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生まれた時から両想い

「好きです。付き合ってください」
「いいよ」
「ほんとにいいの?」
「うん。だって私も前から好きだったもん」

「ありがとう」
「前から自分のこと私っていってたっけ?」
「うん、いってたよ」
「私が私っていったらいけないの?」
「いいよ」
「ほんとにいいの?」
「いいよ」
「ありがとうね」
「そのありがとうは私にいってるの?」
「そう、あなたよ」
「いいよ」

「いつもはあなた。なんて言わないのにね」

「いつもわね」
「もうそんな細かいことはどうでもいいよ」

「なんで?」
「私たちつきあったんだからデートの話とか楽しい話しよ?」
「そうだね。私は海にいきたい」
「いいよ。私も海にいきたい」
「やっぱり海はどうかな?」
「やっぱりってどういうこと?」
「ごめんごめん。間違えちゃった。山って言おうとおもったんだ」
「そうだと思った」
「いいよ」
「なんのいいよ?」

「いついこうか?」
「私はいつでもいいよ」
「いいの?」
「いいよ」
「来週はどう?」
「私来週はちょっと」
「どうしたの?」
「ううん、なんでもない」
「来週にしようか?」
「来週で大丈夫?」
「いいよ」
「いいよ」
「いいの?」
「いいよ」
「私はどんな海がいいか調べておくね」

「来週天気はどうなのかな?」
「晴れだと思うよ」
「私も晴れだと思う」
「いいよ」
「だから何のいいよなの?」
「いいよ」
「雨だったらどうしよう」
「ほんとだね。雨だったら海にはいれないね」
「あれ?山じゃなかったっけ?」
「もう山の話は終わったの」
「海にいくんだもんね」
「けど私泳げないからなあ」
「それ私だよ」
「海でいいんだよね?」

「山でしょ」
「山だったっけ?」
「海は?」
「海はあなたが言い出したのに泳げない。って言うから」
「私泳げるよ」
「泳げるの?」
「泳げないなんて言ってないよ」
「いいの?」
「だから何のいいのなの?」
「そうだよね何のいいのだよね?」
「結局山と海どっちにいくの?」
「私は最初から海だと思ってた」
「本当に海だと思ってた?」
「じゃあ来週までに海探しとくね」

「いいの?」
「やっぱり山にしようか?」
「あなたと行けるなら海でも山でも」
「いいの?」
「山で?」
「いいよ」
「実は最初から海じゃなくて山がよかったんだ」
「どうして?」
「私泳げないから」
「あなた泳げないのに山にいくつもり?」

「どういうこと?」
「ごめんごめん。海と間違えちゃった」
「いいよ」
「いいの?」

「ううん。なんでもない」
「私お弁当作っていくよ」
「嬉しいなあ。海と山どっちだっけ?」
「海のつもりだったけど」
「私も海のつもりだった」
「山の話が少しでたからさ」
「それはあなたが海と間違えて山って言ったんだよ」
「いいよ」
「いいの?」
「何がいいの?」
「あなたってすぐ質問してくるよね?」
「私質問多い?」
「ほらっまた質問になってるよ」
「いいよ」

「じゃあ晴れだったら海、雨だったら山にする?」
「いいの?」
「いいよ」
「でも雨だったら海も山もなんか嫌だなあ」

「私も嫌」
「雨だったらどうする?」
「雨だったら海にしようか」
「いいよ」
「いいの?」
「いいと思うよ」
「雨で海だよ?」
「雨で山よりかはいいと思うよ」
「私も山よりかはいいと思った」
「じゃあ来週晴れだったら海」

「雨だったら?」
「雨でも海でしょ?」
「雨の中お弁当食べるのも嫌だな」
「晴れの中だったら?」
「いいよ」
「いいの?」
「いいよ」
「もう!さっきから何言ってるのあなたたち」


         完