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クリスティーズジャパン山口桂とアクセンチュア インタラクティブ内永太洋が語る!アートとビジネスの ”価値” の源泉とは?

※過去記事のアップです(2019年7月4日)

アクセンチュアではアート人材を含む多様な人材がAIT(アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京)などの拠点で日々イノベーション実現のため奮闘しています。

今回のイベントは、ズバリ「価値とは何か?」について迫ります。

そんな根源的な問いに答えるべく集まったのは、アートオークションの殿堂クリスティーズジャパンの代表取締役社長である山口桂氏と、シリアルアントレプレナーとして企業の価値実現を追い続けるアクセンチュア インタラクティブ日本統括内永太洋氏の両名。進行役を芸術部代表幹事の石村真理絵が務め、7月4日に行われた熱いトークセッションの内容をお届けします!

(参考:レオナルド・ダ・ヴィンチ サルバトール・ムンディ )
Text : Ken Suzuki / Photo : Jun Honda


<目次>

1.レオナルド・ダ・ヴィンチ≪サルバトール・ムンディ≫が508億円で落札されるワケ
2.アートの投機性
3.価格=価値?
4.企業の価値はどうやって生み出されるのか
5.人は何にお金を払うの?
6.クリスティーズ/アクセンチュアの価値とは

1.レオナルド・ダ・ヴィンチ≪サルバトール・ムンディ≫が508億円で落札されるワケ

セッションの冒頭では、2017年11月に行われたクリスティーズオークションの映像(約8分)を鑑賞した。

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品≪サルバトール・ムンディ≫がアート作品としては世界最高額である約508億円で落札される瞬間を収めたその映像からは、現場のヒリヒリとした空気、価格が吊り上がるにつれて高まる会場のボルテージがひしひしと感じられた。

なぜ本作品がこうも高額で落札されるに至ったのか?“価値”の本質に迫る。(映像はこちら

(左)クリスティーズジャパン代表取締役社長 山口桂氏
(右)アクセンチュア インタラクティブ日本統括 内永太洋氏

石村 「率直に言って高い…ですよね?」

山口 「確かに高額なんですが、僕がいつも思うのは、古美術やマスターピースって、その価格を制作時から日割りで計算すると、現代美術の価格を日割りした場合と比べて、圧倒的に安いんですよね。ただそこには何百年と人類が積み重ねてきた歴史の価値という重みがあるんですよね。

内永 「僕もよく美術品を買ったりするんですが、クリスティーズのような大手のオークション会社で買うとPrice Indexを下回ることはないって聞きます。500億で落札されれば、それをベースにマーケットの価格が形成されていくってことなんですが、ほんとなんですか?」

山口 「うわさに過ぎないですね(笑)ただ、古いものは歴史によって価値づけがなされていく。その点ジェフ・クーンズや村上隆などコンテンポラリーアートの価値はほんの数十年の間に価値づけされただけなので、将来どうなるかは誰にもわからないですね。逆に価格が跳ね上がることもあるんですが。」

石村 「現代アートマーケット自体がすごく高騰しているというのもあるんですが、こうしたマスターピースがびっくりするような価格で落札されることを考えると、歴史による価値づけというのがよくわかりますね。」

山口今の現代美術マーケットは、すごく短期投機的ですよね。ただオークションの歴史を紐解くと、有名なプライベートコレクター等の手に渡ったものが高額で落札される傾向にありますね。その所有の歴史が長ければ長いほど、所有者のネームバリューが高いほどその傾向は顕著です。」

内永 「僕はそこにマッチポンプ(自作自演)的な現象を見ることがあって、Price Indexって前のオークションのIndexが参考値になりますよね。ただその参考値を釣り上げているのもキャピタリストで、価格が上がりきったところでExitしていく。作家・作品の認知が上がるほどインフレしていくんでしょうね。

2.アートの投機性

「俺は時の洗礼を受けてないものを読んで貴重な時間を無駄に費やしたくないんだ。人生は短い」

村上春樹の著作『ノルウェイの森』には、主人公の先輩として古典文学しか読まない人物が登場する(これがまた切れ者…!)。

山口氏も同様に、古いものは歴史によって価値づけがなされていくと語るが、そんな彼は投機目的で価格が高騰する昨今のアートマーケットをどのように見ているのか。実際に作品を購入している内永氏もまた、自身の体験を基に語った。

