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「禁断」の香り

昨日は、調香師Chiyo主催の「Perfume Artist Class 入門編」でした。
そこで、オリエンタルノートの名香としてご紹介させていただいたのが、DANAの「TABU」。

私は幼い頃から父の影響で美輪明宏さんが好きで、美輪さんの演劇や舞台にたまに足を運んでいました。
彼のプロデュースの舞台では幕の緞帳にこの「TABU」の香りがたっぷりと染み込ませてあり、幕が開くとその香りが辺りにどんっと豊かに漂い、ステージの幕開けをゴージャスに彩ってくれる小道具として使われているというのも、彼のファンにとっては有名な話です。

余談ですが、この写真の「TABU」、実はたまたま母が何十年も昔に購入したものをずっと大切に持っていて、私に譲ってもらったというChiyo家の中でも歴史(?)のあるものです。香りに関するもので、大切に受け継がせてもらえるものがあって、とても嬉しい気持ちで大事にしています。

TABU


さて、1932年に発売されたこの「TABU」。
ブランドの創設者は調香師に、「衝撃的で価値のある香りを作ってくれ」と依頼したそうです。
シンプルだけれどとても個性的な香りは、落ち葉のような樹木の香りパチュリをメインに、わずか18種の香料で作られているとのこと。

80年代以降に主にオリエンタルノートの香りは流行となり、一世を風靡するする名香(以前ご紹介したゲランのサムサラ、YSLオピウムなど)がたくさん生まれるのですが、パチュリをこれだけ濃く使用したオリエンタルノートなものは1930年代当時は斬新だったようです。

バイオリンの形をしたボトルも特徴的なのですが、当時のイメージビジュアルも素敵で。
"あまりに魅惑的な匂いをさせているので、聴衆の前ということを忘れ演奏中に、隣にいる恋人にキスをするバイオリニスト” が描かれているそう。

禁断・タブーというと、少しダークなイメージがありますが、それだけの魅惑、魅力に抗えない香り、というコンセプトがちょっと茶目っ気があってかわいいなと感じます。

あなたが本当は試してみたい、表現してみたいタブーとしていることにチャレンジしたい時に、こんな香りを纏ってみるのも素敵かもしれませんね。

【書き手】
Chiyo/月詠み調香師
https://ablxs-fragrance.com
https://www.instagram.com/ablxs_official/
1985年東京生まれ。フレグランス・化粧品に特化した美容ライター業、百貨店オーガニック化粧品ブランドのセールスマネジャーを経て調香師になるという、女性の美・悩みにまつわる様々な経験を持ち、クライアントに最適な製品を提案するカウンセリング力も強み。
2012年にブランド創業。2020年に(株)アブラクサス創立。香りの文化を広めるべく、一般の方へ向けた調香の基礎を学べるクラスも展開中。20歳のころより学びを深めてきた占星術・タロット研究の知識を取り入れ、今の心の状態に寄り添う香りやセッションを提供している。

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