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彼のこと #呑みながら書きました

わたしはそれでも彼のそばに居たいと思う。つくづくそう思う。

これが彼にどこまで通じているかはわからない。そもそも彼は自分自身ですら信じてない人なので、わたしのことを信じろというほうが無理だからだ。でも、彼のそのスタンスでもわたしのことが邪魔だと思わないなら、わたしはそばに居続ける。

だから時々確認する。
「わたしに対して、お前なんやねん!って怒ることはないの?」と。

彼は言う。
「あるけど、言うても変わらないのはわかってるし、なんなら自分もそうやし。だから言わんだけ。まぁいいかって思う範囲だったら余計に言わん。」

ふと、ドラマ『silent』の最終回のセリフを思い出した。

人それぞれ違う考え方があって
違う生き方をしてきたんだから
分かり合えないことは絶対ある
他人のこと可哀想に思ったり
間違ってるって否定したくなる
それでも一緒にいたいと思う人と
一緒にいるために
言葉はあるんだと思う

silent 紬ちゃんの台詞

話し合うことも大事だし、言葉にすることも大事だけれど。彼の意見もごもっともだと思った。それで敢えて喧嘩をする必要もない。これは彼のあきらめではないな、と実感もする。

子どもの頃から世の中に対して斜に構えている

サンタクロースも信用しない子どもだったと彼は言う。
「そもそも、どこの馬の骨ともわからないじぃさんがなんか持って家の中にこっそり侵入してきて、子どもの枕元にまで来るって、普通で考えたら犯罪やろ」というのが彼のご意見。
発想が面白すぎるけど、確かにごもっともと思う。

昔は部活の先生にまで「そんな世間を見下すような見方をするな」と怒られたと言っていたけど、どうやら今でもずっとそうらしい。だから彼にとってはイベント事は何一つ興味がない。何なら自分の誕生日ですら。

喜怒哀楽の喜と楽がほぼない

今まで生きてきて、強烈に楽しいとか強烈に嬉しいとか、面白過ぎてヤバいとか、思ったことが一度もないと彼は言う。でも確かに、そういう話を彼から聞くことは一度もない。斜に構えた生き方を50年以上すればそうなってしまうのかもしれないけど。

でもだからといって、わたしも言われてみれば単純なことでの喜怒哀楽は多数あるが、人生で鳥肌が立つほど喜んだことや嬉しかったことってないかもしれないと思うのだ。

人と共同生活ができない、それが親であっても無理

だから結婚には向いてないという。彼自身、ホントに一人がいいと思っている。居候は居候なりに気を遣っているらしい。それはよくわかる。彼は自分の母親が自分の家に泊まりに来るのですら落ち着かないといつも言っている。

そんな彼が居候なりの遠慮と共にわたしの家にいるのはなぜなのか?という謎だけは解けないが。大阪でも一人暮らしはできるし、と彼自身も言うが、一人暮らしをするメリットがないからだと言っていて、共同生活ができない自分のマイナスな面を押さえてでも居候をしているということは?…と、最初の話になるのだ。

そう、まぁいいかと思っているのだ。

***

なので改めて彼に聞いた。

「そんな貴方が彼女を作ろうと思ったのはどうして?」

答えが返ってきた。「生存確認。男友達はさすがにそこまでやってくれないから」

この人もやっぱり人間だなと思えた瞬間。普段の会話からにじみ出るかわいさや、夜中にひとりで起きてるのは嫌だからという理由で自分が目覚めたら必ず起こしてくるところ等が一気に想起されて、これだけいろいろ屁理屈を言おうとも、わたしはわたしを頼ってくれる人が好きだし、わたしも彼にわたしの生存確認してほしいと思ってるし、同じだなと思った。

だからこそ、彼がなんといおうとも、彼が「うざいから消えてくれ」と言わない限りはそばにいたいと思った。この年齢になってここまで似たように思える人は見たことがないから、もう出会えないと思うと尚更のこと。

***

そんな彼は自由奔放にクリスマスイブの朝に仕事で名古屋に行き、クリスマスは散髪のために東京へ帰って、さらに部屋の掃除などしている。通常営業だ。もちろん、そんなわたしもクリスマスイブもクリスマスもランニングをし、適当に食事を済ませ、クリスマスらしきことは何もしないで終わっている。やはり似た者同士だ。

なんだか半年に1回ぐらいこういうネタを書いてる気がしてきた。気のせいかな。呑みながら書いた割には意識がはっきりしてるので全然打ち間違えなかった。むむ。

#呑みながら書きました

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