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温かい目がスタンダードであればなぁ。

左目がただれて、痛痒いたがゆい…

花粉症で目が痒く、肌が荒れているのかと思ったら、どうやら花粉のせいだけではなかった。

昔から何度もかかっているヘルペスだ、これは…と今朝やっと気づき、近所の皮膚科に行くことに。専用の飲み薬を飲まないと、治りが遅く、見た目的にもつらい。またネガティブな被害妄想を発動してしまう。

午後の皮膚科は空いていて、待ち人数が3名ほどだった。

私の前の番号札を持っている、すらっとした真面目そうな30代男性が、3歳くらいの男の子と1歳くらいの女の子を連れていて、

「すみません、どのくらい待ちますか?」
と受付の女性に聞いていた。

受付の女性がいわく、処置の患者さんがいて、ちょっとお待ちいただくかもとのこと。

その間に、そう広くはない待合室で、3歳と1歳(勝手な推測)の兄妹がくるくる歩き回り、とても愛くるしい。

お父さんは、なぜかチラッとこちらを見て、

「子どもらが落ち着かないので、ちょっと外に出てきます」と受付の方に告げた。

「あんまり遅くなると順番が回ってきて、もし、いらっしゃらない場合は、次の方をご案内することもあります」と受付の女性が淡々と説明している。

お父さんは、少しイラついたように「あぁ、わかりました」と言いながら幼子2人を連れて出て行った。

皮膚科を見回すと、おもちゃはおろか、絵本も1冊もないもんね…と残念な気分になる。
確か、コロナ禍で撤去されたまま。

この皮膚科はずっと「極力マスクをご着用ください」なんて表に貼り出していて、逆にちょっと珍しい。感染症対策の優先度が高いんだろう…。

5分もせずに親子は戻ってきたが、
お父さんは周りを気にする様子で、子どもたちに、座りなさい、と言い続け、スマホを出して見せ始めた。

「周りから白い目で見られないように対策は自分で取ります」という雰囲気が出ているような気がした。いや、わかるよ。わかるからつい目で追っちゃうんだよな。

私も、子どもが待つのに飽きてぐずり出したときは、スマホを見せていた時期があった。しかも、さらに人目を気にして「今どきの母親は」みたいに言われたくなくて、撮った写真を見せたり電卓を触らせるだけに留めたりして。そんな一部始終、誰が見てるっていうんだ。

そのお父さんに、「大丈夫ですよ、誰も迷惑がってないですよ」とつい声をかけたくなる。

歩き回ったって別にいいし、おせっかいな大人が子どもに温かい眼差しを向けるのが常であればいいのにね…
だけど、そういう他人のおせっかいを受け取りたくない保護者もいるのよね…

多様性、不寛容、自己責任。そんな言葉が自分のなかでぐるぐる回り出し、どうにも収拾がつかない。

少しずつ増え始めていた待合室の大人たちは、みんな下を向いて、スマホを見ている。私もだ。

スマホを見るのをやめて、男の子のことを見ていると、お父さんの陰に隠れたかと思えば、すぐにこちらを見る。それをしばらく繰り返した。可愛い坊やと、左目のただれたニヤニヤおばさんの、目だけかくれんぼ。

姿見をなめている女の子と床に座り込んでいる男の子に、お父さんがやめなさい、と何度も注意している光景を見ていたら、我が子たちに早く会いたくなってきた。

人の子には寛容になれるのに、自分の子には、ついね…

自分の子育てを振り返りながら、雨の降る中、園児2人を迎えに行った。

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