているだけじゃ足りない。私もこの身で感じたい!!!!!

ひとつひとつの旅の動機は、ものすごく共感できた。みんな、目標や立派な希望を持って旅をはじめた訳では無い。
「すごいと言われたい」「大学生活が退屈」「今の自分に何かが足りない」「強くなりたい」
ぼんやりして等身大の動機は、私が常に抱えている感情と変わらないように思う。

途上国に発電所を作ることを夢見る青年。「どこかにある答えを探そうと旅に出たけど、結局、答えは自分で出すしかない」
日々の生活にも、旅にも慣れてしまった大学生。
「淡々とした日々を作っていたのは自分」
この本は、これだけ旅の素敵さを味わわせておいて、場所を変えただけではなにも変わらないかもしれないという真理も突きつけてくる。

私がこれらのエピソードから最も強く感じた感情は、嫉妬だった。
この人たちの旅は面白い。同じ年代で、こんな面白い経験をしている人がいることに、ひどく嫉妬した。彼らは旅をして、いまの私がいちばん求めている「違和感」や「衝撃」、「気づき」と出会って帰ってきている。ずるい。しかも、みんなスタート地点は私と変わらないのだ。野望もなく、ただ日々の生活に飽きて、エネルギーを持て余している。新しいことにドキドキし続ける人生がいい。私にだって、こんな旅ができる!!!!やらせてください!!!!

本を閉じて、漠然とした焦りに襲われた。大学2年の夏休み。私は何をしているんだろう!今すぐこの瞬間に、荷物をまとめてどこかへ行きたい!

9月にタイに行く予定があることで、ギリギリ家を飛び出ずに済んでいる。今回は一人旅のようであってそうではないのだが、何かを得て帰って来れるといいな。待ってろ、新しい私!

そして。
「旅に出ないと新しい何かに出会えない」って思ってる時点で視野が狭いのかも、ってことにも気付き始めている。旅を求めるあまり、日常での小さな出来事とか風景とかに対して、気付かぬうちに目を瞑っているのかもしれないな。日常レベルでも違和感とか気づきとか出会いとか、そういうものにオープンでいたいな。

3月のインド生活のことも、もう記憶が薄れ始めているけれど、記憶を辿って書いておきたいなと思った。今月中に書きます。宣言!

おわり。

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