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kokedamaのススメ

寿司やラーメンといった日本食をはじめとして、ヨーロッパにいると日本文化に出会うことは度々ある。ありがたいことに日本に対していいイメージを持っている人が多く、日本から来たというだけで好意的に扱ってもらえることも少なくない。日本とヨーロッパは何千キロも離れているのにこれだけ日本のものがあるのはよく考えると不思議である。

こちらに来るまで知らなかったが、日本の庭や盆栽など植物文化も浸透している。植物園のようなところに行けば小さな日本庭園があったり、道端でたまに盆栽屋を見かけるのだが、先日はひょんなことから初めて苔玉を見つけた。苔玉を見つけたといっても正直苔玉の存在を知らなかったので、最初はお洒落なインテリア用植物だなと思って見ていた。

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取り扱いの説明書をもらって日本語が書いてあったので、「あ、これ日本のものなのか」と気付く。日本人でありながら「これどうやって手入れするんですか?」と質問していたのは考えると滑稽な気もする。

ネットで検索すると苔玉の作り方や育て方がたくさん出てくるので、なぜ今まで出会わなかったのだろうと思うが、ウィーンでこうやって新たに自分の文化を発見するのはそれはそれで楽しい。

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普段は霧吹きで水を与えつつ、完全に乾いたら水を張ったバケツに苔玉の部分を五分〜十分浸して水分を与える。苔は暗いところでジメジメ育つイメージがあるが、意外と日光が必要なようである。まだ育て始めたばかりなのでどういう距離感を取ればいいのかわからず、うっかり直射日光を当てて一部葉が焼けてしまった。水の与えすぎで腐ってしまうことも多いようなので、水やりにも気を付けたい。

一、二年ぐらいはこのままでいいらしいが、そのあとは新しく苔玉を作り直すか鉢に植え替えるそうだ。そこまでちゃんとすくすく育ってくれますように。日本から持ってきた食器にのせているが、やはり同じ文化圏のものだからかお互いに引き立てあっていて、最近のお気に入りである。