アロットメント_サンド

ジェレミーさんとの旅 ⑦

いやはや英国の話ばかりで恐縮ですが、興味のあることが偏っているため
仕方ないのです。これは2年前(確か)に知人を訪ねてマンチェスターに
行った時の旅日記。※ジェレミーさんとはPeter Rabbitに出てくるJeremy Fisherというカエルです。

Day 6 in Manchester  Only two days left in the UK

Pは12:00くらいに帰ってきたんか。それなのに6:00ちょい前にはもう起きてたぞ。よく働きますね。本日はベイビーグループなる教会のコミュニティーサークルの一環のミーティングがあるらしく、そこに行くから8:50
(いつもより10分早い)には朝ごはんね!と言われていましたが、
その時間にキッチンに行ったらPが洗濯機から洋服を取り出していた。
仕事前の忙しい時間帯に邪魔しちゃ悪いよなと一旦部屋に戻る私。

教会のミーティングはかわいい赤さまがたくさん来ており、この前教会で
会ったフェイという黒人のおばちゃんもいた。Mの役目はちびっ子を連れて集まったお母さんたちにお茶と食べ物を準備してあげることらしくて、私も
今日初めて会う様々なお母さんたちにコーヒーやら紅茶を作ったり、果物を切ったりのお手伝いをしました。皆さんも「見たことないアジア人にコーヒーとか紅茶作ってもらっちゃった」と思い出に残るかしら。

そういえば、入口にミニオンズの着ぐるみがいて(ミニオンズのくせに
でかい)小学生くらいの男子に「スマートフォンで写真を一緒に撮ってから中に入って」と言われ、おとなしく言いなりになる。イギリスの誰のやら
わからないスマートフォンのフォルダに私とミニオンズの写真が入っているのであります。
何これ。どんな休暇?ふはは。

会はこの前、教会の礼拝で会ったヤンキーちっくな豪快かあさん
(木◯優樹◯的な)がゴリゴリ仕切っていて、パワフルです。とはいえ、
いろいろなタイプのママさんがいるのでその輪の中に問題なく溶け込める人々と、そうでない人(ちびっ子たちも大人の思惑とは離れて1人でおもちゃ遊びしてるのもいれば、ドアを開けて逃亡しようと試みてばっかりいるのもいて、それぞれでおもしろい)がいる。

あのグループの中ではやや年上のように見えるお母さん(色が白くて落ち
着いていて、静かなタイプ)があんまり入りこめてなさそうで気になった。時々爪を噛んだりしてて。あと、ちびっ子2人連れてる父さんが「仕事が
まだ見つかってない」
とかなんとか言ってたな。どこも大変なんですね。
マンチェスターに来てから感じているのは、じーちゃん・ばーちゃんが孫の面倒を見ている率が非常に高いこと。父さん母さんが共働きで、家にいない人が多いのかもね。ベイビーグループにもじいちゃん・ばあちゃんのペアが
1組いた。

フェイという黒人おばちゃんは、口数は少ないが何となく呼吸が合う感じで、キッチンで会って数分したら、余計なことは何も言わずに
「これ洗って」「ハイ」「これ拭いて」「ハイ」のようにいい感じで
リレーができておもしろい。ちびっ子が何か飲みたかったり、食べたい様子でキッチンにやってくる場合も「○○が欲しいのね」と言ってしまわずに「何が欲しいの?」と聞いて本人にきちんと言わせるところがいいな、
と思った。自分の食べたいもの(欲しいもの)をちゃんと意思表示しないといかんのですね。先回りして何でもやってあげるとよくないわね、確かに。

度々の逃亡を図っている赤さんのママが私の好きな格好ですてき。長めの
髪を頭のてっぺんでルーズに結んで、デニムのサロペットを履いてる。
イギリス人モデルのアレクサ・チャンっぽい〜。「逃げてるとTokyoに
連れてっちゃうわよ!」とMが赤さんに脅しをかけたら「多分1日で返却
したくなると思うよ」とママが言ってておもしろかった。
ママさんが大変なのは全世界共通なんですねぇ。

帰ってきてからMが「疲れたー」を繰り返すので、お昼はスキップして少し昼寝することに。その間に私は夜用のいんげんのゴマ和えを準備しておく
ことにする。他人様のキッチンは、使い勝手がいまいちわからずちょっと
困惑。そしていつもなら、茹でた後に氷を入れてガンガンに冷やすのですが、氷がないので流水で我慢する。そして購入したカシューナッツが
ローストされてない疑惑。がーーん。生のやつ食べて、お腹壊したら
(壊されたら)大変!と急遽、フライパンで炒ることに。
粉々に砕く前に気づけばよかったよぅ。

あ、今急に思い出した。昨日、Chesterで帰りの電車を待っている時、
明らかにムスリムの女の子が着てるパーカに「Good Vibes」と書いて
あって、何かしみじみおかしい。そして、その彼女はファミリー御一行で
隣の車両に乗っていたのだが、全然知らないであろう白人のばーちゃんが
降りる時に全員拍手で見送ってあげてて、ばーちゃん嬉しそうだったな。

今日誕生日なの、とか何とか言ったんかねぇ。ああいう、人対人のやり取りを見るのが私は好きなのよね。

ごまとカシューナッツは、ジッパー付きのビニールに入れて包丁の背中で
こなごなに。ごまは、すり鉢が欲しいところだが勿論あるわけないので
指でも少しすりつぶす。金ごまちゃんなので香りがすばらしい。
醤油と金ごまちゃんは置いていくことにしましょう。
インゲンは固めに茹でて冷蔵庫に。あとは混ぜればいいだけにしておく。

