こんにちは、国境なき仕事人 (TSF) です。いまTSFは先月ギリシャを出て、トルコ、アラブ首長国連邦のドバイとアブダビを経て三月からインドの西部の都会ムンバイにいます。インド初心者のTSFにインドはどう映っているのか？その感じたり気づいたりしたことを有り体に書きたいと思います。この記事を読んでくださり、インド旅行を検討している方々で「初心者だけどインドどうなんだろう？？」と思っていらっしゃる人に役立てば幸いです。

かねてから気になってたインド🇮🇳

カレーとタージマハルしかイメージがなかったインド… 本当は「バーラト (バーラタ)」と改名したいそうだし、日本の技術で高速鉄道を通す計画があったり、情報技術が集積してハイテクが集積したり…

それでも庶民は寿司詰めの自由席で長距離移動したり、リクシャーの高くて大きな音のクラクションを聞きながら道端の食堂で右手でカレーを食べていたりと、旧新の要素が複雑に交差して、それが織りなすカオスな空間に、あらゆる旅人が昔から引き込まれてきました。

TSFが、このインドのことをある程度情報を把握し始めたのは、後述の通りインド古典学専攻の学生たちと友だちになったおかげで、友だちが貸してくれたインド紀行関連の本を読んだからです。あれから10年以上が経って、三月の日暮れ、TSFはムンバイのチャトラパティー・シヴァージー国際空港に着陸しました。着陸直前、眼下に広がるカオスな空間に、並々ならない緊張感を持ったことは、今後も鮮明に記憶に残り続けるでしょう。そういうわけで、このようにインドにいて所感が多くなってきたので、ここに記録して発信したいと思いました。

インド旅の経緯とTSFの知識量

本題に入る前に、ここではインド旅をTSFが実行に移した背景と、TSFがインドについて何を知っていて、そしてインドをどういう視点で見ているのかを、大まかに皆さんにお伝えします。

インドは見る人によって様々に映るのじゃないかなと思います。だから、ある人がYouTubeで「ヤバいよヤバいよ」って囃し立てるのを鵜呑みにしては絶対いけないのではないかと思います (これは自戒の意味もあります)。

YouTuber、もしくはザックリと報道関係者は、放映の獲れ高を狙っていたり、スポンサーの依頼を受けていたりするので、インドについても一面しか紹介していないのではないかと思います。でも、TSFはこの記事で中立に実情報を提供したいので、自分の人となりを、ある程度見せた方がいいと考えました。

インド旅を決めた理由

TSFがインドに行く決意をしたのは二月のこと、トルコの空港でフライトのキャンセルがあって本来行こうとしていたところに行けない状況になって、「それなら、むしろ違うところ行ったれ〜」と思ってスカイスキャナーで安い航空券を調べたのが事の発端でした。どうやらアラブ首長国連邦アブダビ行きが最安だったので、まずアブダビ行きのフライトを予約しました。それから、ドバイかアブダビから安いフライトを探すとデリーやムンバイが出てきたので「そうだ、インド行こう」ってなったわけです (笑)

不安はありました。インド関連の情報を聞くようになったのは12年前のこと、大学の研究室関係のつながりでインド古典学専攻の学生と良く話をしていた時にさかのぼります。古典学の学生たちが口を揃えて言ってったのは「自分たちもインドは苦労するから行きたくない」ということでした。

学問で専攻してるのに「インド行きたくない」って初めは不思議に思っていましたが、どうやら日本と勝手があまりにも違いすぎて生活しにくいからという口ぶりでした。聞く話の数々からは、客引きや詐欺師のしつこさ、街の不衛生さや土ぼこり、生活の風習や習慣の違い、料理の辛さなどなど、色々と日本とは風土の違う国なんだなぁと気づかせるような内容でした。

そんなわけで、TSF 自身もインド旅は躊躇していました。ところが、TSFが「越境して働く」ことをテーマに様々な国々の暮らしを体験しながら移動し続ける以上は「食わず嫌い」はできないし、避けていれば「ハッタリ野郎だ」と思われて示しもつかないだろうとも考えていました。

