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羅生門(後編)

芥川龍之介
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青空文庫より、
芥川龍之介の「羅生門」
を2回に分けて読みました。
その後編になります。

極限の状況下では
危うくうつろう倫理観。
自分はどうだと思案する。


《ふわっとあらすじ》

下人は老婆に激しい憎悪を感じた。

彼は足に力を入れて
梯子段から飛び上がると、
太刀に手をかけつつ
老婆の前に歩み寄った。

老婆は驚き慌てて
下人から逃れようとしたが、
敢え無く取り押さえられた。

そして下人は老婆に、
死人の髪を抜く理由を問うた。

老婆はカラスがあえぐような声で
「これをかつらにして
食べる足しにするのだ」と
まったく悪びれる様子もなかった。

「この女は客を欺いて商売をしていた、
生きるために仕方なくしていたことだ。
だったら、このわしのすることも
おおかた見逃してくれるであろ。」

ここでは誰しも
盗人になるか飢え死にするか、
なのである。

彼は老婆の話を冷ややかに聞いていた。

そのうちにふとある勇気が湧いてきた。


下人の選んだ結末とは。


《語句解説》

弩(いしゆみ):弓の一種。
       特に中国において使われた射撃用の武器
検非違使の庁:警察署や裁判所のような役所

肉食鳥:鷹や鷲などの猛禽類
蟇(ひき):ヒキガエル
四寸(しすん):12センチほど

太刀帯の陣(たてわきのじん):たてはき【帯刀】の 陣
東宮坊の武官である帯刀の舎人(とねり)が、
御所警備のために集結する場所。

疫病(えやみ):えきびょう
菜料:おかず
冷然:少しも心を動かさずひややかな態度でいるさま。
引剥(ひはぎ):路上などでの盗み

黒洞洞(こくとうとう):洞穴の中のように
           あたり一面真っ暗なさま


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音声配信アプリstand.fmにて、
「しんいち情報局(仮)」の
「朗読しんいち」を
担当させていただいています。

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