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執行役員が分析、これからのABEJAで輝ける人材とは

経営課題の整理から採用のサポート、提案書のテンプレートの改善、業界動向のリサーチまで──。さまざまなメンバーを巻き込みながら、領域横断で「ABEJAにおける重要な課題の解決」に向き合い続けているのが、執行役員経営戦略統括部長を務める木下正文です。

今回はその仕事柄、ABEJA全体を俯瞰して見ている木下の視点から、ABEJAで働くメンバーの共通点やこれからABEJAで輝ける人材について分析してもらいました。

木下 正文 / 株式会社ABEJA 執行役員経営戦略統括部長

1987年生まれ。愛知県名古屋市出身。名古屋大学理学部卒業後、2012年に株式会社レバレジーズに新卒入社。人事部にて新卒採用の体制構築、人事評価制度の刷新に従事。マーケティング部にてデータドリブンなマーケティング体制の構築し、データ分析チームを立ち上げ、チームリーダーに就任。2015年に新規事業の立ち上げを行い、事業責任者に就任。2017年に経営企画室に異動し、各事業のサポートやAI化の推進、 People Analyticsの推進を担当。2019年1月にABEJAに参画。2021年3月よりAIソリューション事業の営業戦略マネージャに就任。2021年9月より現職。


部署横断で会社の重要課題に向き合い続ける

—— 木下さんの役職は「経営戦略統括部長」ですが、どのような役割になるのでしょうか。

一般的には「経営企画」と呼ばれる仕事に近いと考えています。

私の中では経営企画は大きく2つの役割があると思っているんですね。1つが予算管理や売上管理などを含む経営管理系の役割。もう1つが計画の達成に向けて、実際に事業部側に入り込んで一緒に課題を解決していく役割です。

ABEJAの場合はCFOの英や彼直下のチームを中心に経営管理の領域が強くなってきているため、私は2つの役割の中でも、後者の「課題解決」のところをより重点的に取り組んでいます。

—— 具体的にはどういった業務が含まれるのでしょうか。

例えば今対処すべき経営課題を特定するために、マネージャー陣を中心とした社内のメンバーから各チームの状況をヒアリングして、情報を整理する。その上で具体的な課題と担当者を決めて、解決するまでの方向性を設計し、時には一緒になって手を動かすことも私の役割の1つです。

課題を発見するには情報収集が欠かせませんから、常に細かくアンテナを張り巡らせておくことが重要になります。

全マネージャーが参加する毎週の定例ミーティングにあたっては、事前に共有されているドキュメントを誰よりも読み込み、気になる点があれば必ず掘り下げて聞くように意識をしています。

業界全体のトレンドや同業他社の状況を押さえておくことで見えてくるものもあるので、そういった情報も捉えた上で、未来から逆算して「ABEJAにとって課題になりそうなこと」に向き合っていくイメージです。

一方で分析をして戦略を立てるだけではなく、直接手を動かすこともあります。採用を例に挙げると、採用力を高めていくためには「各面接担当者がABEJAに入った理由をもっと魅力的に語れるようにする必要がある」という課題がありました。そのためにマネージャー全員と1on1を実施し、内容や伝え方を改善するといったこともやっています。

特定の領域に固執していないので、社内の提案書の質を上げるためにテンプレートのブラッシュアップもしますし、会社全体の営業力を磨くために、業界ごとのトレンドや先端テクノロジーの動向を調査をして、それを営業資料に落とし込んでいく仕事もしています。

—— カバーしている領域の幅が広いですね。木下さんはご自身のミッションをどのように設定されていますか。

会社の目標達成や重要な課題の解決に繋がることであれば「首を突っ込んで、何でもやる」ことがミッションだと思っています

もちろん私一人ではできないこともあるので、いろいろなメンバーに協力を依頼しながら優先順位の高い課題をしっかりと解決して、会社の成長をドライブさせることが自分の役割だと考えています。

—— 社内でも特殊なポジションですよね。これまでのキャリアの中でも、多様な業務を担当されてきたと伺っています。

前職でも経営企画をやっていましたし、事業責任者やマネージャーとして、さまざまな社員を巻き込みながら仕事をした経験もあります。もともとは人事からキャリアをスタートしていて、デジタルマーケティングや社内でのデータ活用に関する業務にも携わってきました。

実はABEJAに入社後も人事から始まり、営業やプロジェクトマネジメント、データサイエンスといったように幅広い仕事に取り組んできたため、その経験も活きていると思います。

