虹の橋を渡ったみるきと『ロスト・ドッグ』のこと
ポメラニアンのみるきが虹の橋を渡りました
13歳でした。
数年前に心臓の手術をして、元気になりましたが、ずっと通院治療と薬を飲んでいて体調には不安を抱えていました。
数日前から立つのが難しくなって、食事やトイレに行くのも大変になっていました。食欲がなくなって、大好きなささみやさつまいもも食べなくなりましたから予感がありました。それでも別れは突然でした。
心臓の不整脈から強い貧血状態になっていたので、アルプスのような酸素の薄いところにいる感じだったそうです。痛みがなく、苦しい様子も無いことが幸いでした。
冬ですが温かい日でした。私と家内でだっこして、行きたがっていた庭に出してあげました。太陽の光を浴びて嬉しそうでした。そのあと、数分掛けて水をゆっくり飲んでから、息を引き取りました。
私より家内の方が、そろそろという予感が強かったようです。この数日間、二人でずっとみるきのそばにいて、みるきの好きなことをしてあげられて
よかったと思います。
みるきも安心して旅立てたことでしょう。
朝、いつもの目覚めの鳴き声がありません。みるきのためにしていた毎日のルーチンがなくなったのが、不思議な感じです。
いつも私たちを癒やして笑顔にしてくれる、かけがいのない大切な家族でした。 みるき、ありがとう。
以前からみるきのことをツイートしていたX(Twitter)のフォロワーさんから、とてもたくさんの心温まるメッセージや「いいね」をいただきました。
(このnoteでもコメントをいただいています。ありがとうございます)
ネットの向こうにいるみなさんにも、みるきが愛されていたんだと思うと本当に嬉しくなります。
みるきは『ロスト・ドッグ』のモデルでした
「みるきちゃんは酒本さんの小説の中で生きてますね」
ある人に言われました。 みるきは僧帽弁閉鎖不全症という心臓の病気を患い、大手術を受けたのですが、そのことを『ロスト・ドッグ』というミステリ小説の一つのテーマにしました。
手術を乗り越えて元気になるポメラニアンの『モコ』がみるき、
モコが心配で右往左往する主人公の『太一』が私です。
読み返すと、みるきの可愛さ、健気さが溢れてくるようです。
追悼のつもりで、みるきのことを書いた文を抜き出してみます。
『まだ帰れないのだろうかと、緊張した顔で太一を見上げる』
『身体をよじって太一の手を舐める』
『クリーム色の毛を震わせている。臆病なのだ』
『柴犬のサクラと匂いを嗅ぎ合っている』
『前足に顎を乗せてうつらうつらしている』
『モコは太一を見てへっへっと舌を出した』
『心配するようにキャリーバッグの内側を引っ掻いた』
『太一はモコの顔に手を伸ばした。モコが小さな手を載せる』
『小首を傾げて太一を見た』
『ぼんやりした目が次第に焦点が合ってくる。太一に気づいたのか起き上がろうとする』
『モコは少し緊張して引きつった笑いを浮かべた』
『足元をダックスが走りすぎる。椅子に座った太一は足を上げた。その下をモコがウサギ走りで追いかけて行く』
『太一の膝に前足を置いて舌を出す』
『太一はモコ、と呼んだ。モコが太一のジーンズの膝に鼻をつんとつける』
ページをめくりながら文章を読んでキーボードを打っている時、みるきの姿がありありと目に浮かんでいます。
この小説を書いておいてよかったと思います。
ラストの一文です。
『モコはくるくると円を描くようにその場で回り始める。うちに帰ろう、と笑っていた』
みるきは嬉しいと、くるくると回るのです。
今頃は、虹の向こうでくるくる回っていることと思います。
みるきのことを知ってくれた方、気にかけてくれた方、お世話になった方、本当にありがとうございました。
すべての愛犬愛猫と飼い主さんが幸せでありますように。
以前、書いた記事です。みるきの心臓病のこと、助けてくれた獣医師さんのことを書きました。
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