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(365夢Screen140)

夢の世界はどこへ?

毎朝、寝床のなかで目が覚める。

たちまち観ていた夢の名残が消えてゆく。

あの夢の世界はどこへ行ったのだろう?

──いいや。

  あの夢の世界はどこへも行ってはいない。

  あの夢の世界は
  どこにも無かったことがわかるだけだ。

夢の世界のなかの自分は

夢の世界のなかにも自分がいた。

目が覚めた自分は、
あの夢の世界のなかの自分が目覚めたのだろうか?

──いいや。

  あの自分は夢の世界の登場人物だ。

  あの自分は夢の世界の一部だ。

  あの自分は
  はじめからどこにもいなかったとわかるだけだ。

この目覚めた自分は?

この目覚めた自分は
夢のなかの自分ではなかった。

この目覚めた自分は誰なんだろう?

──今朝、目が覚めた自分は
  昨夜ベッドのなかで寝入った自分だ。

  睡眠中の夢を観ていた自分でもある。

  睡眠中の夢はこの自分の個人的記憶から
  作成された。

  その自分が個人的な夢から目が覚めた。

この起きている自分

個人的な夢から目が覚める
この起きている自分とは誰なんだろう?

──毎朝、個人的夢から目覚めるのは
  個人的記憶からできている個人だ。
  
  その個人は
  両親から受け継いだDNAに基づく身体と
  生育過程の記憶で条件づけられている。
  
  それは身体とともに誕生した。

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