ABEJAメンバーの共通点とは

—— チーム横断でいろいろなメンバーと関わる木下さんだからこそ、ABEJAを俯瞰して見ている部分もあるかと思います。ABEJAには尖ったスキルや経験を持ったメンバーが集まっていますが、木下さんから見て共通点のようなものはありますか。

「テクノロジーとビジネスの両方に興味を持っていること」と、「新しいことに挑戦して自分の力を高めていきたいという志を持っていること」。特徴的なのはその2点でしょうか。

ABEJAで働く人たちを見ていると、ビジネス職でも技術に関心があり、AIの動向や最新のテクノロジーについて積極的にキャッチアップしようとしている人が多いと感じます。同様に技術職でも「その技術を活用することでお客様にどのような価値が提供できるか」というビジネス視点を持った上で、テクノロジーに向き合っている人ばかりです。

ABEJAではテクノロジーとアントレプレナーシップ、リベラルアーツを掛け合わせた「テクノプレナーシップ」という考え方を大切にしています。それもあって「ビジネスと技術を融合させながら、お客様の課題解決に全力で向き合っていく」というスタンスは、社内のメンバーに共通する軸だと思いますね。

—— 確かに「テクノロジーとビジネス(アントレプレナーシップ)の掛け合わせ」はABEJAの特徴といえそうですね。他の役員陣とも、同じような話になりました。

もう1つの挑戦することへの情熱については、マネージャー陣との1on1を通じて「ABEJAに入社した背景」を聞いていく中で、改めて感じたことです。

最初はABEJAの事業の魅力や将来性などの話になることも多いのですが、それを徐々に掘り下げていくと、多くのメンバーが「新しいことに挑戦して、自分の限界を高めていくこと」にパッションを持っていることがわかりました。

例えばABEJAには、大企業で豊富な経験を積んだ後に参画してきたメンバーが何人もいます。人材系のリーディングカンパニーで部長を務めていた人もいれば、著名なエンタープライズ企業で重要なプロジェクトを任されていた人もいる。培ってきたスキルや経験を踏まえると、無理に環境を変えずとも、今後も十分な活躍が見込まれるような人たちです。

そのようなメンバーが、30代中盤〜後半になって「もう一度キャリアチェンジをしてでも自分のできることを増やしたい」「環境を変えて新しい挑戦をしたい」と強い想いでABEJAに参画し、試行錯誤しながら仕事に打ち込んでいる

ABEJAの平均年齢は36.6歳(2023年3月31日時点)。ITスタートアップという観点では、必ずしも低いわけではありません。ただ挑戦することに対する熱意を持っているという意味では、すごくベンチャーらしいなと思っています。

“越境人材”はABEJAで輝けるチャンスが大きい

—— 「これからのABEJAで活躍できる人」という観点ではいかがでしょうか。どのような方に仲間になってもらえると、ABEJAがさらにパワーアップできると思いますか。

「越境人材」やマルチに活躍できる「ハイブリッド型人材」の方々は、これからのABEJAにものすごくフィットすると思っています。そのようなマインドセットを持っていて、今後スキルや経験を磨いていきたいと考えている方も同様です

越境人材というのは、1つの領域に留まらず、複数の領域の知見や視点を持ち合わせているような人をイメージしています。特にABEJAにおいては「ビジネスとテクノロジーの両方の視点を兼ね備えている人」がその代表例です。

なぜ越境人材がABEJAと相性が良いのか。それはABEJAが「ビジネスとテクノロジーを掛け合わせないと価値が出しづらい領域」を、あえて攻めていると思っているからです

私たちは「ミッションクリティカル」領域と呼んでいるような、お客様のコアなビジネスプロセスにまつわる課題の解決に伴走しています。こうしたプロジェクトの多くはAIに関する深い知見と技術力が求められる上に、実用化の難易度も高い。ビジネス部門が強かったとしても、技術に対する知見や武器がなければ、お客様に対して十分な価値を提供できないと思うんです。

一方で、技術だけに特化していてビジネスの機能が弱いとどうなるか。そこまでビジネス的な難易度の高くない課題には対応できても、複雑な経営課題だとそうはいかない。特にさまざまな事業や部門、人が関わるエンタープライズ企業の経営課題は、なおさら難易度が高くオーダーメイドの解決策が求められます。

どのような分野であれ「イノベーション」を起こそうとする際には、テクノロジーとビジネスを掛け合わせて価値を出していくことが必要だと考えています。ABEJAの歴史を紐解いても、そのようにしながら成長してきました。

