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優しさは拡がる

お昼休み、横断歩道で信号待ちをしていると、前にいた女性が左右を確認し始めた。赤信号だったから、お急ぎなのだろうな、とそんなことを考えていたら、小さな缶を拾って小走りでこちらに戻ってきた。


そして、同じく信号待ちをしていた自転車の女性に小さな缶を手渡した。自転車の女性は頬を赤く染めながら、とっても感謝していた。何度もありがとうございますとお伝えしていた。


とってもとっても温かい、言葉にできないほど優しい空気がその場に漂っていた。


きっと段差か何かに登ってしまい、その拍子で籠から落ちてしまったのだろう。そのまま横断歩道の途中まで転がってしまったのだ。

そして、気付いた心優しい女性がすかさず拾いに行ってくれた。自転車の女性のために。


自転車の女性も、拾いに行ってくれた女性も、どちらもとっても嬉しそうだった。そしてそのお二人だけではない、横断歩道で一緒に居合わせた、全員がとっても嬉しそうだったのだ。


その場に居合わせたみんなが「嬉しいね、良かったね」という気持ちを送り合っていたように思う。


優しくて温かくて幸せな空気だった。


ほんの些細なことかもしれない。
誰かのことを助けること、それはきっとみんなを幸せにする。
みんなを温かい気持ちにする。


情けは人の為ならず 
ことごとく、優しい世界。



あなたがいつも優しさに満たされますように。

あなたの優しさが拡がりますように。




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