あべねぎ/隠津島神社

福島県二本松市鎮座・隠津島神社で神主をしています。神社や神道が人々にどのような幸福をも…

あべねぎ/隠津島神社

福島県二本松市鎮座・隠津島神社で神主をしています。神社や神道が人々にどのような幸福をもたらすのか、どうしたら素晴らしい人生を送れるのかを検証しています。モットーは「死ぬときに持っていけるのは思い出だけ」!

最近の記事

過疎化の止め方

は、今のところ「これだっ!」というものは存在しないかと思います。 ※以下、過疎化について自由勝手に検証していますので、どうぞ広い広い心でお読みください。 一つだけ、一つだけ私が思う打開策があります。 それは 大人が楽しそうにする。 もうこれしかないです。 国が挙げて過疎対策や少子化対策をやっていますが、目に見える効果はこれといって表れていません。 楽しそうな大人が多くいること。 もうこれだけで、ある程度の人口流出は止められると思っていますし、少なからず少子化にも効果が

    • 福島民報「民報サロン」掲載 #1

      2021年9月より12月の間、福島県の地元紙「福島民報」のコラム「民報サロン」を5回に渡り執筆致しました。 想像をはるかに超える大変多くの方にお読みいただき、たくさんの応援をいただきました。まずもって、お読みいただきました方々や福島民報社さんに御礼申し上げます。ありがとうございました。 そこで、自分の備忘録もかねてこちらに訂正前の記事を転載致します。 季節に合わせて執筆したものもあり、お読みいただく時期と季節がそぐわないかもしれませんが、そこはなんとなく流していただけれ

      • 形骸化が嫌い

        形骸化・・・本来の意味を失い、形だけが残ること。 日々穏やかに過ごすことを是して生活しておりますが、そんな自分にも苦手なもの、というより若干嫌いなものがあります。 それは「形骸化されたもの」 組織や規則から様式や価値、行事や儀式などに至るまで、自分なりに本質や目的を感じにくいものが苦手です。 最近、ブラック校則が注目されておりますが、ブラック校則もずいぶん前から形骸化されて久しいんじゃないかと思います。 文部科学省によると、校則とは「児童生徒が健全な学校生活を営み、

        • 神社スパンで考える。

          小さいころから周りの人によく言われていた言葉があります。 「歴史ある神社の跡取りって大変だね」 小さいながらに「そっか、神社って大変なのか」と思い育ってきました。 実際、神職って特殊な仕事だし、今になっても大変だなぁと思うところはたくさんあります。神職になりたてのころなんてはそれはそれは概念もギッチリ凝り固まっていて、こうあるべきだ、って思考が頭の中をはびこっていたと思います。そしてそのことが一層自分を縛っていました。 さて、私は神職になって17年になります。17年間

          神社の目的

          「神社とは」と検索すると、神道の説明が出てきたり、神社の建物について解説しているものがヒットしたり、お寺との違いが出てきたりと検索結果は実に様々です。 そのなかでも最もシンプルな「神社とは」の解は 「神道の神々を祀る宗教施設」 が一番しっくりきました。 なにしろ「神」の「社(やしろ)」ですからね。 では、どうして神社が存在するのか。 昔からあるから? 神様がいたから? だれかが建てたから? 私の答えはただひとつ。 必要だったから。 だったんじゃないでしょうか。

          神社の作り方

          「神社を作りたいんだけどどうしたらいいの?」という質問を受けたことがあります。 神社を作るとはこれまた大層な、と思うんですが、よくよく考えてみれば一昔前までは特別なことではなかったように思います。 神社=神様がお住まいになる建物 であれば、なにも昔からその場所にずーっと建っている「神の社」だけが「神社」ではありません。 会社の屋上などにあるお稲荷さんも立派な神社ですし、山の中にひっそりとある祠も神社。ご自宅にある神棚も「神の社」である以上立派な「神社」なんです。 な

          神社とオンライン参拝

          昨日のnews zeroでオンライン参拝に取り組んでいる神社について紹介されました。 そこの神社では境内にカメラがいくつか設置されていて、サイトからライブ映像を見ながら参拝できるそうです。 zeroでは「なんと神社でも新しい生活様式に対応しているんですね」といった感じで、視聴者のなかでは、神社もオンラインの時代かー、ってなんとなく思った方もいたのではないでしょうか。 では当の神社界ではオンライン参拝についてどう思っているのか。 意見は真っ二つです。 と、言いたいとこ

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          神社とサスティナブル

          最近サスティナブルやサステナビリティといった言葉を耳にする機会が多くなりました。 サスティナブルとは一体なんぞや。 サスティナブル 人間の活動が自然環境や資源に悪影響を与えず、かつその活動を維持できるさまを表す言葉。 自然環境に配慮するという意味では「エコ」「エシカル」といった言葉があります。 じいちゃんばあちゃんですらエコエコ言ってるから「エコ」はずいぶん浸透していますね。 「エコ」は環境に優しいなぁ、といったふんわりしたに意味になりますが、「サスティナブル」は人間の