村上隆 ≪My Lonesome Cowboy≫
©2019 Artnet Worldwide Corporation. All rights reserved.
(参考:運慶≪木造大日如来坐像≫)

石村アートの投機性というお話がありましたが、歴史を投機性が上回った例として2008年のオークションの例が有名かと思います。この国宝級の運慶が14.3億円で落札された3か月後に、村上隆さんの≪My Lonesome Cowboy≫が16億円で落札されましたが、山口さんはどう感じられましたか?」

山口 「この運慶は重要文化財に指定されましたが、実はこれも”スリーパー”で、元々は目利きなコレクターが骨董屋で2-300万円で購入したものだったのですが、それがオークションに出たらこんな価格になっちゃったんですよね。実はこの運慶のオークションの直後に村上くんと歓喜してたんですよ。彼も『日本の美術がこうして認められたのは、日本の現代芸術家として励みになるし、自分の作品も将来こうして評価されたい』って言ってました。その直後に彼の作品がそれを上回る価格で落札されちゃったと(笑)。」

石村 「村上さん自身、このオークションの結果を受けてものすごくバッシングを受けたんですよね。こんなものがどうして運慶より評価されるんだと。」

山口まぁ値段の違いはポピュラリティの違いというか、村上くんの作品を欲しがる人が多かったというだけなのでね。

内永 「需要と供給ですよね。実際海外の美術館に行くと村上さんの作品がバンバン展示されているんですよ。それだけ目に付く、認知されているので、価格が高騰するのもうなずけますよね。」

石村 「アートの投機性を内永さんのような買い手、あるいは村上さんのような作家の視点で見てきましたが、山口さんのようなオークションを運営する側としてはどうお感じになられますか?」

山口 「もちろんウェルカムです。アートコレクターは大きく2種類、投機的に作品を購入する ”投資家” と「死んでも売らない!」というような "愛好家" に分類できるんですが、最近は前者の ”投機家” が目立っていますよね。ただクリスティーズのオークションでも、全く投機性がない分野もありますよ。」

内永 「縄文土器とかですか?(笑)」

山口 「そうそう(笑)古美術などは一部の人にはすごく価値があるんだけれど、ポピュラリティがないので投機的価値は低いのでしょうね。」

内永 「僕がアートを買い始めたのも、実は投機目的でした。投資先としては、株もアートも変わらない。そう考えたときにアートも株のように過去のプライスの動きをきちんとチェックすれば、これからのプライス変動を予想できるんじゃないかと思って実験的に買ってみたんですよ。そうしたらやっぱりそうだった。でも株と違うのは、投機目的でもアートに触れていくと、どんどんアートを好きになっていくんですよね。結果的に、今は投機性をあまり考えなくなりましたね。これちょっと高いけど…いいものだから買っちゃお!みたいな。」

山口 「そういう魔力がアートにはありますよね。投機用とコレクション用で分けて買う人もいますよ。」

内永 「僕もそうですね。草間彌生の作品はカボチャしか買わないんですよ、なぜならそれしか価値が上がらないから。投機目的なので飾ることもせず、そのままクローゼットに入れちゃってますよ(笑)」

石村 「内永さんが最近、”愛好家” 的に購入した作品はありますか?」

内永 「結果的に高騰してしまったんですが、ロッカクアヤコさんの作品をオークションで購入しました。予想価格はお買い得だったのですが白熱してしまって(笑)。買った後、家に帰るまでは「これでよかったのかな?」って感じでしたけど、家に届いてから彼女のことを勉強して『いい買い物したぞ』に変わりましたね。ばっちり家に飾ってますよ。」

石村アート作品のポピュラリティというお話がでましたが、やはり日本美術は西洋美術に比べてマイナーなのでしょうか?

