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カナダ留学日記72 SIMカードを契約しよう

カナダ2日目。今日は何としてもSIMカードを手に入れなければならない。新しく引っ越してきた土地で、しかも外国で、外でマップが使えないと命にかかわるのである。日本ではインターネットがなくてもなんとかなってきたので(家にはWi-Fiあるし、あんまり外出しなかったし)カナダに来て改めてインターネットがないことヤバさ、心細さを再確認した。

私が契約しようと思ったのはPhoneBoxだ。去年もずっと使っていたし、値段もカナダの会社の中では安い方だと思う。とりあえずお店に行けば契約できるやろ!と大雑把に見積もって店の場所をマップで確認。外に出ると見られなくなってしまうのでとりあえずスクショ。
Bloor-Young駅で降りて、Bay駅の方に歩いてけばいいのね〜となんとなく頭の中の地図で考える。

行けるか…!?
外観の写真もあったのでこれもとりあえずスクショ
こんな感じなんだ…お店ってかオフィスぽいな
念のため反対側からの写真も保存

去年、初めてカナダに来る時は、日本で予めSIMカードを受け取っておき、ホームステイ先の家の周りをGoogleEarthで下見しまくり、バス停や最寄駅の場所をスクショして紙に印刷して持ってきた私だが…
カナダで一年暮らすとここまでこなれてくるんだな〜マップのスクショ画像だけでたどり着けそうだもんな〜〜〜

と思っていた自分を殴りたい。
人間は、慣れてきた頃が1番失敗しやすいのだ。

Bloor Young駅で降りてどうせBay駅まで歩くなら、いっそBay駅で降りた方がいいじゃないか。(ていうか、Bay駅の裏のビル?にある?)
そう思った。私は今までにBay駅で降りたことはないのだが、これだけ近いのだから、歩き回れば写真の景色はすぐに見つかると思った。
その考えが甘かったのだ。
まず、電車を降りて、迷う。どの出口がどの道に繋がっているかわからないのだ。一応案内も見てみるが、知らない道だった。駅でWi-Fiを拾って地図を見ようとしたが、Wi-Fiに繋がない。フリーWi-Fiを当てにしてはいけない。
とりあえず目についた入口から出ようとするも、通路になっていてぐるぐる歩いた挙句やっと地上に出られた。
目の前に広がる、見たことない景色。Bayエリアってこんなにオシャレなのか!!そして、どっちに行けばいいかわからない。一応標識にあるストリートの名前を見る。スクショした地図はお店の周りしか写っていないので、今自分がいるストリートがお店から見てどこに位置しているのか全くわからなかった。地図があっても、自分の現在地が知らないと役に立たないのである。そんなに広いエリアじゃないから、とりあえず歩き回ってみるか!と歩き出すも、暑くて日差しが強い中、無闇に歩くと体力を消費するだけである。元々方向音痴なのに、インターネットなくてもイケるだろ…と甘く見たことを後悔した。
しばらく歩き回ってみたが、全然わからないし、見たこない景色が続く。このままでは先ほど自分が出てきた駅の出口すら戻れなくなりそうだ。
私は諦めて、もう一回地下鉄にのってBloor Youngまで戻ることにした。何という無駄な時間であったか………
今改めて地図を見ると、本当にBay駅の裏?真横にあるんだから、普通の人だったら普通に辿り着けたと思う。私が致命的に方向音痴だっただけなのだ。人間は己の能力を過信してはいけない・・・!!!

随分歩き回ってしまったので、元の出口に戻るまでもまた時間がかかってしまった。地下鉄を待ちながら、自分の方向音痴さ、情けなさ、また暑さで心が病んでくる。しかし病んでても仕方ないので、さっさと電車に乗って一駅戻る。

Bloor Young駅は去年何度も使った駅だし周りも歩き慣れているので、出たいで口から出て、改めて、再スタートである。現在地がわかるというのはありがたい!
しかし、PhoneBoxが入っている建物がなかなか見つからず、反対側に回ってやっとわかった。あらかじめスクショしておいた写真と同じ景色が見つかったのだ。画像持っといてよかった!

