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【詩】 概念

春が過ぎていく
眩い太陽 
鮮やかな色彩 
ほのかな香り 
全てが流れていく


目に見える事・もの
全ては存在している
言い換えれば
思い出しているという事でもある

存在が不確かなゆえに
血の通った鼓動に耳を塞いでいた
あの雨音
あの音楽
あのリズム…
気付かないだけだった

春は忘れようとしている
何もなかった事を

全ては何もなかった
それすらも忘れようとしている


四季が移ろうように
ここにいることさえも
春は言葉にできないでいた
そう…

あるようでないという事実

結局は間違いではなかったのかもしれない

時という概念の不確かさを

ひたすら春の薫りは爽やかで

陽光は全てを必要に照らし出している

今しかない事

時間は美しい



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