というわけでスカイスキャナーのチケット詳細を見ながら「これはチャンスだ！」と思って、アブダビからムンバイへ行くフライトを予約し、ビザを申請して、入国して、それで今インドのムンバイにいるわけなのです。

インドに関するTSFの前知識・この記事の内容

前の話から、TSFがインド通ではないことが分かるでしょう。いや、むしろド素人ですし、インドについて聞いた話を実体験していたわけでもないですので、ユーチューブの「ヤバい国バイアス」がとても強かったです。

ただし、去年日本を出国をしてから、とりあえず世界も一周して、旅人としての心構えを理解してきている現在、異国での適応能力だけは自信がありました。だから、今の旅人の力量を計る「力試し」だと思って、その勢いだけで今日もインドで滞在しています (笑)

これから書く内容は、すべて個人からみたインドの印象で「インドは日本と違うよなぁ」とつくづく思ったところをピックアップしてお見せします。なるべく事実ベースでお見せしたいので、自分が考える誇張もモリもない文章表現でお伝えします。

気づいたこと十二選

TSFは、ムンバイに入国してから七日を過ごしました。この記事が皆さんの目に留まる頃には、おそらくTSFは他の地方にいると思います。七日だけしか経っていないので、もちろんインド論なんて講義は到底できないです。また、インド通や評論家として偉そうに振る舞うほどTSFは悪い人じゃないです。ただ、滞在中に気づいたことを有り体には書けるのかなと思うので、この章でムンバイで気づいた十二のことを紹介します！

クラクションが超うるさいし空気が汚い

ムンバイのチャトラパティー・シヴァージー国際空港の到着ゲートを出て、オートリクシャーの乗り場に着いた瞬間に聞こえてきたのは、けたたましいクラクションでした。ムンバイの騒音問題は社会問題だそうで、一時期はムンバイ警察も騒音が酷いと赤信号の時間がリセットされる特殊な信号で対策を講じたこともあったそうです (TSF滞在中、その信号機は確認できていないです)。クラクションはラッシュアワーとなるとメチャクチャうるさいです。

TSFの宿泊しているエリアは空港から三キロメートルしか離れていないのですが、飛行機の騒音が気にならない (というかあまり聞こえない) ほど道の騒音レベルは高く、毎朝クラクションで目が覚めます (笑) ここら辺、タイのバンコクやベトナムのホーチミン・シティも同じですね。となると、空気も汚いわけです。気管支弱い方はマスクつけた方がいいですね。

牛はそんなに見かけなかった

インドと言うと「道に牛」という構図を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ムンバイのヒンドゥー寺院の近くには、確かに牛がチラホラいましたが、思っていたほど牛が大挙している光景は見当たりません。おそらく、ムンバイはヒンディー以外の人も多いからじゃないかなと何となく思いました。

現にムンバイの街を通る人の服とか装飾とか見ていると半数ぐらいパキスタンやアフガニスタンの伝統衣装に似ているものを着たり身につけたりしている人も見かけますし、ヒジャブで顔を隠している女性も目につきます。そういうわけで、牛はヒンドゥーが強い地域なら更に多いんじゃないかな、なんて思っています。

辛い食べ物は辛い

仕事でお世話になっている人に「インド行きます」ってメッセージしたら「お腹壊さないでくださいね」って返事が返ってきました (笑) インド紀行を決めた旅人界隈でも有名な「インドの洗礼」のひとつです。

当初はTSFも「不衛生だから菌のせいでお腹を壊すんだよな」って思い込んでいたのですが、インドに来てお腹を壊す原因はそれだけではないことに気づきました。

そう、インドの食べ物には唐辛子や他のマサラと呼ばれるスパイスを入れる料理があるのですが、辛い料理は容赦なく辛いんです (マイルドな料理はマイルドだし、甘い食べ物は徹底的に甘いです)。ある時、野菜しか入っていないサモサを二個だけ買いました。食べると中身に青唐辛子がふんだんに入っていて、舌を刺すような辛味で悶絶してしまいました。すぐサムズアップ (インドのコーラっぽい清涼飲料水) で消火活動しましたが、唐辛子のカプサイシンがサムズアップのせいで内臓中に広がって一瞬激しい腹痛が発生してしまいました。そうなんです、唐辛子の刺激でもお腹を壊すので、胃が弱い方は料理が辛くないか確認した方が良いと思いました。

