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XIIX LIVE TOUR 「2&5」@Zepp Shinjukuの感想

2023年8月9日に行われたXIIX LIVE TOUR 「2&5」@Zepp Shinjukuの感想です。東名阪3箇所回ったツアーのファイナル。


ギター2人体制が楽しかった

DJが抜けてサポートギターが増えるという初めての編成。ここ最近ライブを見ていて、DJは必須ではないかもしれない(人力に重きを置くなら)と思う一方で、ギターが入ると初めて知った時にはけっこうびっくりしました。宏介は自分でギターを弾きたいタイプだと思っていたので。

でも自分がギターを弾くこと以上に、XIIXのライブに何が大事なのか考えての上なのだろう。歌や表現に、より専念したいという意思もあるのかもしれないなぁ。何にせよ楽しそう。

などと好き勝手なことを考えつつ、好奇心を持ってライブに参加。お初のメンバー、新しい編成、新しいアルバムの曲が披露されるのだから、情報量が多くて圧倒されました。楽しくて面白くて大興奮。できれば同じ公演をもう1度見たかったなー。

すってぃが「情報量が多いから疲れてない?」って途中で言ってたけど、疲れはしないけれど、目と耳が足りないと思ったわw

「サポメンも売れっ子揃いだからスケジュール合わせるの大変そう」「だから2人編成の試みを増やしているのかな」という、極めてうすっぺらなストーリーで見ていたところもあったのですが、結局2人さえいれば紛れもなくXIIXであり、自由度が高く、可能性も広がる、何をやってもXIIXなんだなということを改めて感じました。

そしてギター2人体制、今までで一番好みだった。ただライブやってくれるだけで嬉しいのに、ここに来てさらに楽しい展開があるなんて。

"2"<2人編成パート>

・まず出囃子がいつもの妖艶なSEじゃなかった。明るくて爽やかでポップな感じ、全然タイプが違うやつ。これがXIIXの今のモードだと言いたいのかな。

今ツアーは、2人でやるパートと、5人バンド編成のパートに分かれているとのこと。まずは宏介とすってぃの2人が登場。「タイニーダンサー」始まりだったので、先日の六本木で行われたサマステが思い出されました。

六本木でも思ったけど、「タイニーダンサー」が1曲目ってあまり想像ができなかったので、意外な感じがします。でもあの明るい出囃子の流れだと合うな。六本木では確かSEはなかった気がするけれど。

あと六本木の屋外で聞くのと、歌舞伎町の薄暗いライブハウスで聞くのもだいぶ雰囲気が変わるように思えました。シンプル編成だから、受け取り手の想像力も広がるのかも。

・サマステでは2曲目が「ハンドレッド・グラビティ」だったので、同じ流れかと思いきや、宏介がアコギを激しくジャカジャカ鳴らして「アカシ」へ。2人編成の「アカシ」がだいぶ気に入って来ました。楽器がシンプルになる分、歌の強弱、歌い手の感情がストレートに入って来るのも好き。

・3曲目で早くも「White Song」が来るとは思わず、なんだか心の準備が。アルバムの後半に置かれているせいか、勝手に後の方かなと思っていました。
すってぃは椅子に腰かけてオールドなルックスのアコースティックベースを弾いていましたが、間奏でトコトコと上手に設置されたピアノに座り、2番からしっとりと美しいピアノの音色を鳴らしていた。あら素敵な演出。ストレートな曲なので、シンプルに聞かせてくれる方が染み入るのかもしれない。

・「Light &Shadow」も、サマステの時と同様に宏介がリズム(ギターのボディを叩く)とコーラス(♪wow oh oh oh)をルーパーで重ねて準備を。バンド編成も好きですが、2人編成でもこれだけのグルーヴが出るのってすごいなと思っています。大好きだからいつも身体が気持ち良い。毎回聞き入るすってぃの野太いベースソロも、バンド編成となんら変わりのない迫力です。
ルーパーを使うアレンジならではの終わり方、録音した♪wow oh oh ohでスパッと終わるパターンに爽快感を覚えます。

・「ハンドレッド・グラビティ」は2人が向かい合ってセッションから始まります。そう言えばサマステでは、宏介がすってぃの何らかのアクションに素で笑っていたことを思い出す。すってぃ、何やったんだろ(笑)
今日はわりと真面目バージョン。すってぃの「one, two,three,four!!」が出たら勢いよく本編へ突入。本編もかっこいいけど、セッション部分も注目の曲。