山口超マイナーですよ。ただ奈良美智も草間彌生も村上隆も、日本人が制作しているという意味で ”日本美術” ですよね。ただ ”コンテンポラリーアート” という意味だと十分世界に通用していると思います。50年、100年たった時にその価値がどうなっているかは誰にもわかりませんけどね。」

石村日本美術が評価されにくく、マイナーに留まっているのは、海外の人の目にあまり触れないからなのでしょうか?

山口やっぱり欧米人にとっては "エスニック" なわけですよ。どこか極東の国の一作品でしかない。そんな中で村上隆はアニメなどポップカルチャー的な手法を用いているので、欧米人にもわかりやすい。草間彌生もNYを活動の拠点と設定して、ブランドとも積極的にコラボする。」

内永要はブランドと同じで、アーティストもめちゃくちゃマーケティングしてるってことですね。

山口 「村上くんもよく言ってますよ、『日本人はゲームのルールを知らなさすぎる』って。」

3.価格=価値?

コンサルタントはクライアントに提供するバリューで測られるのと同時に、その時間当たりの価格によっても評価される対象となる。

つまり価値(Value)と価格(Price)は切っても切り離せないわけだが、その二つの評価軸は果たして連動するものなのだろうか。

謎に包まれたアートマーケットの “裏側” の話(!)も飛び出しながら、セッションは続く。

(左)クリスティーズジャパン代表取締役社長 山口桂氏
(右)アクセンチュア インタラクティブ日本統括 内永太洋氏
(後ろ姿)アクセンチュア芸術部代表幹事 石村真理絵

石村マーケットは作品に値段が付くという意味で、アートの”換金所” 的役割を果たしているわけですが、そこでつけられる価格がそのままイコール価値なのでしょうか?

山口一番高い作品が一番いい作品かというと、それは違いますね。もののクオリティと価格が必ずしも連動しないというのは、どの分野においても言えることなのですが。」

内永価値って結局、需要と供給のバランスなわけですよ。先日落合陽一さんと対談した際に彼が言っていたのは、100億で落札されたジェフ・クーンズの作品といえど、マテリアル的にはただの鉄だと。その鉄を100億円たらしめたのはアート性なわけで、これってファッションブランドにも同じことが言えるわけですよ。ヨーロッパのメゾンブランドのバッグよりも、日本のどこかの工房で作っているバッグの革の方が良質だったりする。それでもブランド品の方が何十倍もの価格で買われていくのは、そのブランド性によるところなんですよね。

石村 「価値と価格が必ずしも連動しない中、専門家は何を基にアートの予想価格を決定していくのですか?」

山口通常の査定では、マーケットレコードからアーティスト名/制作年/サイズ/主題をまず知ります。その上で修復歴が多ければ価格は下がるし、有名なコレクターが所蔵していたというような "ストーリー" があると価値づけがされて価格は上がります。

石村 「その価値づけの中心にいるのがアートディーラーなわけですが、プライべートセールなど個人間の売買を仲介する場合、価値と価格の関係はどうなるのでしょうか?

山口 「例えばビル・ゲイツの所有している作品を誰かが1000億で買いたいとする。でもビル・ゲイツにとって1000億なんてはした金で、いくらお金を積まれたところでもし彼がその作品を気に入っていたら売らないと思うんですよ。そういう意味だと通常のオークションと違って、プライベートセールはお金さえ積めば絶対買えるというものではなく、タイミングが重要になってきますね。

内永 「出会いが大事ですよね。僕が草間さんの作品を買ったのは百貨店の外商からだったんですが、どうやらワケありな作品だったようで、店頭にも並んでいないその作品を手に入れることができました。」

山口アートオークションのビジネスチャンスは3Dと呼ばれています。Death(死),Divorce(離婚),Debt(負債)、つまり人が不幸な時に作品が世に出てくるってことですね(笑)」

石村 「山口さんが最近関わったプライベートセールだと、出光美術館が購入した伊藤若冲の作品が有名で、ニュースにもなりましたよね。」

山口 「伊藤若冲のコレクターで有名なジョー・プライスさん所有の作品を、かなり高額な値段で出光美術館が購入した件ですよね。所有者であるプライスさんの要望は、コレクションのうち半分はロサンゼルス・カウンティ美術館に残し、半分は日本の施設 ”一か所に” 売りたいというものでした。そんな条件で僕が買い手探しを請け負い、きちんとお金を払うことが出来て、保存し後世に残していくことのできる施設として出光美術館を選びました。」