ビルの中に入ると、長い廊下。一階にはほぼ何もない。そして薄暗い。案内の人がいたのでPhoneBoxは何階ですか?と聞き、言われた通りにエレベーターで上がる。


Yelpにあった画像。まんまこれ。



エレベーターを降りると、長い廊下。たくさんのドアがある。そのうちPhoneBoxと書かれたドアを発見。
しかし、ここで本当に契約できるのだろうか?なんか、まんま、オフィスぽいが…!?お店じゃなくて、Phone Boxの会社の方に来ちゃってない!?不安はあったがここまで来て引けないのでノック。「お入りください」と声があるので、ドアを開けて入室。

Yelpより
ちなみに私は手前のピカチュウがあるデスクで対応してもらった


いや、会社やん!!!?
完全に場違いなところに来ちゃったよ・・・・!と思いつつ、ここで黙り込んでは負けなので(?)せめてSIMの契約ができるお店を教えてもらおうとする。

私「すいません、SIMカードを契約したいのですが!」

手前のデスクのお兄さん「はい。こちらにお座りください。」

お兄さんはデスクの前にある椅子を示した。
あ、ここで契約できるんか。とりあえず椅子に座る。

お兄さん「今日は何をお求めですか?」

私(聞き取れなかった)「ゑゅッ…ファッッッ!?・・・・ソーリー?;;;」

お兄さん「今日は、何を、お求め、ですか?」

お兄さんは私がネイティブでないのを汲み取って言い直してくれる。
私の英語のできなさがいきなり露見して恥ずか死ぬかと思った。ゆっくり言ってもらえて聞き取れた。道に迷い、間違えて会社に来ちゃった?と心がドキドキしていたので余計に挙動不審であった。

私「SIMカードを契約したいんです。」

お兄さん「どのプランですか?」

私「え、プラン!?」

どうやら、あらかじめ自分でプランを調べて決めてくるべきだったらしい。てっきりメニュー表みたいなのを出して色々説明されるかと思っていたので、焦った。

私「去年もPhoneBoxを使っていて、その時は月35ドルで7Gだったのでそれを…」

お兄さん「そのプランはなくなりました。」

英語でThe plan was gone.って言っていたと思う

私「gone!???」(マジでゴーーーンって感じである)

お兄さん「はい。」

私「あ・・・今はどんなプランがありますか?」

お兄さん「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

説明してくれたのだが、数字がたくさん出てきて頭で処理できなかった。
お兄さんはデスクに置いてあった小さなメニューボードを示した。そこにプランが書いてあった。

HPの画像を引っ張ってきた

プランは2種類。5Gのプランと、国際電話ができるプランで、それぞれ3つずつグレードがある。

私「この2つの違いって…」

お兄さん「こっちは5Gで、こっちは国際電話ができます。」

私「普通、皆さん5Gの方選ばれますか?」

お兄さん「いや、それは人によってですね・・・」

全くその通りである。私は何を聞いてんだか。そもそも5Gがなんなのかわかっていなかったが、こっちの方が電波が良さそうな気がする?私が去年使っていたのは35ドルで7Gだったので、値段設定は国際電話プランの7Gと同じだが、多分これは別のものだろう。

私「私は国際電話を使わないので・・・」

お兄さん「では5Gがいいでしょうね。30ドル、40ドル、50ドル、どれがいいですか?」

私「えっと・・・」

そりゃ安い方がいいに決まってるけど、30ドルだと2G!???足りるわけがない。新しい土地でマップいっぱい使うし・・・!40ドルだと・・・・20G!!?????そんなにいらんが!?いきなりすごい差が!??35ドルで10Gくらいのプランないんですかね!?やり方がうまいわ〜マーケティングだわ〜〜そりゃ絶対みんな40ドル20Gプラン選びますやん!!

私「40ドルのプランで!!!」

お兄さん「OK。パーフェクト。」
(この“パーフェクト“はよくある相槌で、OK、いいですね、とほぼ同じ意味である。)
この後、お兄さんによる規約説明が淡々と行われる。法律で決まっているのだろう。一応「わかった?」と聞いてくれる。なんとなくはわかるのだが、全部は聞き取れない。まあ去年も使ってた会社だし、そんなやばいことはないだろ、と大雑把に考えてその都度「はい。」と答えていた。

