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サラリーマンでも行ける‼3泊5日でヨーロッパ ベルギーの旅③

  ベルギーには、ブリュージュ、リエージュなど美しい都市がたくさんある。しかし3泊5日という日程では訪れることが出来る場所も限られる。そこで3日目はアントワープを尋ねることにする。ベルギーは決して大きな国ではないが国土の北半分はオランダ語、南半分はフランス語(正式にはその一方言であるフラマン語)を公用語としている。両語圏は対抗意識も強く、一時は国家分裂の危機に陥ったこともある。アントワープはオランダ語圏の中心都市でありブリュッセル中央駅から電車に乗って1時間ぐらいだ。
 アントワープの観光といえば、まずは聖母大聖堂。日本ではテレビアニメ「フランダースの犬」の最終回で主人公ネロと愛犬パトラッシュがルーベンスの絵を見ながら天に召されるシーンで有名だ。ブリュッセル駅からは遠いが歩いていけない距離ではない。行きは歩き、帰りはトラムでいいだろう。
 ヨーロッパでは数えきれないぐらいの教会を訪れたが。どんなに有名な教会でも日本の神社と同様に入場は無料で、入場後何らかの形で少額の寄付をする(ローソクを買うなど)形になっている。しかし、この聖母大聖堂は入館が有料。チケット売り場の前に立つと売り子が日本語で「日本人ですね。そこに日本語パンフレットあるので持って行ってください」と声をかけて来る。ちょっと興ざめだ。

 大聖堂の周囲はそれなりに見どころ、食べるところも多い。昼時でもありどこか入ろうかとウロチョロするが、どうもどこも決め手に欠ける。地下トラムに乗って駅まで戻ることにする。アントワープはダイヤモンドの取引で有名であり、駅前には宝石店が軒を連ねている。その取引を担っているのがユダヤ教徒であり、街中には白シャツ以外は全身黒づくめ、髭を伸ばした正統派ユダヤ教徒の姿も見られるという。また、ダイヤモンドの加工や取引に関する博物館もある。
 それらを一通り見物して、宝石商が並ぶ一角を歩いていると、3人の若い警察官がいる。1人は女性でモデルかと思うほどに美しい。ニコニコと笑いながら楽しそうに男性警察官と話している。そのとき、道路の向こう側から何か小さな叫び声が上がった。それを聞いた 3人は脱兎のごとく走り出し、次の瞬間には逃走するひったくり犯だろうか、1人の若い男を道路に組み伏せていた。叫び声からわずか5秒ほどしかたっていない。さすがプロだと感心する。
 駅構内にポテトフライのスタンドがあったので、遅めの昼食をとる。そしてこの遅めの昼食がたたって、夜になってもお腹か空かず、夕飯は美食の国ベルギーにいるにも関わらず、世界中どこでも食べられるケバブで済ませるという、非常に残念なこととなった。

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