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自我がしていることに対して笑って見れるようになるために


一歩下がる、一歩退く

この世界から手を引く。

この人生から手を引く。

この自分から手を引く。

私たちは最終的そのようになっていくわけですが、それは、形態のレベル、行動のレベルのことを云っているのではありません。

それを形態のレベルと混同するならば、まったく意味のないことになるどころか、トンチンカンなことになってしまいかねません。

そして、そういうことは、これまでの歴史上でもほとんどの求道者(スピリチュアリスト)たちがしてきた間違いだと言うことができます。

いわゆる、「世俗を離れる」とか、「出家する」とか、「人里を離れる」とか、そういうことをしても何の意味もないということです。

あくまでも、これは、心のレベルにおける訓練なのだということを忘れてはなりません。

この世界から手を引く。
この人生から手を引く。
この自分から手を引く。

とは、どういうことなのか?

というなら、この世界を、この人生を、この自分を、これまでとはちがう目的で使っていくということです。

つまりは、この世界を教室としていく、この人生で経験していくすべてをレッスンとしていく、ということです。

具体的な実践でいうなら、それらすべてが虚偽(非実在)であると分かる視点から見ることをしていくということです。

そして、その具体的な実践を、「赦し」と呼んでいるということです。


”赦しは、じっと静かにしていて、何もしない。” (W-pII.1.4:1)

奇跡講座/中央アート出版社


その実践は、この世界で知覚しているもの、体験しているものをただむやみに否定していくようなこととはちがいます。

その実践は、「すべてが虚偽だと分かっている視点」から見ることをしていきます。

それを、コースでは、「聖霊と共に見る」というふうな言い方をしています。

私たちはその視点をすっかり忘れてしまっているわけですが、その視点を思い出すためには、今自分が見ている見ている見方は間違っているということを受け入れる必要があります。

自分は何もわかっていない、ということを受け入れていくということです。

それは、この世界のゲームから手を引くということでもあります。

言い換えるなら、それは、人生という妄想ゲームを実在させることに加担することから手を引くということであり、

それは、個別性、特別性を強化するゲームに加担することから手を引くということを意味します。

「赦し」とはそういうものであり、その「赦し」を修得することを目的として、訓練していくということです。

何度も申しますが、それは、この世界や、この世界で経験していることをむやみに否定していくような実践ではないということです。

自分が知覚しているもの、自分が経験しているものを、「幻想だ、何も起きていない」と否定していくならば、まったく何の意味をなさない実践になってしまいます。


”そうする者たちは、否定の中でもとりわけ無価値な形の否定に携わっていることになる。”(T-2.IV.3:11)

奇跡講座/中央アート出版社


そうではなく、自分が知覚しているもの、自分が経験しているものをちがう目的で見ることをしていくわけです。

自分の考えや自分の知覚から一歩引いた(退いた)ところから、言い換えるなら、自分の価値判断(ジャッジメント)を手放したところから見るということです。

そうしていくとき、私たちは一歩退いたとことからすべてを俯瞰している視点を見い出すようになっていきます。

そして、その視点に戻っていくとき、自分が自我と同一化していたことが認識できるようになっていくだけでなく、その自我の思考体系の狂気さ、愚かさも認識するようになっていきます。

そう、その自我を認識していく(正視していくこと)ことがとても重要なのだということです。

そしてコース学習者の私たちはその自我を咎めずに見る(聖霊と共に見る)という訓練をしていくのだということです。


感情について

私たちはコースの実践において「一歩下がる」「一歩退く」ことが求められているわけですが、実際のところ、その実践はそう簡単ではありません。

というのも、それを実践しようとするとき、それに対抗するかのように、自我のゲームに縛り付けようとする強力な誘惑を実感することになるといえます。

その強力な誘惑こそが、「感情」というものです。

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