実は私はこの時、自分の英語力の低さを実感して落ち込んでいた。お兄さんは仕事なので淡々と無表情で話を進めていく。そう、私はカナダでこういう手続きをしたのは初めてなのである。去年もお店で物を買ったり人に何かを尋ねたりは普通にしていたが、相手は私がネイティブじゃないのを重々承知でかなりゆっくり、分かりやすく答えてくれていた。語学学校の先生は皆、生徒が英語ができないのを知っているから、それなりに対応してくれる。

しかし、こういう「契約」の場では、英語が流暢だとか留学生だとか、関係ない。規約は規約でちゃんと説明する義務がある。今までのお客さんと同じように接してくれているだけなのに、だからこそ、自分が「普通に英語がわかる人」ではないことが実感されて悲しかった。しかもこの部屋にはお客は私しかいなかったので、この辿々しい英語をオフィス全体に聞かれていると思うと恥ずかしかった。「私、英語、できないじゃん・・・・・1年も勉強したのに」と思った。
そして、私はカレッジを出たらカナダで働きたいと思っている。2年後、果たして私はこのお兄さんみたいに英語をペラペラ喋れるようになっているのだろうか?働く側になった時、こんなふうに流暢な接客ができるのか!?かなり不安になった。

SIMカードをスマホに入れて、それが使用できるようになるまで10分ほどかかる。座ってお待ちください、と言われたので本を読みながら待つ。
その間、お兄さんは同僚たちとトークをしていた。
「何探してるの?」「テープがなくて…」「僕のを使っていいよ」「いやこれ小さすぎるwww」「〜〜〜に行くなら僕の名前を出しなよ。サービスしてもらえるぜwww」「嘘だ〜」みたいな感じであった。こういうのは聞き取れるのだ。私には、ビジネス用語とか法律に関する語彙を増やす必要があるんだろうな、と思った。

無事契約は終わり、電話番号もゲットした。
「ありがとうございます!」とお礼を言うと、お兄さんはデスクにあったピカチュウのぬいぐるみを手に取り、「ありがと〜」みたいなムーブをしてくれた。すごく和んだ。こういう「かわいいもの」があると、緊張が和む。小児科や幼稚園などが可愛らしい内装になっているのもよくわかる。不安になっちゃう小さい子を、少しでも安心させられるように、みんな気を配っているのだろう。今の私はまさに「初めて幼稚園に来た小さい子」の心である。

まあそれは置いといて、私はインターネットが使えるようになったのである。本当に便利だ!!!4ヶ月、インターネットなしで過ごしていたので、どこでも調べ物ができる、人に連絡できる、ということの便利さを思い知った。インターネット、神!!!!!!

帰宅し、YちゃんにSIMカード契約のあれこれを話す。Yちゃんも私と同じくカナダで働くために同じカレッジに通う仲間である。「英語ペラペラになってちゃんと働けるようになるのかな〜〜!??」と言う不安を共有してくれた。頑張るしかない!


そういえば、シェアハウスに越してきたばかりの私には色々買いたいものがあった。昨日の夜はすごく寒かった。ベッドに毛布はついているが、地下室は冷えるのでこれでは足りない。足も寒くて眠れなかった。私は中古店「Value Village」で買い物をすることにした。Value Villageについては以前記事を書いたので(かなり前だが)省略。
ベッドシーツ、毛布、ガウンを買った。全部で14ドルほど。かなり安く済ませられた。その後はDollarama(100均みたいなところ)でモコモコの靴下を購入。料理に使える大きくて深めのフライパンも買った。

夜ご飯は、早速フライパンを使って親子丼を作った!昨日、Lさんに預けていた荷物をピックアップしたので、その中に入っていた醤油、みりん、料理酒が使えるようになったのだ!本当にこの3つの調味料は料理に必須である。これ使っとけばたいてい美味しくなる。ビバ日本食。

美味しかった〜〜〜〜〜

日本の味に飢えていたYちゃんも大変喜んでくれた。

携帯も使えるようになり、電話番号があるから諸々のシステムに登録することができるようにもなった。電話番号があるって・・・・・・大切!!!!!!!!明日は特に予定はないのでのんびり過ごすことにする。
毛布と靴下とガウンのおかげで、夜も暖かく過ごせた。不安もあったが、こうやって少しずつ生活が整ってくると心も安定してくる。衣食住、大切・・・!

カレッジが始まるまで残り3日。しっかり準備ができるのか!?


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