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私たちアクロストンのワークショップでは、こども達にセックスでの受精だけではなく、体外授精のことも教えています。

現在日本では約18人に1人以上は体外受精で産まれているので(2016年の統計)もちろんワークショップでも体外受精で産まれているという子が参加しています。私の友人達の中にも体外受精でこどもを授かった人が何人もいます。

我が子に体外受精で産まれたかどうかを教えるかどうかは家庭の判断でどちらでも良いと思うのですが(だって、自然妊娠だってわざわざ「あなたはセックスで授かったのよ」とは言わないし ※注1)しかし、自然妊娠でなかったことをこどもに申し訳なく思っているというような話をきくことがあります。

あるいは、親自身はなんとも思っていなくても祖父母から勝手に可哀そうがられてイラっとするという話も。

体外受精だろうが自然妊娠だろうが卵子と精子が出会って細胞分裂して胎児になって産まれてきたことはどちらもすごいこと。何かの機会に自分が体外受精で産まれたことで心ない人に嫌なことを言われても悲しく思わないで欲しい、そしていつの日か自分のこどもを体外受精で授かることになった時に罪悪感を持たないで欲しい、そういう想いを込めて体外授精の話をしています。

先日開催した訪問ワークショップでは、参加してくださったお母さんの一言で、私達の想いを超えた体外受精の素敵な話が展開されました。

今回はホームスクーラーの皆様からのご依頼!

墨田区の地域センターを会場として取って下さり、そこで小学2年生、3年生、4年生のこども達とワークショップを行いました。

いのちの始まりは「まる」
いつもここから、ワークショップは始まります。

今回は「私もまるだったの!」ととても驚いてくれる子もいて楽しい雰囲気での幕開け。

さて、その後ワークショップは月経の仕組み、射精の仕組み、受精の仕組みへと話が進んでいきます。
(ここの詳細は過去の記事をご参照ください。) 

この後が体外受精について

通常のセックスでなかなか赤ちゃんが出来ない場合、病院で妊娠することを手助けすることがあるとこども達に説明したのち、実際にこどもたちにも体外受精の真似事をしてもらいます。

まず月経の仕組みのところで作った卵巣から卵子(小さな丸い紙)をとりだし、透明のピルケースに数個いれます。そのあと精子(細かい糸)をいれて・・・。

そして「うまくいくと卵子と精子が出会ってキラキラ受精卵になるよ!」と、キラキラの丸い紙をピルケース内に入れます。

その時、一人のお母さんから声がかかりました。

「○○ちゃん、あなたもそうだったんだよ!」
その子も含めて一同「そうなんだねー!」と盛り上がりました。

すると、そのお母さんから更にひとこと。

「キラキラの受精卵だった時の写真があるよ!」

その子本人が驚いたのはもちろん、私も大変驚きました。まさか受精卵の時の写真があるとは!!!

妊娠の確認のエコー写真だとある程度形ができてこないとエコーに映りませんが体外受精だと本当の自分の命の始まりにごく近い瞬間が写真に残っていることもあるんですね!!!

言われた子はすごく喜ぶし、また他のこども達もお母さん達も「いいなー」「すごいねー!」と大盛り上がり。

 (後日、受精卵の写真を送っていただきました。)

「キラキラ受精卵の写真があって嬉しい」「すごいねー!!」とみんなで盛り上がるその空間に感動し鳥肌がたちました。

さらにワークショップの最後にも印象的な出来事が。

ワークショップの締めでは作ったものが本になるようにリボンで綴じます。

帝王切開の話をしつつも「赤ちゃんは子宮の中で頭が下になってるよ」とこども達に教え、今まではその向きで綴じてもらっていたのですが。。。

**「私、お母さんのお腹を切って産まれたタイプなんだよね」と一人の子が発言。 **

するとその子のお母さんより逆子であったことが伝えられました。

 そこでせっかくなのでその子は赤ちゃんの頭を上にして綴じてもらうことにしました。

ワークショップをやっている時はいつも多様性を意識した内容になるよう心掛けていますが、こども達や保護者の皆様が世界を更に広げて下さることが沢山あります。

このワークショップを一番楽しんでいるのはきっと私達自身。毎回毎回、新たな出会いや発見があり、参加してくださる皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

今回のワークショップは参加してくだった保護者の方のブログでもとりあげていただきました。所沢でホームスクーラーの居場所づくりをされている方です。

また、今回はホームスクーラー同士をつなげて一緒にお出かけをしたり情報交換をしたりするためのサイト「ホームスクーラーマップ」に登録している
皆さんからのご依頼でした。

こちらのマップはホームスクールをしている家庭がつながって楽しくホームスクールをやっていこう、という素敵なマップで我が家もワークショップ後に早速登録しました。(我が家はいまのところ、小4娘がホームスクーラーです。)
このnoteをご覧のホームスクールの方がいらっしゃいましたら、是非つながりましょう!

※1 セックスにより産まれてきたということをこどもにまっすぐ答えて下さった素敵なワークショップもありました。

#性教育 #ワークショップ #人工授精 #不妊治療 #体外受精 #小学生 #アクロストン #コラム #不登校 #ホームスクール

妻・夫。二人とも医師。子どもに必要な性の知識を楽しく・ポップで・まじめなコンテンツにしてお届けします。 https://acrosstone.jimdofree.com https://www.facebook.com/acrosstone インスタグラム:@acrosstone