ラッシーは日本のより濃い

ラッシーはインドのヨーグルト飲料です。前々泊地だったトルコでも「アイラン」という塩気のあるヨーグルト飲料を飲んでいたくらいTSFは習慣的に飲んでいるので、あればどこの国でもヨーグルト飲料は試します。

で、ムンバイに来て飲んだラッシー、頼んだ種類のせいなのか「ほとんどヨーグルト」状態のラッシーを出されてビックリしました。だいたい、選んだ店のラッシーは25ルピーなんですが、コップに濃密ヨーグルトみたいなラッシーを店員が出してくるので「ありがとう」って言いながら「注文ミスってないよな？」っていう複雑な気持ちになりました (笑)

あらゆる接触事故は日常茶飯事

ムンバイは人混みが激しいので、駅での人同士の軽い衝突事故 (インド人との恋の予感) は日常茶飯事です。あと、パーソナルゾーンが日本人より狭いせいか、みんなスレスレを通るので、よく肩や手が軽く当たります。

あと、モタモタしていると後ろから押してきます。メトロ乗るとき、最初降りるお客さんを待っていたところ、後ろのインド人に「はよう入らんかい！」的な感じで押されて降りるお客さんとぶつかりながら乗車する羽目になりました。自分のペースを大事にしてきた人生を歩んだTSFには、ムンバイのインド人は結構せっかちだったり急ぎ過ぎている人が多いよなと思いました (実際、メトロ降りる時のダッシュ感は若干恐いくらいです)

割り込みは防ぎようがない

ムンバイのインド人 (いやインド人全体??) は、お構いなしに割り込んできます。チケット売り場に並んでいると、その列を無視して駅員に話しかける人を頻繁に見かけます。ただ不思議に思われるかもしれませんが、これTSFの目線には「並び順を気にしていないルーズな連中」という風には映りませんでした。どういう風に映ったかというと「並ぶということは時間があることの裏返しだから、暇人って思われて損したくないので割り込むんだ」っていう感じでしょうか。知らんけど (笑)

両替とSIM現地調達はハードル高い（日本円取り扱い店舗紹介）

TSFはインド・ルピーの街での両替に半日、現地SIMカードを購入するまで二日かかりました。実際の時間はもっと短いでしょうが、最初の三日間はルピーの現金とSIMカードの調達で観光がろくにできませんでした。仕事に支障がなかったことだけが唯一の救いですけれども、複数の店を当たりに歩きに歩き回って、とっても疲れました。

というのも空港の両替所は5000ルピーかくらい以上の両替をすると10％の手数料が取られるんです。なので、100ドル両替したんですが…

• 空港の両替所: 7500 ルピー

• 街の両替所: 8200 ルピー

• 電信レート: およそ8300 ルピー

何と空港と街で、その差は700ルピーでした！

ということで、街の両替商の方が良いので空港では必要分しか両替しない方が良いです。ただそれでも、街の両替商が数が少なく、雑居ビルの中の一室だったり、掘立小屋みたいなところだったりしてるし、時々営業しているはずなのに閉店や閉業していたりするので一筋縄にはいきません。ということで、何だかんだキャッシングが一番便利です (TSF、アテネでクレカ盗まれたので、いまクレカないんです 汗) なお、現金両替にはパスポートが最低必要ですのでご注意を！

◎ グーグルマップとは別名ですが…
日本円も両替してくれると店主が言ってくれた両替サービス提供の宝石商 (ガットコパー): https://maps.app.goo.gl/TA7iZXYm1UrwKvNv9

