嵐の月曜日
働く。
人間生きていると必ずではないが、働かないと生活できない。
まぁ必ずではないけど。
会社勤めだろうが、自営業だろうが、公務員だろうが、アルバイトだろうが全ての行いは「働く」という言葉に当てはまるのだろう。
働いて給料を頂き、生計を立てる。
極めてシンプルなことだ。
そして働く日があれば休みの日もある。
これも極めてシンプルなことだ。
休みはゆっくりと。
体を休めて…。
お疲れ様です!
休みが終われば次の日から再び仕事だ。
月曜~金曜勤めの方、シフト制の方、在宅勤務や、アルバイトの方と様々。
何にせよ、どのような働き方だろうが休み明けからの事を考えて気持ちを切り替えないといけない。
「サザエさん症候群」
そんな言葉を聞いたことがある。
サザエさんが放送されるのが日曜日の夕方。
それを見ながら暮れゆく日曜日を後にし、次の日から始まる仕事や学校が憂鬱になることを「サザエさん症候群」というらしい。
土日休みの社会人の方に当てはまる言葉だが、その心はきっとどの働き方をされていても一緒か。
「ブルーマンデー症候群」とも言うらしい。
まぁ、似たようなニュアンスなんでしょうね。
ブルーなマンデーのことを海の向こうでは、多分そう言うんだろう。
逆に燃え盛る情熱を抱えるかの如く、熱い月曜日を迎える方もいらっしゃると思いますので一概には言えないが。
燃え盛る情熱…「レッド・マンデー」とでも呼ぶのだろうか。
スミマセン。
「ブルー・マンデー」を迎え、時間が転がっていけばその心境は楽な方向に向かっていくのか。
どうやらタフな状況は月曜日だけではないらしい。
月曜がそんな感じだったら火曜日も似たようなものだ。
むしろ仕事の疲労は溜まったり、刻々と変わる状況にタフさはよりハードになっていくらしい。
水曜日には疲労はピークに、それが木曜日には徐々に感覚が楽になったり。
迎えた金曜日には来る週末のことを考え、気もソワソワしてその日の晩は「福沢諭吉」も嬉々として世間を往来しているのではなかろうか。
まあ、んなことはたまにですよね。
週末は自分の時間を過ごしたり、出掛けたり、恋人と過ごしたり、家族サービスしたりとまあ多分こんな感じなのだろう。
そして日曜日の晩には再び次の月曜日の事を考え「ブルー」(レッドの人もいる)なフィーリングが心に忍び込んでくる…。
なるほど、どうやら「ブルー」なのは月曜日だけではないみたいだ。
この心境を例えて言うならば、「ブルー」をさらに拡張して「嵐」って表現もあながち間違いじゃないのかもしれない。
「ストーミー・マンデー」
荒れもようの月曜日。
そうとも言える。
1948年、T-ボーン・ウォーカーことアーロン・ティーボ・ウォーカーが「コール・イット・ストーミー・マンデー(バット・チューズデー・イズ・ジャスト・アズ・バッド)」と長いタイトルで発表した「スト―ミー・マンデー」。
ジャジーな響きと、浮遊感に満ちたオシャレなコード展開やギター・ソロにサックスなどを加え、アーバンな雰囲気が特徴の「ストマン」はヒットを飛ばした。
以降様々なブルースマンがカヴァーし、ブルースのスタンダードとして定着してゆく。
バンド演奏などで「ストマン進行」といえばこの曲のコード進行の事を言うそうだ。
曲でTーボーンは「ブルー」な月曜日を「荒れもよう」のようだと歌い、何もそれは月曜日だけじゃないのさと切り出す。
労働のことを内容にした歌。
レッド(?)な人もいることを承知で書かせて頂くが、まあ働いていれば色々とあるもんだ。
どうやらそれはいつの時代も変わらないらしい。
酸いも甘いもあるわけなんですよ。
月曜日に嵐を迎え、火曜日も似たようなもんで水曜日、木曜日もそんなもんさ…。
迎えた金曜日、週給で支払われる仕事では金曜日にお金が支払われる。
「ワシ」は「イーグル」で、ドル札に描かれた「ワシ」のことを指す。
金曜には「ワシ」が来て、土曜は遊びに行くわけなんですよね。
その描写はいつの時代も変わらない気がする。
少々の羽目を外し、迎えた日曜日。
主人公は教会に出向き一人お祈りを捧げる。
その祈りには何を考えているのだろうか。
その境遇を嘆いているのは身辺のことや仕事のことではない。
どうやら元彼女のことのようだ。
フラれて多分まもないのか、もしくはそれが忘れられないんでしょうね。
そこを不幸のどん底と表現し、神様に慈悲を乞うている姿は何とも情けなく(失礼)、切ない姿を想像させる。
ただ、祈りの内容は「荒れもようの月曜日」ではなく、「あの娘」というのがミソなんでしょうね。
境遇を嘆いているわけではなく、自らの恋愛模様を祈ってるわけで…。
きっとこの姿は昔も今も変わらないんだろう。
っというか何だか平和的な「ブルー」のフィーリングを感じさせる。
きっとそれが大切なことなんだと思う。
一人の男の月曜日から始まる哀愁を歌った、ある意味「不変」の心象を歌った曲はその後B.B.キングなどにも影響を与える。
洒脱なサウンドに乗って繰り出される、一人の男の勤め人としての憂いと、過去の女性を思う哀愁を乗せた楽曲「ストーミー・マンデー」。
ギターを弾くブルース・シンガーが多い中、自らの歌声一筋で長きに渡って活躍した歌手、「ボビー・”ブルー”・ブランド」。
ゴスペルの影響も受けた迫力ある声に、剛柔併せ持った歌唱法で聴かせるボビーの「ストーミー・マンデー」。
その味わいもまた、時を越えた不変の味わいを感じさせてくれるだろう。
曲に潜んだ洒脱さと浮遊感が都会に生きる男の「哀愁」を見事に表現したブルース・ナンバー。
よろしければ御一聴あれ。
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