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【妹背牛牧場:清水今日子さん】

「動物が好き。動物とたわむれたい。」
彼女を酪農に導いたのは、そんな純粋な想いから。

北海道の妹背牛町。
妹背牛牧場で従業員として働く清水今日子さん(29歳)
2022年の4月、神奈川の川崎市から北海道に移住してきた。
「寒いのが大嫌い!」な今日子さんがなぜ北海道に来ることになったのか。

介護の仕事


高校で介護の勉強をしていた今日子さん。学校卒業後に介護の職場に8年ほど勤務した。
「手に職をつけたい」
お兄さんが野球バカだった影響で、そんな気持ちが強かった。
でも大学に行くなんて無理、早く働きたいと思って介護の勉強をした。

精神的にきつかったという介護の仕事。
何もしなくても毎年給料が上がること、がんばってもなにも変わらないこと。
このまま毎日過ごしていれば優雅に暮らせるお金は得られる。

おじいちゃんやおばあちゃんと話す時間。
とってもやりがいがあったけれど、もっとじっくり向き合いたいと思うこともあった。
マニュアル化されている仕事に疑問を感じた。
いまの牧場の仕事は決して個人プレーではない。
チームで働く職場が理想だった

そろそろ気分転換したいなと思った。
やりたいと思ったことをやってみたい!
大自然の中で動物と戯れることができたら…✨
 

牧場を探す


あるときから、インスタグラムで牧場のアカウントを漁り始めた
そして、妹背牛牧場の社長のアカウントを見つけた。
社長は家畜である牛に、一生懸命接していることがわかった。
 
「熱意のある会社で働きたい」
そんな思いから、妹背牛牧場のアニマルウェルフェア見学会に参加した。
このとき、酪農に触れることもはじめてだった。
旭川市から妹背牛町へ、ペーパードライバーの彼女は一人、車で牧場に向かった

実は、このとき山梨の牧場への就職が決まっていたという。
でも、この見学会に参加して牧場に一晩泊まって、大ファンになってしまった。
そのあと、妹背牛牧場の従業員のポジションが空いたという投稿を見た。
社長に速攻でDMした。

まわりのひとに相談もした。
「酪農って大変なんじゃない?」と言われた。
でもやってみたかった。

今日子さんのお仕事


いまの今日子さんの役割は、
・子牛のほ乳
・餌やり
・牛舎の除ふん
・ロボット搾乳の補助
という感じ。

朝5時から、育成牛の配合飼料をあげて、乾乳牛/子牛の除ふん、ミルクバーの掃除などをする。
2時間休憩してまた作業。
また2時間休憩して作業をして16時半くらいまでには一日の作業を終える。

「とにかく牛に触れる時間を増やしたい」
彼女は牛に夢中だ。

農場のコンセプトは、牛と触れる時間を増やすこと

牧場のひとつひとつの作業は、重労働で大変だ。
牛にしつけをすることも、はじめは苦労した。
でも、人にケガをさせないために、妹背牛牧場では牛に躾をする
悪いことをしたら叱る。

搾乳ロボットに入るとき、躾をしている牛はあまり暴れないらしい。
からだに触られることになれている牛は、体調が悪い時もすぐに処置することができる。

「みんなのために作業をがんばっている」
重たい餌も、みんなのために運ぶ。自分の子どものように牛と接する。

社長に言われたこと。
「牧場で稼ぐのは従業員だ」
がんばった分、牛が全部返してくれるから
乳量が上がれば、自分の給料にも返ってくる。

日々、ほかの牧場で働く畜産女子の投稿にも励まされている。
「生き方も勉強しています」
彼女の笑顔がきっと牧場の牛にも伝わっているだろう。

今日子さんのTiktokはこちら🐄