見出し画像

時間が飛んでゆく

翌日の土曜日、僕は何もできなくなっていた。身体が重く起き上がることさえできない。時刻は確か10時頃だったと思う。

そこから11時12時と時間が飛んでゆく。まあこれはいつものことだ。しかし13時14時となっても以前動けない。こんなことは初めてだった。

この日は以前納めた仕事の請求金額にオーケーがもらえたので、請求書作りと自分の制作ブランドとしてのメールアドレスを独自ドメインで接続する作業をしなければならなかった。

作業がひと段落したら、市役所前までコーヒー豆を買いに行こうと思っていたが、なんだか今日はいつもより調子が悪いのと、街の喧騒のある方には行きたくなかった。大勢の人、車の流れの中に行きたくないと思った。その時はまあ明日行けばいいと思い薬を飲んだ。その日の作業も手こずりながらもなんとか終わらせることができた。

---------------------------------------------------------------

日曜日、依然として僕の身体はまるでベッドにめり込んでしまっているんだろうかと思ってしまう程に動けなかった。

今日はパン屋に行こうと思っていたのに、また1時間、2時間と時間が飛んでゆく。結局コーヒー豆も買いにいけなかった。

夕方頃になって体調が少しマシになり、街の方には行く気にはなれなかったが、自分の制作を進めようと思い工房に向かった。

でも駄目だった。

自分の物でも身体が思うように動かない。

この2日間の出来事が僕にとってはすごいショックだった。正直こんなに一気に何もできなくなるなんて思いもしなかった。金曜日1日薬をやめただけでこれだ。それだけ薬の力に今まで助けられていたんだと身に染みた。そしてもしこれ以上悪くなってしまったら、僕はどうなってしまうのだろうか急激に怖くなった。この時初めて鬱病の恐ろしさを知った。

その日の夜、僕は眠ることができなくなった。薬を飲んでも眠れない。明日朝起きて仕事に行かなければというプレッシャーがのしかかっていた。

---------------------------------------------------------------
工房準備中 @craftsmans_harbor
制作アカウント @object_wood

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?