・ここで「in the Rough」ツアーでお馴染みとなった、お客さんのクラップ録音タイム。リズム音を流しつつ、宏介が「イロモネアのシンキングタイムの音に似てない?」と嬉しそうに話し、すってぃが「わからない(笑)」と悔しそうでした。私も「イロモネア」は好きですごく見ていたのに全然思い出せなかったので、帰宅してYouTubeで確認してしまった、うんまあ言いたいことはわかる、ごく普通のリズム音というかクラップ音だから(笑)

すってぃがマイクを持ち、お客さんのクラップをええ感じに録音できたものだから、「歌舞伎町のバイブス感じる~」「プチョヘンザしながらメイクサムノイズしちゃおうかな~」とニヤニヤしていた悪ノリ宏介に爆笑。

クラップ録音を使う曲と言えば「Life Is music!!!!!」が一番に思い浮かびますが、なんと新曲「シトラス」だった。うわっ。新曲の中でも「シトラス」は1、2位を争うお気に入りなので、まさかここで来ると思わなくて動揺。すってぃがサビ前の印象的なクラップや、「♪Ah~」のコーラスもしていて、やっぱりライブで聞いても楽しいポイント満載。
披露されるとしたら、勝手にバンド編成かと思っていたのですが、ラップの後ろでベースが声高に唸っているのもかっこ良かったなぁ。でも5人編成のバージョンを聞ける日も楽しみにしています。

・2人編成のラストは「Answer5」だった、2人編成でも曲の熱量を全然失わずに披露されますが、バンドメンバー紹介を兼ねることが多い曲なので、やるならバンド編成の方で披露されるかと思って意外でした。

「in the Rough」ツアーを経ているので十分わかっているつもりですが、2人編成でもアコースティックでしっぽりではなく、電気やルーパーやピアノなどなんでもありなので、賑やかで華やかで熱い。なおかつ、それぞれの楽器が単体で聞きやすく、歌も聞き取りやすいから、けっこう良いとこどりの聞かせ方だなと思います。可能性が無限だと感じて面白い。

"5"<5人編成パート>

・ここからバンドメンバーが加わりました。

Gt.粂絢哉さん、Dr.岡本啓佑さん、Key.山本健太さん。健太さんはすっかりお馴染みですが、粂さんと岡本さんはお初です。宏介は、長い付き合いの気心が知れた仲間と一緒にできるのが嬉しいと話していましたが、粂さんのインスタを拝見したところ、なるほど宏介ともすってぃとも長い付き合いだなと理解。
岡本さん(黒猫チェルシー)については詳しく知らないのですが、黒猫チェルシーは堂島孝平くん(宏介ともすってぃとも長い)と所縁があるイメージなので、そこ繋がりも関係あるのかな。

まずはかっこいいメンバー紹介があったよ。「ドラム、岡本啓佑!」「ジャン!」「ギター、粂絢哉!」「ジャンジャン!」って、1人紹介するごとに1つずつキメのカウントが増えていく、スクービードゥーなどのファンクバンドによく見られるアレ。やだかっこいい!もっとやって!

からの「Stay Mellow」だったから嬉しくて「うひゃっ」って声出ちゃったよ。私はきっと永遠に「Stay Mellow」が大好きなのですが(だってめちゃくちゃXIIXらしい曲だなと思っていて、私はXIIXのそんなところが一番好きなので)、最近聞いておらず少し寂しかったので。3月のKroi対バン以来か。

同期も使っているだろうけど、曲の雰囲気そのままに力強さが増しているような気もして、聞こえ方が新鮮だったなぁ。聞き足りないからもっと何度も聞きたい。

・妖艶な流れで「魔法の鏡」へ。「Stay Mellow」からの繋がり良いなぁ。アルバムを聞いている時は全然感じなかったのですが、「Stay Mellow」と同系統だな、私の好きなテンポ。
アルバム1曲目にして、ラストはこれからどう走っていくのか全く予測不能な爆発を思わせるような轟音が渦巻きますが、ライブではその爆音が明確に表現されていて、宏介のハイトーンも加わって、かなり圧巻。

