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第2章 プランを考えてみる~未来と向き合う

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「A Little Dough」はこれから社会人になる人、あるいはこれからのライフデザインを考えている人達の参考になるような「パーソナル・ファイナンスの考え方」について記載してい… もっと読む
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🅂1 プランを考えてみる

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂1  ➤プランニングも「メタ認知」的活動  第1章では、私たちの意思決定の際に頻繁に起こっている「認知エラー」について考えてきました。日常において、私たちは正しく物事を見ているつもりでも、実はかなり歪んだ感覚に陥っているケースが数多くあります。私たちは、そうした自分の歪みを自覚したうえで、重要な意思決定をしていく必要があります。また、そうした思考を「メタ認知」といい、これを磨くことでいくらかでも歪みの矯正を行い

🅂12 プランを考えてみる(完)

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂12 ➤プランを考えることが最初の一歩になる  この章では、私たちの認知力の限界を自覚しこれに対処するための「メタ認知活動」として、二つのプランニングを示しました。 (1)ライフデザイン・シートを作成する  ポイントは、最初にラフなものを作り、継続的に更新することです。自分の価値観、意思決定や行動などを振り返り、手元のライフデザイン・シートと比較します。何回か継続するうちに、自分の価値観がどういうものか少しづつ

🅂11 年1回、プランを更新する!

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂11 ➤巡航速度に乗れるのは何時?  さて前回の試算で巡行速度に乗れたと感じれる時は何時頃でしょうか? 🅂9の内容の一部と🅂10の試算を再掲します。下記はファイナンシャル・プランを巡航速度に乗せるための二つの条件です。 ➤前提条件①はクリアしたか  この試算ではご夫婦ともに元気に90歳前後まで生活されることを想定していますが、仮に65歳以降の老後25年間の資金不足額を見積もると13百万円程になります。一方で二

🅂10 プランから見えてくるもの

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂10 ➤昭和~平成の典型的なパターン  前回は一般的に起こる資金需要のギャップについて触れましたが、今回はもう少し具体的なシミュレーションでみていきたいと思います。  下のグラフはの家族4人(子供二人)の家計をシミュレーションしてみたものです。少し前提条件を記載します。  結婚後は男性が働き女性は専業主婦になったパターンです。男性の平均年収は7百万円台で生涯賃金は2億8千円ほどになりますので、大卒のモデル賃

🅂9 巡行速度で進むために

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂9 ➤生涯賃金の規模感を知る  さて、ファイナンシャル・プランは私たちの人生のお金に関する計画ということですが、その規模感はいったいどれくらいでしょうか。ユースフル労働統計2021によると生涯賃金(60 歳まで、注:退職金を含めない、2019 年、推計値)は、大卒・院卒男子で269百万円、同女子で217百万円となっています。更に男子の場合の退職金と65歳までの賃金の上乗せは約40百万円程度となります。これを基に

🅂8 数字のルールを知る

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂8 ➤会計の世界のルール  前回はファインナンシャルプランのベースになる、ライフ・イベント表とキャッシュ・フロー表、それにストック明細表の概観を見ていただきました。家計管理というと大袈裟ですが、自己資金をコントロールするためには、多少の知識(金融リテラシー)と時間(手間)が必要です。だからといって前にも書きましたが、私などは年に1回家計簿の集約版をつけるだけですので、あまり面倒なことはしていません。最近ではちょ

🅂7 ファイナンシャル・プランとは

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂7 ➤ファイナンシャル・プランとは  🅂6まではライフ・デザインについて記載してきました。そしてこのライフ・デザインを実践しようとする時に、資金面からサポートするのがファイナンシャル・プランになります。🅂1で記載しましたが、ざっくりとしたライフ・デザインができると、これに合わせたアクション・プランが必要になります。ただ、ライフ・デザインは私たちの長い人生の設計図ですから、アクション・プランといってもその詳細を今

🅂6 ラフ・スケッチを繰り返す

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂6 ➤人生はベクトルの連続、結果はその時々の断片図  さて現時点の自分の価値観と何年か先のビジョンがあれば、ベクトルをたてることができます。ビジョン(結果)をイメージすることで、ベクトル(プロセス)がたちますから、ビジョンが大事なように思えますが、実際ライフ・デザインで重要なのはベクトル(プロセス)です。もちろんビジョンは励みになりますが、ベクトルを実践しなければ何も生まれません。結果はその時々に、自分のイメー

🅂5 ライフデザインシートの作り方(3)

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂5 ➤大聖堂で働く三人の石工  さて今回は前回やり残した「人生の目的」について考えてみます。  ジョン・ケイ(英・金融ジャーナリスト)は、著書「想定外」のなかで、目的や目標の考え方を示す為に「中世の大聖堂で働く三人の石工」の話を以下のよう紹介しています。  この三人は皆石を切り出すという同じ仕事をしていたにもかかわらず、返答は三通りでそれぞれ違います。 ① 事実のみを伝えた最初の石工(基礎となる行動) ②

🅂4 ライフデザインシートの作り方(2)

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂4 ➤ゆっくりとしたアプローチ  前回に引き続き「ライフデザインシート」の作り方について考えていきます。前回は「自分自身の価値観」と「10年毎のビジョン」について記載しました。しかし「価値観」については、もう一つ腹落ちしないといった声が聞こえてきそうです。価値観やこれから取り上げる「人生の目的」「モットー」などもそうですが、すぐに答えがでるとは限らないものです。しかし、少し時間をかけながら考えていくと、自分にと

🅂3 ライフデザインシートの作り方(1)

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂3 ➤ライフデザインシートとラフ・スケッチ  前回はラフ・スケッチ(ライフ・デザインとベクトル)のグラフを掲載しました。これは、まずライフ・デザインの具体的なイメージをつかむために掲載したのですが、実際はラフ・スケッチを描くためには、下の「ライフデザインシート」というものを使います。 「ライフデザインシート」を作れば、ラフスケッチは勝手に出来上がります。一度イメージしてしまえば、ラフスケッチは頭の中にあればいい

🅂2 未来のラフ・スケッチ

「A little dough」 第2章 プランを考えてみる 🅂2 ➤ラフ・スケッチ(ライフ・デザイン)  前回はライフ・デザインの概要について記載しましたが、今回は「ラフ・スケッチ↓」というグラフを使って、ライフデザインのイメージを具体化していきたいと思います。 ーラフ・スケッチの縦軸は価値観の充足度  下の「ラフ・スケッチ」というグラフは、縦軸に「価値観の充足度」、横軸に人生の時間軸をとっています。凡例に記載の通り、ブルーのベクトルは「仕事」というカテゴリーを表してい