各々の専門領域や得意なことは異なれど、結果的にビジネスとテクノロジーの双方に対して理解や関心があるメンバーが集まっていますし、その軸は今後も変わりません。

「お客様への価値提供や貢献」に目を向けた上で、自分の守備範囲をより広げていきたい、得意な領域を一層磨いていきたいと考えている人はABEJAで活躍できるはず。反対に「そういうことにはほとんど興味がない」という場合は、別の環境の方が輝けるかもしれないです。

—— 社内で活躍しているメンバーもそのような条件に合致している人が多いのでしょうか。

スキルベースでは、特に今の経営チームが全員そうなんですよ。

岡田はコンピュータグラフィックスのバックグラウンドがあり、AIにもビジネスにも精通しています。COOの小間はエンジニアとしてキャリアをスタートしていますが、ビジネスの知見や経験も豊富です。CFOの英も専門は財務や会計などですが、前職でもIT企業のCFO経験があり、ビジネスの視点をとても大事にしています。

他の経営メンバーも含めて、全員がビジネスとテクノロジー双方の視点や能力を持っていて、興味関心の輪も広いです。

マインドセットの観点では、先ほど触れた“人材系大手企業で部長職を担っていたメンバー”がその典型例だと思います。自分が今まで持っていた専門領域とは違うところへ意図的に飛びこみたいということで、ABEJAに転職してきました

特に「AIという大きなテクノロジーの波」が来るにあたり、その流れにしっかりと乗っておくことで、これからの社会で求められる汎用的なスキルや経験が身に付くのではないか。そのような考えも入社を決めた背景にあったといいます。

社内で活躍しているデータサイエンティストのマネージャーは、データサイエンスコミュニティ「Kaggle」が開催した機械学習のコンペティションで優勝するほどの実力の持ち主です。ただ本人は「開発したモデルが、お客様のビジネスにおいてどのように活用されているのか」ということへの関心が高く、ビジネスサイドの議論にも積極的に関わっています。

会社として求めているわけではないのですが、PMや営業のメンバーでもテクノロジーとビジネスを行き来するようなかたちで、個人的にプログラミングなどの技術を学んでいる人もけっこういますね。

—— それは最初からそういう志向性の方々が入社されているのか、それとも入社後にそうなっていくのでしょうか。

両方あると思います。好奇心が高く勉強熱心なメンバーが多いのと、勉強のコミュニティが社内にあるので「そこに乗っかっていきやすい」環境もあるのかなと。

例えば専用のSlackチャンネルがあって「最近この論文が面白かったよ」とか「この内容は実務でも使えそうだからおすすめ」など、頻繁に情報交換されているので刺激を受けますよ。

マーケットが急成長しているからこそ、個人の挑戦の幅も広がる

—— 先ほど「ビジネスとテクノロジーを掛け合わせないと価値が出しづらい領域をあえて攻めている」というお話がありました。そのお話が気になったので、もう少し掘り下げて伺いたいです。

ABEJAのビジョンでもある「イノベーションで世界を変える」を実現するためには、どこかでビジネスとテクノロジーを掛け合わせなければならないタイミングが必ず来ます。そしてAIの領域はまさにそのタイミングに差し掛かっていて、産業自体が大きく変化している状況だと思っているんです。

約10年前、有名なGoogleの発表(AIを用いた猫の認識)を機に、画像診断の領域でAIへの注目が高まりました。そこから学会やコンペティションなどを通じてAIの精度がどんどん高まっていき、この技術をビジネスに活用することで世の中がどのように変わっていくのか、さまざまな企業が強い関心を持つようになりました。

それから数年が経過し、テクノロジーの発展とともに「AIに対する社会の目」も明らかに変わってきているように感じます。

—— 木下さんがABEJAに入社されたのが2019年の1月ですよね。当時と比べて環境の変化は感じますか。

全く違いますね。入社した当時は「AIはなんでもできてすごい」というイメージがまだ残っていて、「とりあえずPoCをやりましょう」といった風潮もありました

でもこの数年間で「AIはやっぱり魔法の杖ではなかった」ことがはっきりしてきて、AIで何ができるのか、自社のどの工程でAIを活用していくべきかを各企業がより高い解像度で模索するようになっています。

結果として企業が求めている水準が高まっているという側面もありますし、同時にAIの活用にしっかりと予算を設けて、本気で自社の事業に取り込もうという熱量が高まっているという側面もあります。

