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【詩】 日々の器

一杯の盃に注がれた清酒
一掬いの滋養
一粒の米粒
一滴の波紋…


日常に住む様々な恵み

見え隠れする表情のない佇まい


炎に操られ

水を巧みに吸い

空間に座り直し

技巧に集約された

普遍の真理


光の移ろいに姿形を変え

全ての慈しみを受け止め

気付かぬ隙間に
     気付く隙間を
          垣間見せる
 

何と堂々とした事か

 
拍子抜けた程に面様の無い

くたびれた形相


吸いつくした

積年の生活の垢が
     ズシリと風情を

豪壮に
朴訥に

据わりを良くする

何と潔い事か…


その

清濁併せ飲む
    その誇りこそが

素晴らしいのか


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