見出し画像

新しいを備える

 プライベートな時間で、一緒にゴハンを食べに行こうと誘ってくれる人に出会えたことは、前職場で働けて良かったと思える貴重な唯一の点だった。
 その人達は自分より若い年代で、内面から生気に満ち溢れてるように見える。気持ちの面だけでなく、当然年齢的にお肌もぴちぴちで綺麗だ。一方、自分が古臭いのに気付いてしまった。自分の方が年を取っているからそりゃそうなのだけど、ふと思いおこせば、ここしばらく節約節約で、生活必需品以外はなるべく何も買わないようにしている。
 食べ物は食べたいものだけで腹が満たされればいい、処分する手間を思えば余計な物も増やしたくない、まだ使える物は使い倒したいし…と思い続けて生きているうちに、服も下着もヨレヨレの物が大半になっていて、一体何年前に購入したか分からないメイク用品を使い続けている。自分を労ったり服装や装飾品、メイクを楽しむことに全く無関心になっている。
 こんな状態では、実年齢と共に、いやそれ以上に身も心も衰えていくのは当然だろう。手始めに、ヨレヨレ過ぎてもう着てない服や、サイズが合わず付けていて不快に感じる下着は処分し、新調することにした。
 シミシワが増えた古臭い顔もなんとかしたい。無理した若作りメイクではなく、ちゃんと年相応にメイクを楽しみたい。が、メイクの知識は皆無なので、現状を学ぶ必要がある。早速メイクの本を買って読んでいると、やはり自己流のメイクは いにしえの方法だと思い知る。
 本は、漫画イラストと文章とが半々の内容で気軽に楽しく読める『メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』著者:吉川景都・BAパンダ(ダイヤモンド社)。

 自分の悩みに直球する内容で(あ〜そうそう、そうなのよねぇ…)と頷きながら読んでいる。眉ひとつとっても、本の方法でやってみると自然な眉が作れて、ちょっと古顔がマシになった(気がする)。上記のリンクから、眉の項の試し読みが出来るので、自分と同じく眉の描き方の正解が分からなくて悩んでいる眉迷子状態の方にはオススメしたい。

 世の中では、マスクを付ける付けないは自己判断ということになっているので、自分はマスク生活を当分止めないつもりでいる。何故かというと、あまり顔の造形に自信の無い自分には、顔を半分隠せることは人前に出るときに心が軽くなる。そして、マスクで隠れる部分は正直言ってメイクをサボれる。楽なのだ。(その反面、外さなければならない場面で他人から全顔を見られることがものすごく気が重くなるのだけど)マスクはそもそも感染防止の為だが、もちろんそれもある。マスクをし始めた2019年冬以降、ワクチン未接種のまま、例の流行り病どころかインフルエンザも従来型の風邪にも一度も罹ってない。夏のマスクは暑苦しいが、上記の利点があるので基本マスクを装着しておく。
 マスクを付けて半顔生活を続行するからには、顔のパーツで際立って目立つアイメイクは、古臭くなくマシに見えるようになりたい。
 アイメイクといえば、現代っ子や、メイクに明るい方には何を今更…と突っ込まれるかもしれないが、暗い色で目を囲むアイシャドウは古いらしい。そういえば前職場の方々の中でも、暗い系のアイメイクは自分含めごく一部の少数派だった。むしろ暖色系の明るい色をしていた方が見られ(オヤ、あんな明るい色?でもカワイイな)と思ったことがある。
 話が少し逸れるが、国民的大人気作品の『うる星やつら』TVアニメ令和版がリメイクされた際、ラムちゃんのアイシャドウはブルーから、ピンクっぽいオレンジになっていた。瞼の色が暖色に変わったことで現代っぽく、表情は優しく見えてラムちゃんがよりカワイくなっていた。ちなみにブルーはクールでカッコいく見えるので、あれはあれで好きだ。
 メイクの色味ひとつで随分雰囲気が変わる。そう、メイクは気分次第で色を変えても構わないのだ。まだ残っていてもったいないからと、同じ暗い色1色をひたすら使い続けていたが、日によって変えてみようと思い、明るい新色を買った。ついでにマスカラに関しても最近は、別に黒ではなければいけないことはないらしい。店頭には茶色、緑、ピンク…色んな色が並んでいた。緑やピンク、と雑に書いたが、それらは派手なビビッド系ではなく、彩度が低く浅くて淡い、所謂くすみ系の色。因みに最近は、教科書等にラインを入れるマーカーにも、くすみ系の色が販売されていて、お若い方に蛍光色のマーカー見せたら「初めて見る」だの「目がチカチカする」だのと言われるそう。現代は色味も、目に優しいのが好まれているようだ。
 ただ注意しなければならないのは、自己流アイメイクでピンクやオレンジを使うと、確実におかしくなる。殴られたか、蚊に刺されたのか…?みたいな腫れぼったいヤバイ瞼になるため、これも本のやり方を参考にしている。赤系は目立つので、瞼に赤系を使いたいなら、他のパーツにも赤系を使うと、瞼だけ浮くことがなく自然に見えるそうだ。確かに、顔と同じく全身の色味を揃えておけば赤系の瞼が浮かない。あとは、メイクだけ頑張っても服装が釣り合ってないとおかしい。ヨレヨレの服装やボサボサの髪で、目だけバッキバキにメイクされているヤツなんて怖い。世の中から浮く。服装や髪にも気を遣おう…。
 他にも、肌のベースメイクのことや、メイク道具の手入れについても書いてあるが、やはり重要なのは、寝る前にメイクをしっかり落として肌のケアをするということが書かれている。
 え?そんなの当たり前でしょ?と感じる方もおられるかもしれないが、生きること何もかもが面倒臭くなっている精神状態では、メイクをしたまま寝るなんてのは常態化してくる。肌のケアなんてとてもまともにやってない。そりゃあ…シミシワの肌になって当然だ。
 昔、芸能人か誰かの言葉で「自分のケアを怠ったり雑に扱っていると、結果、それに見合った相応の顔になる」と聞いた記憶がボンヤリあるが、今の自分はまさしくそんな状態。
 今後はなるべく、メイクを楽しむと同時に、自分のことを雑に扱わずケアもちゃんとやっていきたい。年齢を重ねてもせめて見苦しくない自分になりたい。普段着の服装にももう少し気を遣おう。ゴムがビロビロになった靴下も、毛玉だらけの服も、それに慣れてしまうとそれに見合った見苦しい自分が仕上がるのだろう。ああいうのももう部屋着にせず、なるべく処分していこう…。

 変わらない信念を持ち続けるのは大事だが、新しいことを学び取り入れることも、同じぐらい大事だと思った今日この頃。
 メイク用品や肌のケア用品を、と薬局で揃えたのだが、気付けば一度に1万円以上使ってしまっていた。その他、本とか、新調した衣類とか、たかが外れたように一気に(節約生活していた自分にとっては)結構な散財をしてしまった。その後、我に返り愕然としている…。

 まぁ…自己投資ということで。(…でもやっぱり当分食費は削らなければ(泣))




今年の桜。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?