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フォロワーシップ・バランスを整えるリスニングとアサーション

「聴く・伝えることで相手から得られるもの」


フォロワーシップを発揮するときそれは、自身からみて相手がリーダーの場合もあれば、フォロワー同士の関係もあり、または形式上の部下(フォロワー)のケースもあります。
 
相手の立場に拘わらず、自身が協働型フォロワーシップを発揮することで、得られる共通のものがあります。
 
それは、フィードバックによって得られる新たな知恵です。
 

貢献力と批判力


フォロワーシップを構成する要素は、ロバートケリーの理論に当てはめると「誠実な貢献力」と「建設的な批判力」の2つです。

相手に対して誠実に貢献したいという自身の姿勢を相手に示す上で重要なことは「リスニング力」即ち、「聴く力」
 
一方の建設的に批判する主張が相手に届くために重要なことは「アサーション力」即ち、「主張力」です。
 
この2つの要素がそれぞれ縦横の軸によって、バランスしていることがフォロワーシップの発揮に大きく影響します。
 
相手に対して誠実に貢献したいとすれば、相手の主張をどれだけ事実と気持ちも含めて理解し、共感するのか。
 
相手があなたを協働者として認め、持続可能な関係性になるには、自身の主張を相手が傾聴するような伝え方が重要になります。
 

「貢献力=リスニング」と「批判力=アサーション」


この「リスニング」と「アサーション」のバランスが創造的な対話を成立させます。
 
相手の意見に対して「リスニング」=聴くだけの状態では「従属的フォロワー」となる。
相手の意見を理解せずただ受け流し、自身の意見を伝えるだけの状態は「批判型フォロワー」となります。
相手の意見に積極的に耳や目、全身で受け止め理解し、共感する部分には共感する。ちがう意見があれば、相手に届く表現で伝える。この往復が「協働型フォロワー」でいる状態となります。
 
やはり、コミュニケーションスキルというベースの上に、人間関係が成り立っているということです。
 
相手が、抽象的な表現で主張を繰り返したら、聴き手であるフォロワーは受け止め、具体的且つ、未来志向の質問をして相手から意見を引き出す。
 

上司・部下の対話


●上司「とにかく前を向いて頑張ってくれ!」
●部下「前を向くことですね、具体的には〇〇を推進するということでよろしいでしょうか?」
 
相手が、理論的な主張を繰り返したら、そのことに理解を示し、その背景にある感情や気持ちを質問してみる。
 
●上司「今までのやり方に注意を払って実行してくれたら、間違いはない!」
●部下「〇〇のやり方を実行するということですね?一方で△△のやり方はリスクテイクすればより成果が上がると思いますが、如何でしょうか?」
 
受け止めて、理解を示し、質問する。
 
これがフォロワーシップ・バランスを決める一つの要素「リスニング力」です。
 
一方のアサーション力とは、定義上「自分も相手も大切にする関係の中で、率直に誠実に、粘り強く伝えるコミュニケーションのあり方」です。
 
上記の部下の問いは、既にアサーション力の発揮になっています。そこにさらに、わたしを主語にし、気持ちと事柄の両面から伝え、最後には必ず問い掛ける伝え方です。
 
●上司「今までのやり方に注意を払って実行してくれたら、間違いはない!」
●部下「なるほど、〇〇のやり方を従来通りに実行すれば、今までと同じように成果が上がるということですね。私は〇〇のやり方で得られる成果を最大化するために、△△のやり方をすれば、他のメンバーの納得感も高まり今まで以上の成果になると思いますが、如何でしょうか?」
 
こんな風に、丁寧に相手の言葉を繰り返し共感することで、相手が話を聴く準備が整います。その上で、自分を主語に責任をもって具体案と感情面に配慮した手法を提案し、最後には問う。

協働者関係の芽生え


この対話の中で、瞬間ですが協働関係が築ければ、今までの関係性の枠を超えて「重なり」が生まれる瞬間があります。
 
相手の「聴き方」「伝え方」に変化の兆しが観られる瞬間です。
 
相手との関係性を構築するには時間が掛かると思いがちですが、この対話の質を転換することで結果、近道になる可能性を見出してみてください。
 
相手が上司であったとしても、あなたの手法(やり方)に対して、助言的なフィードバックをするような状態になったら、あなたのリーダーシップを上司はフォロワーシップを発揮して貢献する立場に入れ替わります。
 
フォロワーシップ・バランス=リスニング力とアサーション力のバランスによって整います。是非、日常の中でお試しください。
 


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