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献血は身体に良いのか?瀉血と献血と健康


受付「体重と血圧を計ってくださいね。
申告通り47キロ。50キロ未満ですね。
血圧も大丈夫。

あら、前回献血してもらった時は学生さん?
もう10年以上前なのね。
それなら初めてみたいなものだから、赤いカードを首から提げてね。
看護師が注意を払ってくれるようになるから。

海外渡航歴があるの?
イギリスに?いつ?
狂牛病の関係で2004年までに渡航はしてたら献血は難しいの。
2012年あたりなら全然大丈夫ね。
医師と看護師の所へどうぞ」

受付の人の話

医師「うふふ。あなた元気そうねぇ。
あら、イギリス行ってたの?いつかしら?
、、思い出すのに時間かかるわよねぇー
あるある。
私も歳を重ねると何年に行ったっけなぁ?ってなるわよ
渡航時期は大丈夫ね。
看護師の所へどうぞ」

医師との話

看護師「はい、次の人。
元気ですか?
何時までに献血を終わりたいとかありますか?

14時?
子どものお迎えがある?
子どもがいるの?

えっと、それは、献血オススメできませんよ
もし具合悪くなったらどうするの?

ほら、あなた前回と前々回の記録をみると献血後に具合が悪くなってるじゃない。
今回も具合悪くなるわよ

今まで病院とかでもそういうことなかった?
体質的に厳しいはずよ
こればっかりは体質。

子どものお迎えできなかったらどうするの?
最短でも成分献血は90分。
休憩いれたり、帰れるまで回復を少し待ったりすると2時間はみてほしい。
今の時間的にギリギリね。
だけど、それは具合が悪くならない人の場合なの。
子どもがいるとその後に休めず家事もあるでしょ?

キャンセルするね?」

看護師の話

そして帰された。
きっと看護師さんは正しいと思う。
母親ということを充分加味してくれて、キャンセルすべきと伝えてくれた。

最後の最後で止められたけど、ここで止める勇気ってすごいなぁ。
受付がGoだして、さらに医師もGoを出して、本人も乗り気なのに止めるのだ。

あの看護師は仕事ができて、とてもすごいと思う。

私は50キロないし、病院でも採血で具合が悪くなったこともあった。

献血できない体質らしい。

献血

私ができない「献血」が身体にもたらす影響が気になったのだ。


献血が寿命を延ばすとする本を読んだけれど、男性と閉経後の女性に限った事のようにも思う。

献血をして寿命が延びるのなら優しい世界だ。


血を抜くという人体実験はすでに過去、世界規模で行われている。

「瀉血」だ。
瀉血について調べれば、献血が身体にもたらす影響を少し理解できるのではないか?

まずはトンデモ医学と認識されている瀉血を調べてみよう。

瀉血

瀉血というものが中世では流行っていたらしい。
床屋の赤青白のポールは動脈静脈包帯であるし、血を抜くという行為自体は民間に根付いていた。

瀉血(しゃけつ)とは、人体の血液を外部に排出させることで症状の改善を求める治療法の一つである。
古くは中世ヨーロッパ、さらに近代のヨーロッパやアメリカ合衆国の医師たちに熱心に信じられ、さかんに行われた[1] が、現代では医学的根拠は無かったと考えられている。

wiki

瀉血が万能治療法と信じられた結果、35歳のモーツァルトは死ぬ前の一週間で医者に2リットルも血液を抜き取られた。

通常の瀉血は200〜400mlで、献血と同じくらいなのだ。
だから明らかに2リットルは血を抜きすぎている。

彼の義理の妹ゾフィー・ハイベルによると「医師が義兄に瀉血を行って頭に冷湿布を貼ると、義兄は見るからに力尽きて気を失い、その後意識を取り戻すことはありませんでした」という。

瀉血後24時間でモーツァルトは死亡した。

瀉血がトンデモ医療として認識されるのは、"万能治療として"広まったからであろう。

天然痘でも、癇癪でも、ペストでも瀉血で治そうとした。
それに、性欲を抑えるためにも使われた。
中国の皇帝やマリーアントワネットに対しても瀉血は行われていたし、それでもちろん治るわけではなく、死期を早める結果となった事例は枚挙にいとまがない。

しかし、「熱狂的に信じられてきた事実」はある。
なぜだろうか?


血を流さなくなった時代

ヒトは定期的に血を流すように作られているのだろうか?

