前世の記憶①[エリーゼのために]
小学4年生の頃、わたしはエレクトーンを習っていた。
エレクトーンとは電子オルガンのことだ。
母の友人に大学生の息子さんがいて、彼がエレクトーンを弾いていた。
大学費用のためにアルバイトを検討されていたとき、私がエレクトーンに興味を持った。
それは丁度いい♪ということで、彼が私の先生になった。
実のところ、私が興味を持っていたのはエレクトーンじゃなくて先生だった。
幼いながらに恋をしていたのだ。
背が高くて眼鏡が似合う人だった。
普段はニコニコ穏やかな彼が、エレクトーンの演