14:00になってMはまだ疲れが抜けきってないようですが、気にしないふりをして出かける。なぜかPのお店に行くのは16:00らしいのだが、ランチタイムは忙しすぎて邪魔になるのでしょうね。パブみたいのか、高級なレストランか……?と想像していたのですがどちらでもなかった。

ま、まずは幾つかある教会と、新しく建てられ始めている胸くそ悪いガラス張りの建物の比較をする。もちろん古い建物の方が数百倍もステキなので
あります。ギャラリーとか図書館とかシティーホールを見て、古い図書館に和み、胸くそ悪い(2回目)ガラスのフットボールミュージアムなるものに
オエッとなり、で忙しい。お店もあちこちにあるけど特に欲しいものは
なく。うーん、何だかねぇ、という感じであります。東京のビル群を見慣れすぎてしまって、中途半端なやつを見ると笑っちゃうねん。

マンチェスターピカデリーというでかい広場のようなところに某有名日本人
建築家がモニュメントを建てたらしいのですが、何か妙ちきりんなコンクリの壁で、何をあらわしたいのか1mmもわからぬ。私の感性が磨耗している
のだろうか。ポーランド出身のM曰く「あれは強制収容所にしか見えない」とのこと。確かにねぇ。あれを作った時はご本人が疲れすぎてたか、市から十分な支払いがされなかったか、もしかしたらまだあれは途中なのかもね〜ということで無理やり結論づけた。

そしていよいよPがHead chefなるものをしているというお店に行く。
お店の名前は、初めて知った単語で、"Allotment"というんだそうな。
市民菜園という意味らしいが、雑然とした都市にある緑のオアシスみたいなニュアンスかな〜?と想像。何というか、日本人女子が好みそうな雰囲気
です。Afternoon Teaをよりおしゃれに、少しくずしてかわいくした感じと
いうと伝わるか。店内に小さい畑があって、ミニ人参が育っていたりする。

https://allotmentbar.co.uk

木とかブリキのバケツとかが使われていて、アイスも植物を入れるポット
みたいのに入って出てきた(アイスはPからのサービス!)変な時間帯だし帰ってからポーランドのソーセージとインゲンごま和えを食べるので、
あまりビッグポーションは食べられない。それぞれ紅茶とサンドイッチを
頼むことに。sourdoughってなんだろう。パンの種類らしいけど……。
わからないままにMのいいなりにそれを選ぶ。

私はMに注文してもらってる間にトイレに行った。トイレ、きれいだし
せっけんのボトルとか洗面台がチャーミング。これは女性に人気が出ると
思われる。私はフライドチキンとアボカドのサンドイッチとアールグレイを頼んだ。わりと分厚めのゴリゴリしたパンではさまれてきたので
あごがはずれそうになる。(トップの写真がそれである)でもおいしい〜。ちゃんと作られているっていう感じのサンドイッチです。
ま、MはPが作った、ということだけでもう嬉しいわけだから、どういうのでも喜んで食べると思うけどねぇ。(向かい側は、Mが「わぉ!」という顔で自分のサンドウィッチのお皿を持ち上げているのだが、許可を取って
いないので首から下だけの登場。)

仕事が一段落したところでPがやってきた。楽しそうに働いているなぁと
いう印象。日本人は来るかね?と聞いたら、ごくたまに、と。たぶん日本人女子はこういう感じ好きだと思うよ、と言って、日本語で宣伝しなはれと
言っておいた。MとPがわりかし穏やかに会話していて、なかなかよろしい。

そういえば前日、Kと話していた時に「◯(←私)もあのレストラン気に
いると思うよ〜。僕は2回行ってフィッシュ&チップスと白身魚のソテーを
食べたけど、すごくおいしかったよ」と言っていました。素直に KがPの
ことを褒めるなんて。どうしてしまったのー。ま、ポジティブなことなのでいいのですが。

そして車に乗って戻る途中でミルクを買って(私はExtraガムのジャー入りを2つと、ひっつき虫+のりを買った)家路に着いたのでした。
Mが疲れて(本日2回目)少し休みたいと言うので、サロンパスを4枚進呈し、疲れを取ってもらうことに。8:30頃に夕飯(という名のソーセージ及びごま和え)を食べるとか言ってたけど8:27pm、まだ彼女は降りてこない。サロンパスが効いて寝ちゃったかな…zzz。8:48頃にようやく夕ご飯的な
ものを食べる。Mはわかりやすく「んー、おいしい」と言っておかわりまでしてくれたけど、Kは紳士だからマナーとしてなのかわからんが「とってもおいしいよ」とは言ってくれたがおかわりはなかったから、いんげんが
固かったのか?とかやや悩む。まぁいいか。2人とも今日は早めに休むと
いうので10時前にお開きとなった。

私は二人が寝静まった後、明日郵便局で出すCrispsのパッキングで大忙し。結局安全策をとって2箱にしたけど、そしたら職場のお土産が全然足りないことに気づいた。明日買わねばなりませぬ。明日は町に行って映画観て、
メンタルヘルスのグループの会の料理のお手伝いもするらしい。

なんだろ?この夏期休暇。そして家に戻ったらフェアウェルのセレモニーがあるらしい。セレモニーって何なのだ。

〜つづく。イギリスを離れるまでいよいよ残り1日〜


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