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マルチリンガル視点 - 日本人は語学習得にそもそも向いていない?

英語、イタリア語、スペイン語3ヵ国語通訳をしてるマルチリンガル通訳者(男)です。

先日はドイツ🇩🇪サッカーブンデスリーガ1部ボルシア・ドルトムントのアカデミースタッフの通訳をしてきました。プロサッカー選手を目指す子供達約80名集まりました。

さてよくこんな質問を受けます。
「どうやって語学を勉強したらいいですか?」

1番聞かれる質問ですね。皆さん切実です。
よくわかります。僕もずっとその答えを探してきましたし、今もなおもっと革命的なものがないかいろんな仮説を立てながら自分を実験台にフランス語とドイツ語を数年やっています(数年後にビジネスとして実装します)。

僕なりに真剣に勉強方法を答えてきたわけですが、海外に住んでいた経験をもとに最近こう思うのです。

それは

「日本人は外国語習得に向いてない」


その結論に至った理由は

 日本人の島国気質と日本の地形的不利にあります。

まず日本人は性格が内向的だと言われます。
日本語を話す我々は日常で相手にストレートに物を言わないで
「話さなくてもわかるでしょ察してよ」
の語学的文化があります。
一方欧米では
「話さないとわからないから話してよ」
の文化。
これ僕がイタリアに初めて留学しに行ったときに悩んだ課題でした。
僕は元々相手に物事を強く言えない性格で、相手に意見を合わす傾向にありました。日本人ぽいわかりやすい性格でした。
しかしそこを許さないのがイタリア。
「何をしたいのかイエスかノーかちゃんと伝えなさい」と何人の友人に注意されました。。
確かに僕は自己表現が不得意だったので少々生きにくさも感じてたのです。
イタリアで僕の弱いところを強制的に正してくれたのは本当に有り難かった。海外で活躍できる性格になれたのはイタリアの文化のおかげです。

話を戻してその他にも、一説に日本語と英語では使う脳の場所が違うらしいのです。
日本語は右脳、英語は左脳を使う。
詳しくは東京医科歯科大学の角田忠信教授のお話を探して読んでみてください。音を認識する脳の使う場所が日本人と外国人だと違うらしいのです。
僕が興味を持ったのは脳が、
日本人でも外国語を母国語として育てられると西洋型となり、外国人でも日本語を母国語として育つと日本人型になるという点。
使う脳の場所が違うというのは驚異的です。
ここで僕が感じたのは、
日本人はそもそも外国語を学ぶことに長けてないのではないかということ。
そして、
「若ければ若いほど脳を西洋型に転換しやすいから語学は早いうちにが鉄則」
なのではないかということ。


この点は僕も経験的に説明できますが、英語を第一言語とした場合、第二外国語を学んで英語と同等のビジネスレベルに引き上げた場合の日本語、英語、第二外国語の整理にはかなり悩まされました。わかりやすい例として仕事の現場でよく目の前にスペイン人とイギリス人がいまして1人と話し終えてからもう1人と話すと、脳は英語とスペイン語の瞬時の変換に追いつかず言語が混ざる現象が度々起こりました。2006年からスペインに住み始めた時期のことです。
今はこの中にイタリア語も実装されていますが完全に脳の中で分けられてます。(たまに少し混ざることもあるような) それは脳が慣れたというのもありますが、若い時だったので脳がその変換に耐えられたのではないかということ。
イタリア語を19歳から始めて、26歳からスペイン語を勉強してスペインに仕事で赴任できたのは非常に大きかったのです。これが10年遅れてたら難しかったのかもしれない。そういう実感はあります。個人差はあるのではあくまで僕の主観です。

次に日本の島国という地形的不利について。
僕は留学や仕事、出張をいれるとヨーロッパ生活がそれなりに長いです。レンタカーで国を跨ぐと殆どの国でボーダーチェックを受けることなく国を跨げます。いつ国が変わったか認識できない時も。スペインからバルセロナを通り抜けてフランスに入るルートは山間部の国境でたまにボーダーチェックがある時がありますが素通りの時もあります。ドイツからオランダへオランダからベルギーへ、ドイツからオーストリアへここらへんはノーチェックです。
国境を自由に跨げる利点というのは物資輸送面だけでなく語学的にも非常に大きな恩恵を受けており、例えば友人のご両親は父親がフランス人、母親がイタリア人だったり両親の国籍が違うことは特に驚くことではなく普通にそういう家庭は存在します。国籍が違う両親から生まれる子供は全員ではないですがどちらの言葉も理解できることは珍しくありません。国境がないというのは仕事の行き来も自由でヨーロッパ内で給与が比較的高いドイツやスイスなどへ出稼ぎに行くスペイン人やイタリア人が多かったりもします。(友人談)
ヨーロッパ国内では例えばイタリアで勉強/仕事をしているドイツ人、フランス人、スペイン人がいたり、アフリカ各国から来る移民の方がいたり、もちろん中国人も多く、外国人はイタリアで住んでるわけですからイタリア語を話す機会が必然と多くなるわけです。
僕が留学していた時にドイツ人やフランス人の友人はクリスマスの時期ちょっと家に帰るとか普通でした。この簡単に国を変えられる地理的アドバンテージは非常に大きいです。
母国語でない国にいると少なからず精神的にも疲労が出るものです。その疲労を少し国を跨いで数時間で家に帰れれば頭をリフレッシュしてまた戻ってこれる。日本とヨーロッパの距離だとそうはいかない。1日かけて帰りお金も結構かかる。心と体は常に一致するわけで精神的疲労は肉体的運動に大きな影響を与えて勉強のパフォーマンスも落ちるのです。

ただこれは日本とヨーロッパという僕の経験をもとに論理を組み立てているので日本と韓国くらいの距離ならまた話も違ってくるでしょうし一概に言えない部分もあります。

結論として、
「日本人の島国気質と日本の地形的不利」の観点から
日本人は語学習得にそもそも適してないから語学を習得したいなら高い志と覚悟で挑んで遅くても20代までに勉強を始めるべきです。
そして高いお金と時間を費やして中途半端に勉強するくらいなら勉強せずもっとコスパの良い知識や経験を得たほうが良いと過去国内海外で出会った語学学習者をみてそう思うのです。
留学1年で200万くらいかかりますしね。
いろんな投資に使えますよ。

今日の話は以上です。
今後はマルチリンガルになる勉強法や頭の使い方など語学学習者必見のテクをお伝えしていきますのでお楽しみに。

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