マルチリンガル視点 - この種の通訳は食えなくなる 求められる新時代通訳者とは
英語/イタリア語/スペイン語3カ国語の通訳をするマルチリンガル通訳者(男)です。
前回は通訳は稼げるのかについて話しました。
今日はこれから通訳になりたい人にも今通訳の仕事をしている方にも読んでもらいたい
「これから求められる通訳者」
について話たいと思います。
先日同時通訳をやっている通訳経験豊富な知人がコロナ禍に入り
「仕事をもらえない通訳者が増えている」
という話をしていました。
オンライン会議になり一つハードルが上がったということらしい。
なんとなく理解はできる。
ただ僕は付け加えると、
通訳者の数が増えてはいるが、ある種の通訳を求める企業が減った のだと単純に思う。
通訳というのは2種類の役回りがある。
1つはクライアントの言うことを一言一句忠実に通訳する。
もう一つは、クライアントの目的・目標を叶える通訳。
僕は求められる通訳業務が
前者が減ってきて、後者が増えている
のではと推測する。
僕はフリーランスの前に8年間ある会社で会社員として通訳をやってきた。
会社が毎年スペイン側の会社と交わす契約につて話し合い、成立させる大きな任務だ。
社長と相手側社長の通訳を1人でやるかなり疲れる業務だった。
会社としては契約成立がマストであり成立させなければ明日がない。
目標は取引を成立させること。
いつものことだが話はそう単純にはいかない。大体揉める。
殆どがお金と契約内容でお互いの主張をぶつけ合うわけで、この場合お互いがヒートアップしていき言葉遣いも悪くなってくる。そのことは社長達は理解できないわけだ外国語なので。ここで、お互いの言うことをそのまま通訳などしても何の意味もない。交渉決裂の未来しか待っていない。 この場合通訳者は何を考えるべきか。それは契約が成立する落とし所を見つけてあげることだ。どちらの話もそして考えている心の中も見えてくるのは通訳している本人だけなので、この場合社長にこう伝える。
「相手は駆け引きでこう言ってるが多分この金額に落としたら取引に合意してくると思います」
僕の推測がいつも正しかったわけではないがそれで成立した契約はたくさんある。お金のトラブルも解消できた話も多い。
そして契約成立後は社長にとても感謝される。
僕もかなり嬉しい瞬間だ。 だって僕も
この来季の契約が決めればまたスペインで仕事ができるわけだし笑
これからより一層求められるのはクライトの目的にアダプトできる通訳者だ。
「相手の言葉を真意を読み取りクライアントにアドバイスできる交渉能力」
これはフリーランスの方ならクライアントとの面談時にアピールしておきたい点だ。
自分で事業をしている方なら外国人相手に交渉の主導権を握れるのは本当に心強いことなんです。僕はフリーランスになってもクライアントとの面談時に自分はこう言うアドバイスができるとプレゼンをする。するとほぼ100%通訳の正式依頼をもらえるし、依頼後も継続して仕事をもらえてます。
他にも、日本から一緒にヨーロッパへ同行しホテル、レンタカー、飛行機チケットの手配、レンタカーの運転手もやります。こうしてクライアントと一緒に旅をしながら通訳をやるわけです。また日本に来る外国人技術者を空港へ出向きピックアップし現場に連れて行く。仕事が終わったら空港へ送り届けるまで常に一緒にいて日本滞在時のお世話係もやる。
こういうこともクライアントからお願いされるし、人と差をつけられるサービスでもある。
通訳の仕方、サービスもどんどん進化していかなければいけません。
これが
求められる新時代通訳者
です。
言われたことをただ通訳するのはもう近い将来AI技術の進歩で需要が激減するでしょう。
翻訳はもっと深刻です。
そしてより生き残る確率をあげるのなら
使える言語が英語だけというのはやめましょう。複数言語話せるようになるのはもう今の時代スタンダードです。
僕のNoteでは有料記事で今後マルチリンガルになるための勉強法や頭の使い方、そして語学で生きていく上でのアドバイスをしていきますので、是非読んでもらいたいです。
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