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漢方との付き合い(1)

昨年夏ごろ、ちょっとした思い付きで、漢方薬剤師の方のカウンセリングを受けて、漢方を処方してもらうようになった。また、この漢方との出会いは、それ以前から始めてはいたランニング・運動習慣に対する意識を高めてくれるものともなった。中医学に基づく考え方や処方された煎じ薬との付き合い方について、最初の処方を受けて約1年が経ったので、自分の漢方との関係を模索した日々を、整理してみようと思う。まず今回は、漢方との出会いから初回の処方後まで。


漢方との出会い

自分のインスタグラムのアカウントで漢方関係の情報をフォローをしていた記憶はないけれども、何らかのアルゴリズムにより、たまたま私の画面に、近くに(といっても車で20~30分)オープンした漢方薬局のアカウントが広告として表示された。
小綺麗で無駄のない空間とシンプルなロゴや店名が好印象だったのか、ふと、オープン記念での無料カウンセリングというものを予約して見ることに。断わっておくと、興味がありそうであれば広告を開くことはあるけれdも、ここまでの行動力は自分で今考えても驚きだった。

正直言うと、予約をしたときはものすごく大きな悩みがあって、何かにすがりたかったわけでもない。今の状況を客観的に聞いてもらえるのはよさそうだな、という気楽で気軽な衝動で、その時には、漢方を処方してもらうというのはどういうことなのかなど、全く考えてもいなかった。

カウンセリングに対する期待とイメージ

個人的には、以前からカウンセリングを受けることに興味があった。大きな不安を抱えているわけではないけれど、何かを吐き出せる環境があるとよいなと思っていて、精神的な面で自分が頼れると思うカウンセラーがいたらよいなと漠然と思っていたのです。

昔から海外ドラマを見ていて、例えば『アリーmyラブ』(1997-2002/米)では主人公のアリーが、カウンセリングをしょっちゅう受けている場面を目にしていた。正直、私が見ていたほとんどのドラマで見るカウンセラーの扱いというのはなかなかひどいもので、あんなもの行きたくない!と、おおよそ馬鹿げた仕組み扱いをされてはいたけれど、何かあれば学校や会社がカウンセリングを半ば強制するのが当たり前の社会だということが、印象的だった。

人生初のカウンセリング

予約の枠は1.5時間。

あまり何も考えずに当日を迎えると、漢方の考え方などを丁寧に教えていただきながら(でも覚えきれず笑)、とにかく対話をした。話しているうちに、そういえばこんな症状があったとか、すっかり忘れていたけれども、何度か繰り返していた気になっている体調の変化があったことなど、質問されたり回答したり、脱線した世間話をしたりしている間に、色々なことと紐づけながら思い出す。これは漢方とは関係ないかなと思って話忘れたことも、途中で話題として出すと、実は結びついていると説明してくれることもあった。
特に、私がPMSを特別意識し始めたのは、このカウンセリングを受ける数か月前だったので、そういった体調の変化を潜在的に感じていたことも、このカウンセリングへ向かった理由かもしれない、と後から思うところもある。

オリジナルのブレンド茶とドライ棗をお茶請けとして出していただき、全部話しきったと思えるような、満足な時間を過ごした。

漢方の処方

カウンセリングを終え、いろいろな私の悩みに対する漢方(煎じ薬)の処方について説明を受けた。この説明がくるまで特に何も考えていなかったけれども、漢方薬局なのだから当然です。本来、漢方を処方するためのカウンセリングで、今回はオープン記念ということでカウンセリングが無料なだけだった。話せば話すほど、自分の悩みは確かにあるけれども、それほど巨大な悩みではないことも感じつつ、面白そうだから一度試してみようと思い、処方を受けることにしました。

簡単にまとめると、

  • ブレンドする生薬により異なり、500~700円/日 程度が目安

  • 早ければ1~2週間で効果が感じられる

  • お茶のパックみたいなものに、500mlの水を注ぎ30分間極弱火で煎じる ⇒ 250~300ml位になり、それを3回に分けて食前に服用する

という説明を受けた。
やはり最初に悩むのは価格。ざっと、煎じ薬は月に2万円程度かかるということは分かった。とはいえ、その価値があるのか、やってみないことにはわからないので、ひとまず、2週間分処方していただくことに。

実践:毎日煎じる

まず、私はこれまで風邪等で薬を処方されても、なかなか予定通り服用するのが苦手な人間でした。とにかく忘れる。ましてや、食前なんてものは、ご飯を食べてから思い出すと、愕然とする。

そんな私が、毎日煎じる+食前に服用など可能なのだろうかと疑問だったけれど、なかなか高額なお薬だということもあり、とりあえずちゃんとしたルールを守って取り組みたいという意気込みは自然と芽生えた。また、薬剤師さんと相談して、私の生活スタイルの場合は、夕食前に煎じて、夕・朝・昼を1セットとした方がよいとの結論に達したので、その方針で始めてみた。

煎じた後の生薬パックとできたお薬 ※鍋は漢方に関係なし

最初に煎じた感想は、とにかく香りが良いということ。独特な香りですが、私は好きで、作る過程から楽しく、そして心が落ち着く。また、味もおいしい。エキス剤の時そんな風に思ったことはないけれど、煎じ薬というのは組み合わせによって大変美味しい。
また、1日1回、夕食前に毎日30分煎じる、他の2回も食前に服用するというのは、思った以上に生活のリズムを意識する行為だった。その頃は、ある程度仕事も落ち着きがあり、そのリズムを崩さぬ生活を続けることは可能だったので、漢方という私の生活の新参者は、生活行為の中心となった。

当初の不安も忘れるほど、私にとって漢方を服用することは、楽しいことであり、一定の生活のリズムを刻む大事なツールともなった。

漢方の効果とは?

初回カウンセリング後の2週間、毎日煎じ、服用を続けた。さて、何か効果があったのかといわれると、正直、”わからない”というのが感想。悩みの一つに、突然始まったPMSによる肌荒れのというものがあった。しかし、別途に改めて書く予定ですが、漢方に出会う直前に、肌荒れに対する薬は皮膚科でいただき塗り薬での改善効果は感じていた。そのまま西洋薬も使いつつの漢方薬ではあったので、肌荒れは改善していったものの、それが漢方のおかげなのか塗り薬のおかげなのか、正直わからない。
しかし、煎じ薬を作り・飲むことの副産物というのか、生活のリズムを意識するという行為そのものが、最も私にとっては良い出会いであり、効果でした。

結果、私はそのあとも、漢方薬局に通うことを続けることにした。この生活リズムへの意識は、最初にも書きましたが、先に始めていたランニング・運動習慣への意識を高めるものともなる。しかし、続ける過程で見えてきた、私なりの壁もありましたので、それはまた改めて書きます。