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70年代、流行った洋楽。〈メリー・ホプキン〉

当時、FM放送の開局を追うようにはじまった『ポップス・ベスト10』などの番組で毎日のように聴いていた洋楽。自然とおぼえて口ずさんだりしていました。今、あらためてYou Tubeで聴くと思い出がよみがえるだけではなく、半世紀も前の曲とは思えない新鮮さと輝きにおどろきます。

70年代にはこんなことがありました。

 メリー・ホプキンと聞けば、まずおもいだすのが『悲しき天使』です。古くからあった曲らしいですが、もの悲しい曲調はホプキンの透明感のある声質に、すごく合っています。
 この邦題、清楚で可憐なホプキンを「天使」になぞらえた発想からでしょうか。この言葉・イメージに、どうも日本人のハートは震えるのかもしれません。
 


悲しき天使 [日本語訳・英詞付き] メリー・ホプキン
Those Were The Days/Mary Hopkin(1968年)

 彼女、イギリスは「ウェールズ」の出身です。自然豊かな土地や独特の文化が特徴で、英語のほかに、ケルト語族に属する「ウェールズ語」を話す人々。かつて、他民族からの侵略にも屈しなかった誇り高い人たち。彼女にもケルトの血が流れているのですね。
 以下、リリース順に彼女の歌った楽曲をたどります。「OLD WAVE」さんのブログから多くを引用させていただきました。感謝いたします。

メリー・ホプキンはビートルズのアップルレーベルからデビューした歌姫♪♪~♪その清涼な歌声、清楚なイメージ、可憐な容姿で歌われる楽曲の素晴らしさを忘れられない皆様は、きっと大勢いらっしゃると思います。もちろんサイケおやじも、そのひとりですよ。まずは1968年、18歳でのデビュー曲「悲しき天使 / Those Were The Days」の世界的な大ヒットから始まり、続く2枚目のシングル曲「グッバイ / Goodbye」までがポール・マッカトニーのプロデュースというのも、凄い話題になっていました。

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グッバイ /メリー・ホプキン
Goodbye/Mary Hopkin(1969年)

『悲しき天使』の次のヒット曲です。曲調がガラッと変わった印象を持ちましたが、これも好きになりました。ポール・マッカートニーの影響というか、アレンジにそのあたりを感じます。

メリー・ホプキンの歌の実力は素晴らしく、ウェールズで生まれ育った彼女は15歳の時から既に地元ではセミプロとして活動しており、テレビのタレントスカウト番組に出演して優勝したことから、ポール・マッカートニーに見出されたというのが略歴です。

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……忽ち人気歌手となったメリー・ホプキンも、本音は芸能界の体質に馴染めなかったと言われ、実際、ほどなくポール・マッカートニーとの仕事関係は打ち切りとなりますが、その真相には当時のアップルレコードやビートルズの内部事情に関するゴタゴタ、さらに生臭い人間関係があったのは、ここではあえて書きませんが、言わずもがなでしょう。

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夢見る港/メリー・ホプキン
Temma Harbour/Mary Hopkin(1970年)

 このビデオ、今から見ればちょっと不思議な雰囲気の当時のダンスがたのしいです。ハッピーな気分に満ちあふれた楽曲です。このあたりから彼女の個性というか、音楽の志向が表に出てきたのでしょうか。

1970年初頭に発売されたのが、本日ご紹介の爽やかな名曲で、アップルからは通算3枚目のシングル盤♪♪~♪ 英米はもちろん、我が国でも春から初夏にかけて大ヒットしていますが、特筆すべきはプロデューサーがミッキー・モストに替っていることです。

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しあわせの扉/メリー・ホプキン
Knock Knock Who's There/Mary Hopkin(1970年)

 あゝ、彼女の笑顔がまぶしいです。つづいてリリースされたこの曲も明るくて、つられて歌いたくなる私の大好きな曲ですが……。

そしてこの路線は同じくミッキー・モストがプロデュースしたシングル曲「幸せの扉 / Knock Knock Who's There」へと受け継がれるのですが、個人的には、それは行きすぎ……。

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ケ・セラ・セラ/メリー・ホプキン
Que Sera Sera/Mary Hopkin(1970年)

この有名なドリス・デイのヒット曲のカバーは、もちろんポール・マッカートニーのプロデュースによるもので、ポール自らがベースとギターを弾き、リンゴ・スターまでもがドラムスで参加! さらに原曲には無いメロディパートも付加したという傑作バージョンなんですが、メリー・ホプキン本人には最悪の仕上がりだったとか……。

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サン・エティエンヌの草原/メリー・ホプキン
Fields Of St. Etienne/Mary Hopkin(1970年)

 彼女、聴かせますね。語るようにしみじみと、心に沁みるいい歌です。

メアリー・ホプキンの代表作をもう1つ、シャンソン風の印象深い楽曲をご紹介します☆スコットランド出身のあるバンドが書き下ろした、美しき”反戦歌”。私はトワ・エ・モアの白鳥さんによるcoverをお聴きしたのが最初で、今回初めてメアリーのオリジナル版に出遭いました。

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サン・エティエンヌの草原/シボーン・オーウェン
Fields Of St. Etienne/Siobhán Owen(2012年)

 シボーン・オーウェンのカバー動画に出会いました。1993年 10月 4日 (29 歳) · ウェールズ生まれ。そう、メリー・ホプキンの同郷の歌手です。
 そのためでしょうか、メリーホプキンとよく似た雰囲気があります。

メリー・ホプキン Mary Hopkin/未来の子供たちのために
Think About Your Children (1970年)

ちなみに当然というか、メリー・ホプキン自身にとっても、やはりポップ路線は居心地が悪かったらしく、仄かにゴスペル調の入った隠れ名曲「未来の子供たちのために / Tink About Your Children」を出した後には、ミッキー・モストとも決別しています。

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愛の喜び/メリー・ホプキン
Pleserau Serch (Plaisir D'amour)/Mary Hopkin
1970年)

 1969年にライヴで歌っています。冒頭「美しいフランスの曲で、私の好きな曲」と紹介している通りなのでしょう。弾き語りでしっとり歌い上げていきます。70年には、大阪万博のために来日して歌ったエピソードもあります。ここでは、フランス語と英語で歌っています。


For All My Days/Mary Hopkin (1971年)

 小説『宝島』『ジキル博士とハイド氏』などで有名なイギリスの作家、R.L.スチーブンソンの小説『誘拐されて』 Kidnapped,。そのオリジナル・サウンド・トラック『FOR ALL MY DAYS』(ロイ・バッド作曲)は彼女の歌唱です。
 どこか、郷愁を誘うメロディに彼女の歌声が重なって、なんとも心地よい気分にひたる思いがします。


愛の賛歌
MARY HOPKIN - "If You Love Me" (promo video, 1976)

 すこしお痩せになったというか、大人の雰囲気が漂っています。こちらは、1976年の映像ですから彼女25歳か、26歳のとき。相変わらずお美しいですね。


 彼女、2022年つまり今年、71歳にして新譜CDを出したとのこと。10曲のうち1曲目は娘との共作ですが、残り9曲は自作自演、作詞・作曲・編曲・歌唱すべて彼女のもので、創作意欲がすごい。
 T.レックスの有名なプロデューサーであるトニーヴィスコンティとの結婚(その後離婚)で一男一女をもうけ、二人ともミュージシャンとのことです。



※アンジーさん さんの画像をお借りしました。


青春

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