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只の日本人、醤油ご飯を食べる

「醤油ご飯を食べる!!」

草薙は醤油ご飯を食べる事にした。

醤油とご飯は相性がいい。

白米。
醤油。

日本人の食を支えてきたもの。
この二つを組み合わせたのが、醤油ご飯。

「今日は醤油ご飯だ!」

醤油の風味が良い。

白米はいい。
醤油もいい。

醤油ご飯は醤油と白米という日本古来から伝わる食材を組み合わせた食べ物。

単純だがそれ故に醤油の風味がよく伝わる。

普段から醤油は使う。
だが醤油だけとなると醤油の風味が純粋に伝わるのだ。

白米は単品でもうまい。
そして白米は他の食べ物の良さを引き出すのも長所の一つだ。
(醤油を感じる)
醤油ご飯は白米の良さ、醤油の風味を改めて感じる事ができる。
草薙は改めてそう思った。

「よし」

草薙は椀にホカホカの米を入れた。

(うまそうだ)

やはり米は良い。

そして……

(醤油だ)

醤油を手に取った。本日の主役だ。
(かけるぞ)
草薙は醤油を米にかけた。

米に美味しそうな醤油がかかる。
トロトロトロ。

米と醤油が混じり合う。
醤油の風味が米に溶ける。
醤油と米、昔から日本の食卓を支えてきたものが合わさる。

(醤油ご飯……)

米が醤油に濡れて仄かに光る。

(うまそうだ!)

日本食だ!

(食うぞ醤油ご飯)

醤油を感じる、米を感じる。
醤油の原料は「大豆」である。

古来「醤(ひしお)」が醤油の原形とされている。
(そういや最近、醤食ってねぇな)
懐かしい味である。まぁそれはそれとして。
(醤油の原料は穀醤、だったな)

醤には複数種類がある。

野菜や海草等を原料とした「草醤」。
肉を原料とした「肉醤」。
穀物を原料とした「穀醤」。

他にも魚を原料とした「魚醤」などがある。

醤油の原形といえるのは「穀醤」だろう。

(醤油は歴史ある調味料だ)

そして本来高級なものだった。
昔は醤院(ひしおつかさ)という醤を作る役所があったのだ。

(醤油は高級なものだった)

古来の貴種の宴会に使われていた。塩、酢、酒と並んで醤油はおかれ、四種器と呼ばれていたのだ。

高級食品、そういっていいだろう。
――日本食。醤油ご飯は日本食なのだ。

(つまり醤油ご飯は……)

そう、歴史ある醤油を使った醤油ご飯は

(良い食べものだ)

「うまかった」
草薙悠弥は醤油ご飯を食べた。
ご飯に醤油をかけただけの単純料理。
だが――

それもまた良し


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