石村 「先ほどの運慶もそうですが、日本の国宝級の作品が海外に流出することに私たちは少し抵抗を覚えるかもしれません。しかしプライスさんのような理解のあるコレクターが海外で日本美術に触れる機会を提供していると考えると、日本美術業界にとってポジティブな側面もありますよね。

山口まさにその通りで、海外のいい美術館に日本美術があると、世界中の人がそれを見て、日本美術に興味を持つきっかけになります。今回のプライスさんの場合は日本とLAに半分ずつ残すことで、日米双方の研究を活性化させたいという狙いもあったのでしょうね。」

4.企業の価値はどうやって生み出されるのか

「価値とは結局、需要と供給だ。」

アートという、一般的には非論理的で右脳的な世界と思われている分野においても、明確に持論を展開する内永氏。

シリアルアントレプレナーとしていくつもの企業を生み出し、価値を高めてきた彼に企業の価値の源泉を聞いた。彼の成功の ”ネタバラシ” ともいえる内容から、目が離せない…!

石村 「アートの価値の源泉について山口さんにお伺いしてきたんですが、翻って内永さんに、企業の価値とはどのように生まれるのか具体的な方法含めてお伺いしたいです。

内永 「アクセンチュア インタラクティブで僕らが日々行っていることのロジックとほぼ一緒です。マーケットサイズを考えて、自分の持ってるアセットと照らし合わせ、その後の動きを考えていく。企業の価値も先ほどのアートの投機性の話と同じで、転売しようと思えばそこを意識した動きになっちゃうんですよ。ただ、ウォーレン・バフェットの言葉に ”投資した会社は、一生人に売りたくない” というのがあって、僕はそれにすごく感動したんですね。僕もその言葉を聞くまでは常に株主会議とかでもなんとか、売る方に売る方に誘導してたんですが、バフェットさんの言うように一生売らない想定で意思決定していったら、結果的に価値が上がったんですよ。長期的に企業の価値を最大化していく点は、アートにおける価値創造と通じるものがあると思います。

石村企業の価値を高めていざ売却となったときに、その売値はどのように決めているのですか?

内永 「そこはすごく面白いポイントです。IPOしていれば株価が指標になるんですが、そうでない場合は先ほどのプライベートセールの話と同じで ”言ったもん勝ち” ですね。なぜなら企業の売上高と価値が必ずしもイコールではなくて、例えばこのサービスは会員を何人抱えているから今後こういう方向に転換もできますよ、みたいに先を見通さなくちゃならない。けれども日本ではあまりそういう見方が理解されなくて、営業利益の○○倍みたいな取引がなされている。だから僕の最初の売却先は、イギリスの企業だったんですよ。彼らは長期的な価値というのをよく理解してくれたので。」

石村 「その "言い値" は内永さんの直感で決めていくんですか?」

内永 「相手と話す中で、この人なら育ててくれるだろう、って判断するという意味では直感ともいえるかもしれませんね。ただその売却する会社には働く人がいるので、売った瞬間にその人たちの人生も変わるって考えると "譲れない線" というのも自ずと出てきます。

5.人は何にお金を払うの?

何千万円、何億円……。何気ない日々を送る私たちにとって、途方もない金額が一瞬で動くアートマーケット。 しかし “誰かが何かを買う” という意味では、朝のスターバックスでコーヒーを買う行為と何ら変わらないのかもしれない。

では一体人は何にお金を払うのか、さらに一歩踏み込んで売れるサービスとは一体何なのか。内永氏の鋭い分析が飛び出す。

(興味をもって会場に足を運んだ多くの参加者たち。真剣なまなざしでセッションに聞き入る。)

石村 「企業の売買についてお話をお伺いしましたが、『人は何にお金を払うの?』というテーマでアクセンチュアインタラクティブの事業と照らし合わせたときにズバリ質問なのです。"売れるサービス" って一体何なのでしょうか?