SIM調達も一苦労でした。TSFは基本Wi-Fiで誤魔化して旅してSIM代を浮かしていましたが、インドのWi-Fi環境が悪いことを事前にキャッチしており、モバイルSIMの調達は決めていました。ただ、携帯がeSIMに未対応で「トルコでAmazonなんか使ってインドSIMカードは流石に買えないよな」って思っていたので空港か街で買おうと思っていました。

ところが、経由地のUAEでムンバイ市民と友達になり、インドのSIM、JIO というブランドなら 239 ルピーのプラン (28日間有効、通話無料かけ放題、一日1.5 GB のモバイル通信) があるという情報をゲットして、空港で買うのはよしました (空港は確か400 ルピーするとかだったので)。

そして、アンデーリのモバイルショップに行って訊いて見たのですけれども、このJIOブランドはインドの居住者登録がないと使えないことが発覚し、外国人観光客に対応している airtel のギャラリーに行ってくれと言われました。最初デタラメ言ってるんじゃないかと疑ってしまい話を信じられず、今度はガットコパーのJIOショップに行って訊いたら、同じ回答だったので思わず「マジかよ…」って日本語で聞こえる感じに言ってしまいました。

それでも、airtelのスタッフが親切で、4時間ぐらいかけて無料のコーヒーもらって、モバイル通信の開通まで対応してくれました。あと「アフターケアは俺に任せろ」とスタッフの職場の携帯番号も教えてもらい、晴れてインドで通信迷子にならずに済みました。インドは通信に関しても色々規制があって面倒ですが、スタッフがめんどくさくない親切な人たちで、めっちゃ助かりました (日本のショップだと絶対みんな冷たいし絶対あり得ない 😭)

道案内は複数人に頼むべし

ムンバイ、というよりインドで道案内を頼むなら、複数人に訊いた方が良いです。道が入り組んでいてみんな街の道を全て把握している訳ではないのと、地図が読めない人も多いし、ムンバイ市内も分かりやすい道標がないので方角がわかりくいからです。もし道を訊いて、複数の人が同じことを言ったとすれば、それは限りなく事実だという確信を持って良いでしょう。TSFは初日の夜に三キロ先の宿を探すために15人に道を訊いて、総勢23人の地元民に助けてもらいました。

ユーチューバーが騒ぐほどインド人はウザくない

インドはエジプトやトルコと並んで「三大ウザい国」という不名誉なことを失礼な日本人になすりつけられています。そう、TSFがインド到着後にすぐ気づいて、短いとはいえ今でも変わっていない印象は「普通のインド人は基本的にウザくない」ということです。

確かに「ウザいな」という人はいます。でもそれは、ムンバイ市内で経験した限りでは、観光地の売り子だったり、電車の物乞いだったり、詐欺師だったり、駅のタクシーやオートリクシャーの客引きだったりする訳です。
何が言いたいかっていうと、単に「考えればグローバルにウザい連中」の程度が悪いだけで、一般人は至極「普通」だということです。

これは個人の経験ですが、新宿や大阪の夜十一時くらいに生息する酔っ払ったニホンジンのオッサンとか地雷求人を掴んだ時のシベツのヤ◯ザ漁師の連中の方が、遥かに遥かにウザかったですね。まぁ、そういうウザい被害を、よりによって崇高でクリーンなイメージが強い日本で受けて来ているので、もしかしたら危機回避能力が相当ついていて、インドの怪しい人たちを事前回避して近づいていないためにインド人はウザくないって感じているだけなんでしょうか？それとも「ヤバいよウザいよ」とまくし立てるニホンジンはわざと被害に遭いに行っているのでしょうか？まぁ知らんけどな (笑)

ただ、面倒なのは「ムンバイにも酔っ払いがいる」ことと「喧嘩でキレたインド人はヤバい」ことです。ムンバイは酒に寛容な都会なのでバーでは酔っ払いインド人はある程度見かけました。あと、シラフでも喧嘩が始まると双方一歩も引かないので、巻き込まれない方が良いです。