・宏介がハンドマイクとなる「スプレー」が早々に披露されました。1番は上手、2番は下手で歌ってくれる配分は変わらず。「斎藤さん気をつけて~」の台詞をすってぃが言うという新しいパターン。(今までは「Yo!」をすってぃに言わせるパターン多し)

生ギターがいるのちょっとワクワクする、すごく目立つことはないけれど、要所で食い込んでくる感じがして好きでした。ビルボードとかブルーノートも似合うアレンジだね。

・そのまま「あれ」も宏介がハンドマイクだったから驚きです。アルバムバージョンを初披露したKroi対バンではギターを持っていたはず。そうか、いいぞ…と思って面食らいつつも面白くて、ぐんぐんと曲の世界へ引き込まれていく。

そして本日の私のハイライト。間奏で後ろからずずいと粂さんが前へ出て来てギターソロ弾き狂ったので、今日イチでテンション上がって楽しかったよ!めっちゃコブシ突き上げましたね!だって!あんな涼しい顔してずるい!!!(笑)
XIIXのライブで、宏介以外のギタリストがソロを弾くという新鮮味とインパクト。そしてそのソロがかっこいい。確かに「あれ」は間奏のギターソロが見せ場なのですが、そこ粂さんなんだ、と思ったら愉快で。

かと思いきや、いつの間にか高速な動きでギターを装着した宏介も前に出て来て並んでギターソロ弾き始めたから、もう楽しくて爆笑して気がづいたら涙出てたわ(笑)人間は予測不能な素敵なものに遭遇すると興奮して涙が出るのだと実感します。
すってぃも前に出て来て3人が横並びで吠えてるの、最高だったなぁ。やられたなーもう。
5人それぞれに違う色のスポットライトが当たっていたので、視覚的にも賑やかでした。

吠える獅子たちの現場の写真をビオラさんがばっちり押さえてくれています。ナイスです。

・「あれ」の衝撃が強すぎて、その後の「正者の行進」の記憶が薄い。昨年のCDJの時に初披露された曲で、どっしりとしたリズムが印象的で覚えていました。CDJの時も思ったけど、イエー!イエー!イエー!を思わずやりたくなるね(やります)。

・「まばたきの途中」、音源でもそうですが流れるようなピアノとセミアコギターの色っぽい音がたまりません。バラードなんだけど熱量があるから決して大人しいわけでもなく、心がぐっとつかまれてしまう。

・「No More」も久しぶりに聞いた気がします。セットリストを眺めると、2ndアルバムからはこの曲だけでした。3rdの曲、たくさんやったしね。「次の朝へ」だけやらなかったのか。どこで初披露になるのだろう。

・そして楽しみにしていた「うらら」で、再び宏介がハンドマイクになったからたまげた。言われてみるとハンドマイクが似合うけど。期待通りライブで聞いてめちゃくちゃ楽しくてテンション上がりましたが、もしかして客よりテンション上がってません?って言う宏介の自由な動きも楽しくて。「スプレー」はラップがなかなか労力だから可動域も限られますが、「うらら」は野放し状態です。
とは言え、「だっ」の「っ」までしっかりくっきり発音しようとする律義さ、これもけっこうな労力では。2番で入るジェームズ・ブラウンみたいな「ハッ!」も切れ味鋭くて大喜びです。

音源で聞いてもセッションの楽しさが伝わってくる曲なので、ライブだとその良さがダイレクトに出ますね。「ま・た・ね」の後のドラム3連打もたまらなく好き。
ラストは音源より「だっ…」が多めにリピートされていたのも得した気分。XIIXはアウトロのライブアレンジがいいなぁと思うことが多いです。

・うららかな春の陽気から、一転してまた妖し気なセッション、「月と蝶」へ。パンチある展開だなぁ。序盤は大人しめだったフロアも「足りない×7」では元気よく手が上がっていました。スクリーンにでっかいアゲハ蝶が映し出されていたのがインパクトあり。