おそらく答えはYESである。
まず妊娠出産である。
女性は毎月生理があり、妊娠中は子に血をわける。
出産でそれなりに出血をし、産後は母乳を出す。

母乳は血液なんだ。
その血だけで子どもを何ヶ月も育てる。

そして本来ヒトは7人くらい出産する生き物だ。

遺伝子はXX(女)が基本と考えると、ヒトの身体は出血を前提にデザインされていてもおかしくはない。

そして寄生虫の存在である。
こんなに衛生的になったのは本当に最近のことなんだ。
ヒトは様々な吸血寄生虫を飼っていた。
寄生虫と聞くと学生の頃に興味本位で立ち寄った目黒寄生虫館を思い出す。
寄生虫こわいなぁ。

昔は怪我や戦闘で血を流す頻度も高かっただろう。

つまり、衛生的で、出産も多くない現代社会。
血を流す頻度が減ったんだ。

けれども衛生的で血を流さないということは、寿命を延ばすことに大きく貢献している。
しかし身体は血を失うことに備えているんだ。

身体に備わっている機能をあまりに使わないと不調をおこす。
それはペットとして飼うウサギの、子宮を取って避妊しないと子宮ガンになってしまうのと同じようだ。
ヒトでも子を産まないと乳がんや子宮がんになるリスクが上がる。

血を作る機能を使わないとヒトへの影響があるのだろうか?

ホルミシス効果

寿命ハックという本の中で、ホルミシス効果という言葉がよく登場する。
チャットGPTにホルミシス効果がなんなのか聞いてみよう。

適度なストレスは大切らしい



ネットでさらっとホルミシス効果について調べると「嘘」、「放射線、放射能」、「被曝」、「癌」などが出てくる。

その上、「仮説」である。



なるほどなるほど、、効果が検証されてない領域の上、放射能が絡むと触れづらい。
ここはwikiさんをちょっと読んでみようか。

放射線ホルミシス(ほうしゃせんホルミシス、英: radiation hormesis)とは、大きな量(高線量)では有害な電離放射線が小さな量(低線量)では生物活性を刺激したり、あるいは以後の高線量照射に対しての抵抗性をもたらす適応応答を起こすという仮説である[1]。

ホルミシスとは、何らかの有害性を持つ要因について、有害となる量に達しない量を用いることで有益な刺激がもたらされることであり、その要因は物理的、化学的、生物学的なもののいずれかである[3]。
例えば紫外線は浴び過ぎれば皮膚がんの原因となり、また殺菌灯は紫外線の殺傷力によっているが、少量の紫外線は活性ビタミンDを体内で作るために必要であり、この活性ビタミンDは血清中のカルシウム濃度を調整するものであって、もし不足すればクル病の原因となる[4][5]。
ホルミシスの語源はホルモンと同様にギリシア語のホルマオ(興奮する、の意味)である[6]。

ホルミシスという言葉が最初に用いられたのは菌類の成長を抑制する物質が低濃度では菌類の成長を刺激することを表現するものとしてであり、「少量の毒は刺激作用がある」とするアルント・シュルツの法則の言い直しである[3]。
1978年[7] にミズーリ大学のトーマス・D・ラッキーは「電離放射線によるホルミシス[8]」において低線量の放射線照射は生物の成長・発育の促進、繁殖力の増進および寿命の延長という効果をもたらしうると主張して注目された。
また翌1979年春に東京で開催された国際放射線研究会議において中国では「自然放射線の非常に高い地区に住んでいる住民の肺癌の発生率が低い」ことが発表されると、スリーマイル島原子力発電所事故調査委員長のFabricantが興味を示し、国際調査団Citizen Ambassadorを中国に派遣して以降、放射線ホルミシス研究が盛んになった[9]。

ラッキーは小論文『原爆の健康効用』を発表し、原爆は健康を促進した面があると主張している[12]。

国際放射線防護委員会(ICRP)は、1983年より放射線ホルミシスについて検討を開始しており、ICRP1990年勧告では、「今日、ホルミシスと呼ばれるこのような影響に関するほとんどの実験データは、主として低線量における統計解析が困難なため、結論が出ていない
「現在入手しうるホルミシスに関するデータは、放射線防護において考慮に加えるに十分でない」と述べている[13]。

電離放射線の性質を利用する放射線療法においては、放射線ホルミシスの範囲を逸脱する100から150ミリシーベルトという線量での放射線照射を数回全身あるいは半身に対して行うことで生体の免疫機能を高め、癌治療のための局所照射の効果を増強し、治癒率を高めたとする研究がある。
局所腫瘍が発見された時点で、すでに他所に転移している可能性の大きい悪性リンパ腫を対象としたもので、他の治療法が試行されていない患者に承諾を得て30余例の治療が行われた[19][22][23]。

児玉龍彦は放射線ホルミシスについて、(放射線などを当てると)p38というMAPK(分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼ)とか、NF-κBというシグナル系の分子が動き、これは短期的には様々な効果をもたらし、それを健康にいいとか悪いとかいう議論は様々あるが、こういう状態を長期的に続けると、慢性炎症と呼ぶ状態になり、慢性炎症は例えばガンの前提の条件になったり、様々な病気の原因になるということがよく知られていると述べている[24]。

