見出し画像

セレンディピティーキャリアに偶然の幸運を呼び込むチカラとは?

みなさんは“セレンディピティ”という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
セレンディピティ(英語: serendipity)とは、「予測していなかった偶然によってもたらされた幸運」あるいは「幸運な偶然を手に入れる力」を意味します。2つの意味を含んで用いられることもあります。
実はこの言葉はノーベル賞受賞者がよく使うことで知られています。科学の世界では、偶然がもたらした世紀の大発見も少なくないので、幸運を掴む能力も必要と彼らは主張しています。しかし、ただ一言で幸運を掴む能力といってもその過程には様々な能力が必要とされます。例えば新しい環境に飛び込む行動力、周りが気づかないものに気が付く発見力、何かを見つける観察力などです。

セレンディピティの重要性
――――――――――――――――――――――――

画像1

現代はVUCA時代と呼ばれています。VUCAとはVolatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字から取った言葉で、現代の経営環境や個人のキャリアを取り巻く状況を表現するキーワードとして使われています。事実、新型コロナウイルス感染症の流行は誰も予想していませんでした。このような時代の中で生きていくためには、自分の力で幸運を引き寄せることが必要と言われています。
スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が20世紀末に提唱したキャリア理論、”計画された偶発性理論”では、

「キャリアは100%意のままにコントロールできない。8割は偶然の出来事によって決定されている」

という考え方があります。確かに、現在の自分のキャリアや人間関係が最初から自分が明確な意思を持って望んだものだ、とはっきりと言える人は少ないと思います。それならば、自分の周りで起こる偶然ができるだけ幸運なものになるよう準備をしておくべきだ、というのがセレンディピティの考え方です。以下ではセレンディピティの身近な例からどのように活用できるのか紹介していきます。

セレンディピティの身近な例
――――――――――――――――――――――――

「先月までアメリカ旅行に行っていた友人の話を聞いた。その影響か、アメリカ関連のニュースや広告、本が気になって気になって仕方がなかった。数日間、ずっとアメリカのことばかり考え、学んだことを周りの同僚にも話していたら、アメリカ出張の話が舞い込んできた。たまたま話をしていたから、声が掛かったらしい…。」
「半年前に見たテレビ番組がきっかけで、ずっとデザイナーの仕事が気になっていました。ちょくちょく調べたり、デザイナーの知り合いから話を聞いてみたり、少しずつ動いていました。そして先月、道でばったり見つけたデザイナースクールの無料お試しイベントに応募してみたらびっくりすることに、説明会で、未経験からデザイナー社員募集している会社の人事に出会って、そのまま転職が決まりました。とても幸運でした。」

この2つの例に共通していることは、自分が興味のあることや話題に常にアンテナを張っていたことです。「何かが起こるかも」と思っていてもいなくても、行動する姿勢を保っていることが大切です。

セレンディピティを高めるには
――――――――――――――――――――――――

画像2

次に、このような予期せぬ幸運に恵まれるためにするべき2つの習慣をご紹介します。

①フックを仕掛ける
初対面の人と会ったときに、まずは相手から自分に関心を持ってもらうことが必要です。そこで相手と自分の共通項を見つけるため複数のフックを仕掛けます。例えば、
「あなたはどんな仕事をしているのですか。」という質問に、「私は人と人をつなぐことが好きで、教育部門で活動してきました。最近は哲学も勉強したいと考え始めています。でも一番楽しいのは、ピアノを弾くことです。」と答えます。この答えには4つのフックが含まれています。情熱(人と人をつなぐこと)と職業(教育)、関心(哲学)、そして趣味(ピアノを弾く)です。もしこれらのうちの一つしか答えなければ、それこそ余程の偶然がなければ、相手の関心を引くことは難しいでしょう。しかし、複数のフックを仕掛ければ、「奇遇ですね! 私は人と人をつなぐことを目指す会社を始めたいと思っていたのです。ちょっとお話ししませんか。」とビジネスに繋がる返答をされる可能性も高まります。他にも相手に、自分にフックを仕掛けてもらうよう誘導することもできます。例えばWeb会議で初対面の人に会ったとき、「いま、何に興味を持っていますか」「いま、何をしたい気分ですか」など、大まかな切り出し方から始めてみることです。そうすることで相手も1つかそれ以上のフックを示してくれ、セレンディピティにつながるかもしれません。

画像3

②爆弾を仕込む
テクノロジーを活用して、さまざまなグループの人たちと結びつくことで、チャンスをつくり出すこともできます。起業家のマタン・グリフェルは、これを「セレンディピティの爆弾」と呼びます。極端と思われるかもしれませんが、あなたが尊敬する人々に飛び込みのメールを送るのも手です。意外にメールを受け取った人が、予想外の共通の関心や関わるべき理由を見出して、返信してくれることも少なくありません。
組織内では、別の部署の人をビデオ会議に招くなどがあります。リーダーは、メンバーを無作為にペアにすれば、思いがけない会話が生まれる状況をつくることができるし、昨今では、ロックダウンによる断絶を乗り越える手立てにもなり得ます。

実際、著名な企業のほとんどのトップエグゼクティブは、現在の地位に至ったのは、自分の知力や勤勉な努力だけではなく、運もあったと認めています。このセレンディピティを上手く活用することは、キャリア形成において重要な要素の1つであることは間違いありません。

エボラブルアジアエージェントでは、求職者の皆様の今後のキャリア形成の手助けをしています。ご相談はこちらまで!

本アカウントでは人材に関する有益な情報をお届けしてまいります。お仕事をお探しの方は、プロフのリンクへぜひアクセスしてみてください。