首をクネクネさせる

インド人の仕草に「首をクネクネさせる」動きがあります。器用に小刻みに柔らかくクネクネさせます。これは「はい」の他に「了解です」「大丈夫です」「ありがとう」などなど日本で会釈をする場面でインド人が行う仕草だと見受けられます。本当に、場所に限らず見かけるのですが、これ日本人には申し出を断っているように見えることがあります。たとえばレストランでラッシー注文したい時に「ラッシーある？」って訊いて、首をクネクネさせると「ないのかな？」と思ってしまいがちです。これはインド旅開始前に覚えておいた方が良いです。

あと、有名なルールで「左手で食べない・握手しない」というのがありますが、これはガチ遵守すべきルールなので、しっかり守ってください (TSFもインド人に釘を刺されました) 確かに、左手で「アレ」している訳ですから、マナーを考えても良くないのは自明でしょう。

行ってはいけない地区がある

社会科の授業などを受けるとインドについて「カースト制度」を学ぶことがあったと思います。この「カースト」という言葉自体は欧州の言葉でインドの「ヴァルナとジャーティ」という社会階層や職業集団に関する宗教思想を指しています。

このカーストの枠組みで忘れてはいけないのは「カーストの下層にも入れない」いわゆる「不可触民」がいることです。この「不可触民」はインドでは「ダリット (ダリト)」と呼ばれていて、人口は推定1.6億から果ては2億人などという推計があります (ニホンの人口より多いです)。

不可触民への差別は凄まじく、完全に隔離された部落しか住めない上に、他の人とのあらゆる接触をインド社会はシャットアウトしています。たびたび人権問題で取り上げられる「不可触民」と「カースト制度」ですが、インド社会を長らく維持してきた思想だけに、解消は一筋縄ではないことは、調べると如実に感じられました。

さて本筋に戻りますが、TSFはムンバイに到着してから三日目に不可触民のいる地区に間違って入ってしまったのではないかと、一抹の疑念を晴らせないでいます。その日は折しも airtel の担当者が昼飯食べると言い出して「午後一時ごろ来てね」と伝えられたので、仕方なしに付近を散歩していた時のことでした。突然、道路が未舗装で、周りには立派なビルも多いのに、その地区だけ掘立小屋ばかり並び、地区にいる人もみんな肌黒くて服もボロボロでしたので「こういうインドの先入観そのものなところがあるんだ」とのんきに思いつつスマホで撮影していたら。横から中年のオバンが叫んできて、気づいたら数名の女性に囲まれました。

因縁をつけてきたオバンは現地語でなんか言っているのですが、剣幕も勢いもすごいし、指で数字を表現している感じから「ああ金せびってるな」とか「カツアゲしてるよな」と察して、その場から逃げようとすると行く道を塞ぎ、バックパックを引っ張って地区の奥側へと追いやろうとしてきました。そして一人が途中、若めの女性が若干ここでは書けない怪しい仕草をするので「これ逆◯ンやし行ったら監禁されるやん」と思って中年オバンと取り巻きの他の女性たちを払いのけてサッサと逃げました。

後ほどグーグル・マップで位置を確認するとそこはガットコパーという空港の東側のエリアで、ムンバイ・メトロとインド国鉄が交差する駅の北東側でした。不可触民とものと思われる掘立小屋の並びの近くには国鉄の線路が通っていたことが確認できました。不可触民は住める地区が限られており、しかも大体みんなが住むのを嫌がる地域しか許されていないので、線路脇はその話と一致しますし、ウィキペディアの不可触民の写真を見ても身なりも肌の様子も同じ感じだったので、ますます「あそこ、やっぱり不可触民の部落があるエリアだったんか？？」と今でも思っています (汗)

そういうわけで、間違って入ってしまうとトラブルの元になる地区があることを覚えておくだけでも身の安全は守れると思います。特にTSFは性犯罪の被害を受ける可能性がほとんどないので、女性の方や風俗を狙っている男性などには、インド旅は遥かにハードル高いことをお含み置きください。

