1968年「When Rain Clouds Gather」(『雨雲のあつまるとき』)の一節。南アフリカでアパルトヘイトの地獄を見て、ボツワナの農村に亡命してきた青年マカヤと、敬虔なクリスチャンとしてボツワナの村で生きてきた老女の会話。彼女は、初めて青年の心の負荷すぎる闇と憎しみ、苦しみに触れて動揺する。青年が見てきたものは、彼女の生きてきた人生とあまりにもかけ離れていた。
このシーンでは、青年と作家ベッシー・ヘッドの姿が重なる。キリスト教が「支配者」によって利用されてきた歴史に対する強烈な嫌悪が、青年の姿を借りて吐き出されている最も激しい感情が爆発するシーンなのだと思う。
この前段には、あまりに強烈で苦しいシーンがあり、読者は涙なくして読めないであろう(と思っている)。なのであえて引用しません。
ちなみにわたしは、そのシーンが強烈すぎて涙流して読むし、悲しすぎて夢にまで見た。
作家ベッシー・ヘッドについてはこちらのマガジンをご参照
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