野口邦和(放射線防護学)は、放射線ホルミシスが原子力発電所の立地にともなう住民説得の道具として使われていることを指摘し、「ホルミシス現象が報告されているとおり本当に起こるのか、起こるとした場合、どういうメカニズムで起こるのか、起こるときの線量の範囲はどのくらいか」などを研究することは、放射線生物学的に意味のある重要なことであるが、現在までのところ、放射線ホルミシスは十分に証明され確立された現象ではなく、「放射線にまったく被曝しなかった人よりもちょっと被曝した方が発癌率が低かったり、かえって長生きする」などと主張することは明らかな誤りであり、「無用な放射線被曝はできるだけ避ける」「避けることのできない放射線被曝は、被曝線量をできるだけ低くする」ことが依然として放射線防護の大原則であるとしている[25]。

wiki

↑論文も載っけておこう。

放射線は扱うには危険すぎるんだ。

ただ適度なストレスは生きていく上で欠かせない。
木ですら無風状態で育成すると枯れてしまうんだ。

寝たきりの人や宇宙飛行士の筋肉がすぐに落ちてしまうのは重量や運動というストレスが無いからであるし、頭脳も適度なストレスによって開発されていく。

ここでいいたいのは、献血はストレスであるということだ。

そして、抜かれた血を補充するために体内のを使う。
鉄は血を作る上で欠かせない。

鉄分

私は女で、母親で、貧血だ。
だから20歳ごろから鉄分摂取を積極的に行ってきた。
フライパンを鉄製に変えて、鉄分のサプリを飲み、プルーンも食べる。

鉄は血液を作るにあたって大切な栄養素であり、健康にもかかわる。

今回読んだ本では「鉄が悪い説」を紹介していた。
おそらく摂りすぎ、または蓄積しすぎが原因であろう。

インド国立脳研究センターのプラバット・マンダル (Pravat Mandal)氏が率いる神経科学者チームは、健常者、MClおよびアルツハイマー病患者を含む72人の脳を対象に、先端的なMRI技術である定量的磁化率マッピングを実施した。
その結果、MClとアルツハイマー病患者の脳内グルタチオン濃度の有意な低下とアルツハイマー病患者の左海馬における鉄蓄積が観察された。
左海馬に異常蓄積した鉄がフリーラジカルや活性酸素を発生させ、酸化ストレスを与えることが、アルツハイマー病で見られる神経細胞死を引き起こすと考えられている。
この左海馬のグルタチオンと鉄のレベルのモニタリングにより、80%以上の精度でアルツハイマー病の診断も可能なことが分かった。

しかし一方で貧血が認知症を悪化させるとの研究もある。

貧血患者における認知症リスクの調整部分分布ハザード比(SHR)は、1.14(95%信頼区間[CI]:1.08~1.21、p<0.001)であった。
・鉄分サプリメントを使用している患者では、未使用の患者と比較し、認知症リスクが低い傾向にあった(調整SHR:0.84、95%CI:0.75~0.94、p=0.002)。
・サブグループ解析では、女性、70歳以上および、高血圧・糖尿病・脂質異常症でない患者において、認知症と貧血との相関が認められた。

論文Hong CT, et al. Curr Alzheimer Res. 2020 Mar 16.

金属類って摂りすぎてもいけないし、摂らなすぎてもいけない。

難しいよね。

さいごに

「瀉血に医学的根拠は無かったと考えられている。」

私は本を読むまで血を抜く行為は身体にとって良くないと思っていた。

そして読んだ後の今でも、ちょっとよくわからない。

それは実践していないし、出来ないからだ。

今回献血ルームに赴いて理解したことは、50キロ未満の人ができる献血は成分献血ということだ。

成分献血は赤血球を身体に戻して透明な液体のみを抜くものだから、鉄分を減らすことはできない。

受付「献血だとね、女の人は次の献血までの間隔を4ヶ月くらいあけて欲しいの。男の人でも3ヶ月。
それは身体が回復してないからなの。

成分献血だと2週間でいいのよ。
負担が全然ちがうの」

血を身体が作るって大変なんだなぁ。

鉄分についてはもう少し違う本を読みたい。

何が良いのか、何を信仰するのか。

献血は確実に身体に負担がかかる。
それがいいのか悪いのか私には解らなかった。
子育て中の女性にとっては負荷がありすぎるのだろう。

ただ、定期的に献血するグループの方が長生きするという研究結果もある。

高齢マウスの血液を薄めるだけで、若い血液をいれたときと同じくらい、脳の記憶にかかわる海馬の神経幹細胞が増加したり、筋肉に若返り効果があることがわかりました。一方で、若いマウスに同じ処置を施しても、健康に悪影響を及ぼすことはなかったのです。

つまり、若い血液に若返り物質が含まれているのではなく、老化によって増える老化にかんする物質が薄まることが、若返りにつながる可能性がしめされたことになります。
これと似た現象は、病気の治療のために血液中の血漿だけを交換する血漿交換法が実施された人間の血液でも確認されたことが報告されています。

成分献血とは血小板や血漿といった特定の成分だけを採血し、体内で回復に時間のかかる赤血球は再び体内に戻す方法だ。

献血をするということは血漿が減ってしまって老化が進むように思うが、身体は体内環境を元に戻そうと生産量を上げる。
生産する力を負荷をかけて鍛えるという意味で献血を勧めていたが、負荷に耐えうるかどうか、体調や性別、生活環境などをしっかり考え、周りと相談して行うといい。
たとえ効果がなくても、誰かを救う血液になるかもしれないところが献血の救いである。

おわり

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