酒は安いしバーも意外と多い

ムンバイでは、酒は安いし比較的簡単に手に入ります。

ムンバイ市民の御用達はキングフィッシャーなどラガービール… ではなくて実はウィスキーで、ハイワルドやバグパイプなど安い部類なら180mlの小ボトルがバーでも250~300ルピーでした。

ただこれはインド人には贅沢品です。

TSFが飲み屋で知り合ったインド人五人衆は「俺たち五人の給料みんな合わせても月二十万円もないくらいやで」と言っていました。それが天引き後なのか前なのか分かりませんでしたが、そんだけ低賃金で暮らしているのに小ボトルが300ルピーはかなりの負担です (とはいえ彼ら夜な夜な七時半からそこの飲み屋で深夜まで飲んでいましたが)。このこと、通常のちょっと高級なレストランでも200~300ルピーで食事できること考えても容易に想像つくと思います。

ちなみに酒屋は午後10時以降には法律の関係で閉店します。あと、ムンバイは酒に寛容な都会ですが、北隣のグジャラート州 (アーメダバードあるところ) など禁酒州もあるので、ご注意ください。結局はまぁ、健康考えて酒を飲まなきゃ良いだけの話ですけれどね (笑)

◎ こちらもご覧ください
https://hinodegroup.com/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AE%E3%81%8A%E9%85%92%E4%BA%8B%E6%83%85/

日本人がインド行く理由

通常、旅でどこの国に行こうが人の勝手であることは確かですが「インド初心者だけど行った方が良いのかなぁ？」と思っている人に向けて、この場を借りてメッセージを送ります。

迷うことはないです、行ってください。

なぜそう思うのか？その理由をこれから書いていきます。ニホンはなんでも便利で、融通のきく社会を戦後は特に構築してきました。全てが経済をスムーズに回すために、全ての人が豊かになれるよう、社会が高度に「構造化」したと言っても良いでしょう。

どういうことかと言うと、人々が生活を送るで困り事が起きないように、一定のルールに従って行動していれば、自動的に快適に過ごせる社会がニホンにはあると考えています。

ところが、ニホン社会が融通をきかせ過ぎてしまったからか、社会にいる構成員、それは大まかには国内に住む全ての人を指しますが、その構成員が不都合のために自分を融通させる力が弱まっている懸念がTSFにはあります。それは「常識だから」「社会がそうだから」と盲目的にルールに従い守らない者に罰を与えたり排除したりした結果として、どことか特定の地域ではなく、日本全土が、ほんのミリ単位のズレも許容できないセコセコとした人間社会に日本はなったんじゃないかと思わざるを得ません。そういうわけで、同調圧力が非常に高まり窮屈な思いをしている人も非常に多いと思います。

インドはそういう意味では、公のルールを振りかざして融通させようとしても、どうにも対応してくれない社会のように感じる時があります。そんな「不便な」社会の一端に触れて、自分の寛容さやフレキシビリティー (融通を効かせる態度) を高めることは、人生に役立つと信じてやみません。融通しない社会だからこそ、ある時は説得できるし、ある時は妥協もできると考えています。また融通してくれたことにも感謝できます。人生の先が長い若い世代 (自分も若い世代ですが) には後生大事な大きな財産となるような感じさえします。

このことについて、もちろんもっと書きたいですが、長くなるので以降は割愛します。あとのことは皆さん自身で考えてみてください。

まとめ

インドは刻々と変化をしていて、なりようは長い期間で見れば変わってきていると思います。今回は2024年という、さまざまな面を考えてもニホンにとってシオドキな年にインドに行けて、いろいろ思い出を作ることができていることに感謝しながら、ムンバイで感じたことをつらつらと書きました。三月末まで居るので、同じようなテーマで何本か記事を書けたら良いなぁと思っています。

TSFは今後も国境を越えて仕事をしながら、いまの生活を続けています。その生活の一部や感じたことなどを直接伝えることで、色々みなさんの力に少しでもなれば幸いです。

今後とも、ご愛顧よろしくお願い申し上げます (TSF)