実はABEJAでも2019年くらいまではPoCが会社のメインストリームになっていた風潮があったのですが、岡田が突然「PoCはやめる」と言い出したんです。当時は何を言っているんだろうと理解に苦しんだのですが、彼の考えが現在のABEJA Platformを軸としたABEJAのビジネスモデルとして具体的に落とし込まれたことで、「そういうことだったのか」と後から納得できました。

常にイノベーションに向き合い続けていると、最初のうちは周囲から理解されづらいことも多いのですが、最前線でいろいろな苦難に向き合っているからこそ、見える景色が変わってくる感覚があります。

AI活用においてはPoCに留まっている企業も少なくなく、一部では「PoC死」などと揶揄されることも
ABEJAでは人とAIの協調による「Human in the Loop」の仕組みを確立。コア技術である「ABEJA Platform」とHuman in the Loopを融合させることで“ゼロPoC”の実現に取り組んできた

—— 市場の環境的にも、テクノロジーとビジネスに精通した「越境人材」の人たちが、今まで以上に自身の能力や経験を発揮しやすい状況になってきているのでしょうか。

そうなんですよ。特に大規模なプロジェクトほど、総合格闘技的な要素が出てくると思うんです。もちろんテクノロジーに対する知見も必要ですし、お客様のビジネスや業界、大企業の論理などに対する深い理解も求められます。

—— 実際にABEJAにおいても、日本を代表するエンタープライズ企業の経営課題に向き合う大規模なプロジェクトが増えてきています。

そういった意味でも、大企業などで事業の経験を積んできた中堅〜ベテランの方々が力を発揮しやすいです。

大規模な事業に携わった経験やマネジメント経験を有していると多角的に物事を見ながら判断できますし、実際に接するお客様は大企業の経営層や部長レベルの方々になることが多いので、同じ視点や経験を持ち合わせていることは大きな武器になります。

これから先は「ひたすらマネジメントだけをやっていきたい」という方にはフィットしないかもしれません。でも「社会人になって10年以上が経過したけれど、もう一度プレーヤーとして自分のスキルを本意で磨き直したい」というような人にとっては、すごく良い環境だと思います。

今までのご自身のスキルも活かせるでしょうし、その上でハードルが高いものを求められるのでやりがいもある。会社自体がどんどん成長しているので常に新しい機会があって、周りからも良い刺激を受けられます。

—— お話を伺っていて市場自体が成長しているのも大きなポイントだと改めて感じました。

ABEJAの事業が属する国内のDX市場は、2024年度まで年平均で25.4%の成長が続いていくと見込まれています。つまり自分の挑戦の幅自体も、毎年どんどん広がっていく可能性がある。AIの領域では大規模言語モデルの商用利用ニーズが高まり、社会からの関心度も劇的に変わりました。

私の前職の売上は、新卒の選考を受けていた時と退職する時を比べると約25倍に成長していたんです。社員数も100名前後だったところから、1000名ほどまで増えていました。

そのような環境に身を置いていて「会社が成長していくからこそ、自分の器も大きくなっていった」感覚がありました。今のABEJAはそのような経験が得られる、面白いフェーズになってきていると思います。

テクノロジーを駆使しながら、ビジネスのフロンティアを切り開く

—— 新しいメンバーが加わってきている中で、ポジションがすでに埋まっているということはないのでしょうか。

それはないですね。むしろ会社の成長スピードに対して、全く人が足りていないです。急成長している会社のほとんどが似たようなことをおっしゃると思いますが、本当にABEJAも同じような状況です。

—— 同じ市場で事業を展開している企業は他にもありますが、その中でも木下さんがABEJAならではの魅力だと感じている点があれば最後に教えてください。

AIを軸とした先端テクノロジーを駆使しながら、ビジネスのフロンティアを開拓している感覚が味わえるのは1つの魅力だと思います。ABEJAの場合は一つひとつのプロジェクトごとに向き合う課題が違うので、常に新しい挑戦がある。

もちろんこれまでの知見を活かせる部分はたくさんありますし、様々なシステムを汎用的な仕組み・サービスとして提供するABEJA Platformを軸にしたデジタルプラットフォーム事業を展開しています。ただそこに行き着くまでのDX推進のプロセスはさまざまなので、ABEJAだからこそ得られる経験や刺激も多いと思います。

ABEJAは、一緒にゆたかな世界を実装していく仲間となってくれる方をお待ちしています。


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