          神社とサスティナブル

          心を動かすもの

          人の心を動かすことがなんと難しいことか。 カーネギーが人を動かすためのさまざまな原則を明らかにしましたが、じゃあ、それらを実践できるかって言われたらそんなに簡単じゃない。 かと言って他人を動かしたい、変えたいけど自分は変えたくないっていう普遍的な欲求もあるわけで、自分も他人も心を動かそうと思ってなにかをしたとしても、なかなかうまくいかないものです。 しかしながらそんなこともお構いなしに、あっという間に心を動かしてしまうものがあります。 それは… スポーツ! スポーツ

          「古事記」は退屈なのか問題

          この動画をご存じでしょうか。 「中田敦彦のyoutube大学」エクストリーム日本史 古事記編 いやぁ~まさか古事記で笑うとは思いませんでした(笑) あっちゃんカッコいい。 神職の私が言うのも何なんですが、「古事記」って正直とっかかりにくいんですよ。 だってこんなんがずーっと続くんですよ。 馴染みのない文字列が眠気を誘います(笑) でも古事記のストーリーそのものが読めるようになると、これがなかなか面白い。 まず発想が結構クレイジーだし、割と報われないシーンも多い

          「古事記」は退屈なのか問題

          #ゆたかさって何だろう に募集してみた。

          ゆたかさ ゆた‐か【豊か】 の解説 [形動][文][ナリ] 1 満ち足りて不足のないさま。十分にあるさま。「黒髪の豊かな女性」「緑豊かな森」「才能の豊かな画家」「国際色豊かなマラソン大会」 2 経済的に恵まれていてゆとりのあるさま。「豊かな家に育つ」「豊かな生活」「給料日後で懐 (ふところ) が豊かだ」 3 心や態度に余裕があって、落ち着いているさま。「豊かな心を育む音楽」「心豊かに余生を過ごす」 4 量感のあるさま。「豊かな花房」「腰の豊かな丸み」 5 他の語に付

          #ゆたかさって何だろう に募集してみた。

          一周回って不便益

          神社って結構不便なところにあることが多いんですけど、隠津島神社はホントに不便(笑) 住んでる人も訪れる人も不便だー不便だー言ってます。 じゃあ便利なところに住んじゃいなよ、って言われることもあるんですが、これがなかなかそうはいかないんですよね。 めんどくさいのか、意地なのか、自分の選択を肯定したいのか。 どれも正解のような不正解のような。 大学生の時に首都圏で生活していたときがありましたが、もうそれはそれは便利な環境に囲まれていましたのでとても快適でした。田舎者が都

          一周回って不便益

          直感は神さまからのメッセージ?

          突然ですが占いは信じますか? 信じるか信じないかはあなた次第です。と、某Mr都市伝説さんがおっしゃってますが、「あなた次第」とはとても面白い言葉だなーと思います。なにしろ「あなた次第」なのですから。信じてもいいし、信じなくてもいい(笑)信じる信じないを相手に委ねているので、究極のところ真実か否かなんてはどっちでもいいってことになります。ミステリーテラーとはよくいったものです。 占いも同じく信じるか信じないかは「あなた次第」なのですが、信じるか信じないか、というよりは「信じ

          直感は神さまからのメッセージ?

          参道と「歩く瞑想」

          マインドフルネス瞑想の有用性について肯定的に捉える方が増えてきました。Googleをはじめ、多くの企業でマインドフルネス研修を取り入れるようになり、最近はオンラインセミナーや瞑想用のマシンなども普及してきました。 ですがマインドフルネスの認知度はまだまだ低く、実際に瞑想を日常的に取り入れている方は多くありません。 瞑想を習慣化している人からすれば、マインドフルネス瞑想は、お手軽で簡単、しかもお金もかけずにストレスを緩和したり、日頃の体調管理をできる、大変コスパのいいリフレ

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          お守りの有効期限はいつまで論

          最近、いろんな神社のご社頭を拝見すると、とても個性豊かなお守りの種類が増えてきたように感じます。 以前は「ザ・御守」のようなフォルムのものが当たり前でしたが、今はご利益ごとにいろんなお守りがあります。交通安全、学業成就、厄除け、身体堅固、安産祈願など定番のものもあれば、旅行安全、スポーツ成就、美人祈願、的中祈願など、じつにバラエティに富んでいます。 定番のお守り、例えば学業成就のお守りのなかでも、合格祈願に特化したもの、さらには合格=5角で絵馬にしたものなどカテゴリーが細

          お守りの有効期限はいつまで論

          神社は長い間、全く変化せずに存在してきたのか。

          当「隠津島神社」は西暦769年(神護景曇3年)に勧請(創立)され、今年で1251年を迎えました。 よく驚かれる方が多いのですが、神社やお寺の世界では創立されて1000年とかはそれほど珍しくありません。それに時間軸があまりにも長いので私自身も1251年とか言われても今だにピンと来ていません(笑) ただ、一般的な企業などの組織の歴史と比べるとやはり1000年はあまりにも古い歴史であると感じざるを得ません。 さて、2020年は何が起きなくても世界のシステムや秩序が大きく変わり

          神社は長い間、全く変化せずに存在してきたのか。