内永まず消費行動には2つのパターンがあります。一つは "補充" 、ティッシュや目薬など日常の品々で、買うこと自体がある種ストレスになっているからこそ、サブスクリプションモデルなどでそのストレスを取り除いてあげることが大事になってくるタイプの消費です。二つ目は心躍る "買い物"で、ブランド品を買ったときなど心がワクワクするこの種の消費は今後も残り続けていくと思います。ただそのワクワクの対象が世代によって異なってきているのが難しいところですよね。車なんかはまさにそうで、ある世代はステータス的に高級車を買い求めるけど、若い世代はシェアリングで満足している。その二つを念頭に置いたうえで、どうすれば便利なるのか/楽しくなるのかを考えてサービスを創造しています。」

山口アートも同じですね。投機的に買っていく人にとってその買い物は "補充" だし、愛好家的には心躍る ”買い物” ですよね。

石村 「サルバトール・ムンディのように、希少性の高さと価値が比例するのがアートマーケットなのですが、その関係はビジネス・サービスも同じなのでしょうか?

内永 「個人的なミッションとして、僕自身がユニークであることを心がけています。明確な作業に対するタイムチャージのビジネスだとコモディティ化してしまうので、自分の価値を出すためには他の人と違うことをやったり、とにかくユニークネスが必要なんです。だからこそいただくフィーも、自分のユニークネスを図る物差しとして重要ですよ。最近でわかりやすいところだとデータサイエンティストは人材としての希少性が高まっていて、その分お給料も高く設定されることが多い。その上で自分がどんなタレントを目指すかは、好みの問題ですね。」

山口 「僕もそう思いますね。人と同じ土俵で戦うよりも、人との差異を見つけて伸ばした方がいいし、いい意味で近道だと思いますよ。

内永 「アートの価値づけでストーリー/ヒストリーが重要と仰っていましたが、僕の場合も同じように、これまで沢山の事業を作ってきましたって、自分の実績をきちんと伝えるようにしてますね。言うのと言わないのとで、話を聞く人の態度や反応がかなり違ってくるので。自分の価値を上げてキープするための、小さな努力ですね。」

山口 「変わり種であるにはクオリティも必要なんですよ。そういう努力を怠らないという意味だと、内永さんは意外と真面目ですよね(笑)」

石村そうした人材の希少性というのは、アートマーケットの人材にも同じことが言えるのでしょうか?

山口言えますね。スペシャリストとしての能力・感覚・センスが求められるので、クリスティーズジャパンでも十数人の少数精鋭で運営しています。なのでひとり抜けると、補充するのがほんとに大変です…。クリスティーズはオークション価格を公開してますが、実際にはプライベートセールで取引される "隠された価格” の方が圧倒的に多いんです。なので、作品価格の決定や予想はいまのところAIでは難しいかもしれませんね。」

6.クリスティーズ/アクセンチュアの価値とは

価値とは何なのかを根本的に問う今回のセッション、その最後には登壇した二人にクリスティーズ、アクセンチュア インタラクティブそれぞれの企業価値とは何かを尋ねた。アートとビジネスそれぞれの価値を真摯に見つめてきた二人は、自身の所属する組織の何を誇り、組織に何を求めるのか…。

(左から山口氏、内永氏、アクセンチュア デジタルコンサルティング本部 統括本部長 立花良範氏、
アクセンチュア 代表取締役社長 江川昌史氏)

石村 「"価値" についてお伺いしてきた本日のトークの最後は、お二方にクリスティーズの/アクセンチュアの価値とは何かをお伺いしたいです。」

山口クリスティーズの価値は260年の歴史を通して守り続けているコンフィデンシャリティ、機密性と信用でしょうね。アートという世界中の富豪の資産、しかも目立たないように隠すこともできる資産を何代にも渡って管理してきたという意味では、その "情報" も価値かもしれませんね。」

内永アクセンチュアの価値は "人間" 、タレントでしょうね。僕はかなり不真面目なんですが(笑)、優秀かつ真面目な人が多いっていうのは僕がこの会社にジョインして真っ先に思ったことです。こうしたタレントを集めることは企業価値を高めることに直結していると思いますし、僕自身も自分の価値を高めるために日々努力しています。」

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