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架空の劇団第17回公演「露と答へて~鬼の業平 仏の双六~」の企画書に書いたもの

コンセプト                              
今回の作品は、架空の劇団が誇るもう一人の座付き作家、高橋拓による新作です。2013年11月に上演された「まるで血を塗ったような月が降りてくる~月下の一群 亜米利加編」以来、2年ぶりとなります。
これまで、高橋は、詩人をモチーフとした『月下の一群シリーズ』のほか、歌人や歴史上の人物などが登場する作品を得意としてきました。
今回は、2009年8月に上演された「風流怪談シリーズ」のPARTⅡということで、伊勢物語で有名な在原業平を取り上げます。
作品の各所にちりばめられた業平の和歌と、現代を生きている若者の忘れられない思いが交錯し、そこに、いつの世も変わらない男と女の切ない物語が繰り広げられます。
演出は架空の劇団代表のくらもちが手がけ、繊細かつ大胆に作り上げている真っ最中です。
出演者、スタッフも様々なメンバーが揃いました。架空の劇団オリジナルメンバーの他、常連、はたまた久しぶり、そして初出演など、多彩なキャストの個性をお楽しみいただけます。

あらすじ                               
 とある日本のバー。そこでは、とある男が不機嫌そうにグラスを握っていた。そこへ、意味ありげに笑みを含んでいる男がやってきて、とある禁断の酒を勧めてきた。そしてその男はこう言う。「これは、心の薬です。」と。
 その優男に酒を注がれるままに、男はどんどん飲んでいく。まるで死に急いでいるかのようにどんどんどんどん酔っていく。
 鬼も仏も区別ができぬようになった頃、男は双六遊びを持ちかけられる。命と人生をかけた人生ゲーム。勝つか負けるか運次第。そして、そのゲームが終わったあと、男はあるものを手に入れる。その、あるものとは…。
 すでに亡くなっている人物と、生きている登場人物とが交錯し、いつの世も変わらない男と女の切ない物語が時空を超えて繰り広げられる。

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