・5人編成でも「Answer5」やるとは思わず。2人編成と5人編成、同じ曲だけど全然違うでしょ、ってXIIXにドヤ顔されたのかもしれません。

とは言え2回やるからか短縮バージョンで、2番から始まりすぐにメンバー紹介へ。ソロパート、粂さんめっちゃフィードバックさせてて、さすがだなと思って笑ってしまった、ここで前に出ないで後ろ向く人に心惹かれます、好き(笑)
すってぃのラプティオ、曲中では発動されなかった分、メンバー紹介で多めに炸裂してた、好き(笑)
すってぃの「斎藤宏介!」から、出ました宏介の背面弾き。素人だからよくわからないんですけど、背面弾きってどうなってるのっていつも思います、すご(笑)

・アンコールは、すってぃがグッズのスプレーを客席にまき散らしていた。リラックス効果だそうです。今回時間なくてグッズ1つも買ってないなぁ、すみません。何かの機会に。あとTシャツは、だぼっとしてない普通のタイプもたまには作って欲しいなぁ。

・「LIFE IS MUSIC!!!!!」が聞けて安心嬉しい、聞かないで終わるとなんだか寂しい気持ちがしてしまう、それだけたくさんの愛着があります。

一時期、間奏で宏介がふざけまくることがありましたが、今日は宏介とすってぃと粂さんが3人で向かい合って弾いててめっちゃほっこりしました。こんな構図をXIIXで見る日が来るなんて。

あと最近、宏介が「たぎーる」「およーぐ」じゃなくて「たぎるー」「およぐー」っていう譜割で歌っているので、リニューアル?って思って新鮮です。

・最後はアルバムラストの「All Light」。宏介がセミアコで、粂さんがアコギという組み合わせを新鮮に感じました。さりげないギターソロがエモ。

最後に似つかわしいと言う意味で、2枚目「USELESS」の「Endless Summer」にも少し通じる雰囲気があります。爽やかで優し気な。

そう言えば1枚目「White White」のラスト、「Saturdays」にも感じます。
っていうか「Saturdays」はもうライブでやらないのですか。大好きなのに。何か理由があるのだろうか。

MC

・今回もグッズの絵を描いたすってぃ。XIIXには絵が上手い人が2人いる、ととぼける宏介。今度、バックスクリーンに映し出そうなどとおふざけ発言。ピカソ的な感じで意外と良かったりして。

・ツアーどうだったか聞かせて?と言う宏介に、「今日のために生まれて来た」とすってぃ。それ、どこかで聞いたセリフだなぁ(笑)(ツアー「SANITY」ファイナルの渋谷で言っていた。)
それを受けて宏介も、色々理由を上げつつ端的に言うと「今日のために生まれて来た(笑)」と被せてふざけていましたが、そこは「23番目ぐらいに楽しかった」(同じく「SANITY」渋谷で発言)じゃないんだな(笑)

・大事なバンド名がついたアルバム、ライブをして改めて良いアルバムだと思った、これがあるからどこにでも楽しそうなところへ行けるのでは、その場所を皆さんと作っていきたい、というようなことを。

ライブして良いアルバムとわかるのはリスナーとしても同感だなと思います。アルバムの曲、まだまだ聞きたりなさ過ぎるので、10月が待ち遠しいな。

ちなみにZepp Shinjukuは初めてでした。新しいから綺麗、EX六本木みたいにフロアはだいぶ下の階なのね。思ったよりコンパクトで、XIIXみたいにぎゅっと詰まらないライブだと、ちょっと見づらいかな。私は階段の段差で見ることができたので良かったのですが、低いフロアは少し見にくそうだと感じました。
これから作る新しいライブハウスは全部ステージ高くしてくれたら良いのに。横浜1000CLUBぐらいに。

セットリスト

"2" <2人編成パート>
01. タイニーダンサー [3rd]
02. アカシ [3rd]
03. White Song [3rd]
04. Light &Shadow [1st]
05. ハンドレッド・グラビティ [in the Rough]
06. シトラス [3rd]
07. Answer5 [1st]

"5" <5人編成パート>
01. Stay Mellow [1st]
02. 魔法の鏡 [3rd]
03. スプレー [3rd]
04. あれ [3rd]
05. 正者の行進 [3rd]
06. まばたきの途中 [3rd]
07. No More [2nd]
08. うらら [3rd]
09. 月と蝶 [3rd]
10. Answer5 [1st]

en
01. LIFE IS MUSIC!!!!! [1st]
02. All Light [3rd]

ナタリーのレポート

アルバム「XIIX」の感想

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