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オブラートな包み方

色々な形を見本通りに
描いてゆく年長クラスの取り組みにて。

今回は、
生徒同士で確認してもらった。


「まっすぐな線は、
まっすぐになっているかな?
同じ長さの線は、
同じ長さになっているかな?
友達が描いたものをよく見てあげてね。」


普段は、
講師に頑張りをみられる側だが、
みる側を体験してもらうと
これまた個性が出て面白い。


本日は、2人1組で
どちらも男の子のペアだ。

左側のペアは、
「オッケー!」「オッケー!」と
ノリノリで右側のペアは、
慎重に慎重に観察している。



慎重ペアのTくんは、Aくんに
「ここの線が、もうちょっとだけ、
ちょっとだけ短いかなぁって思った!」

Aくんは、Tくんに
「ここが少しだけ、ほんの少しだけ
飛び出ているから、それがないと
いいんじゃないかなぁって思う!」

お互いに
よく観察しながらフィードバックしていて
そのオブラートな包み様に
思わず微笑んでしまう。

「短い!」ではなく、
「短いと思う!」

「ない方がいい!」ではなく、
「ない方がいいんじゃないかなぁ
と思う!」である。

ちゃんと、描いたものは認めつつ、
「自分はこう思うよ」の姿勢で伝えていて
大人さながらのコミュニケーション能力に脱帽する。


ノリノリペアは、
「ここはどうかな?」と、
ときどき私の横やりを受けると
「あっ、違った!」
「これはオッケーだよ!」と
素直に再観察して
線一本にも一生懸命だ。


4人とも、
友達が自分のものをどう判断するか、
自分のにOKしてくれるかどうかを
気にしながらも
自分の気づきをどのように伝えようかと
一生懸命に向き合っていて、
思わず、全てのフィートバックに
エールを送る私がいた。




Sちゃんは、あいにく1人クラスだった。

確認しあう友達がいないため、
私が描いたものを確認してもらう。

最初は、「あってる」と、
基準があまあまなSちゃん。

あえて斜めにしてみたり、
短い一本線を減らしてみると、
次第に基準が厳しくなった。

良い調子!
と思っていると、しまいには
「ここの線だけが細い!」
筆圧までもフィードバックしてくれた。

着眼点が素晴らしい。




自分の意見も自信をもって、
思いやりを持ちながら
きちんと相手に伝えられるように。

そんな練習に
なってくれていたらいいなぁ
と思いました。




記事を見つけて下さり、最後まで読んでいただきありがとうございます。 少しでもなにか心に残るものを届けられていましたら、こんなにも嬉しいことはありません。