【SS】ツノがある東館
まっ白い光に包まれた。
全身に電流が走り、発生したジュール熱は、侵入者の意識を蒸発させた。
「魔王様。セキュリティの強化に、ツノがある東館を増築しませんか。」
「なんだそれは。」
「古代文明に、避雷針という技術がありまして。」
「避雷針?」
「それは、雷を引き寄せるのです。」
「ほう、詳しく話してみよ。」
「まず、噂を流します。魔王様のところに至るには、東館のツノの先端で雷神の剣を掲げねばならぬと。」
「雷神の剣?ああ、持ち主が焼け死ぬ使い物にならぬあれか。」
「剣は麓の村