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落日とともに シロクマ文芸部御中

食べる夜がやってくる。これはラマダーン断 食月の夜の呼称とも言えるだろう。
日没と同時に街中まちじゅうで皿の音が響き、さながらお祭りの様相を呈する。これが一ヶ月の間繰り返され、過ぎてみれば肥満ということもままある話である。
我が家でも例に倣い、肉を割き、パンを齧り、スープを流し込む。こんな調子で夜明けまでに3回分の食事を摂る。
ある朝早く、私は腹部の不調を訴えて医院の門を叩いた。馴染みの医師は快く招じ入れ、胃潰瘍の既往症がある私に再発を言い渡した。病気となれば断食は免除もされようが、この環境にあって、このお祭りに参加できないのはいささか哀しくもある。
医師は転地療養が必要だとして私を日本へと送り出した。それ以来、家族と共に静かなラマダーンを過ごしている。

*イスラム教徒はラマダーン月(新月から新月まで)の一ヶ月、日の出から日没まで断食をする。

小牧部長さま
今回も参加させていただきます。
何卒宜しくお願い致します。


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